「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



名古屋在住の仲間たちと何日も前から調整して来た日。
“勝とうよ”
“勝たせようよ”
そう、思いはひとつ。

開門は11時。
流れる赤い波を車窓から見送る。
“護国寺の渋滞がなかったら合流出来てたのに”
前夜急遽決めた、車での参戦。
試合のためだけに乗り込んだ豊田スタジアム。
“手ぶらじゃ、帰れないんだ”

GK山岸
DF内舘・闘莉王・ネネ
MF平川・啓太・長谷部・アレックス・暢久・ポンテ
FWワシントン
リザーブ都築・細貝・相馬・酒井・伸二・達也・岡野
永井が出場停止。GKが都築から山岸に交代。
“都築じゃないんだ。勝ったのに弄るのか・・・”

“4バックだ”
内舘が左、平川が右。シトンの1トップ。
ネネがヨンセンをマークする。
“悪くないね、このシステムでも”
ややぎこちなく感じる選手たちの動き。
頭の片隅に過ぎる嫌な予感を封印する。
一進一退、シュートまで行かない序盤戦。
暢久の突破も得点には繋がらない。

“失点する雰囲気はないかな”
闘莉王、啓太の存在が際立つ。
前進する浦和を必死で止める名古屋。
ロビーが危険なタックルを受ける。
“危ない!何しやがるんだ”
20分、シトンが抜ける。
“決めろ!”
ポストに弾かれたボール、混戦から放つシュート。
“惜しい!次だ、次”
長谷部、ポンテがゴール前に進出する。
ラストパスだけが、合わない。
“チャンスはあるのに・・・”
“決めるときに決めないとマズイよな・・・”
中盤の底でボールを奪い、速攻。
シトンのシュートはバーの上。
“何で決まらないんだろう”
44分、審判の判定に苛立っていたシトンに警告。
“落ち着け、シトン”
主審は長田氏。

前半終了、0-0。

“何とかしたい、勝って帰りたい”
左右から浴びせるクロスボール。
中央から突破するドリブル。
圧倒的な攻撃力。
屋根に反響する「声」、自分自身を鼓舞する「跳ね」。
“全ては勝利のために”
シトンのヘッド、啓太のミドル、ロビーからシトン・・・。
右から暢久、シュートはゴール左へ。
“ノブヒサッ!!”
“どうして決まらないんだ、どうしてなんだ”

遠い1点。
攻めても攻めても決まらない。
声が掠れ始める。
60分過ぎ、暢久が抜ける。
GKと1対1。
“暢久、ノブヒサ!頼む!!”
“チクショウ、これもダメかよ”
ヒラ、内舘がオーバーラップ。
闘莉王、ネネもビルドアップ。
忙しなく動くボール、攻守のリズムが急ぎ出す。
“もっと落ち着いて”
“焦るな、慌てるなよ”
ボールを持ちすぎるシトン。
“らしくないよ、シトン”
71分、暢久out伸二in。
“伸二、頼む!”
伸二なら変えてくれる。
伸二なら決めてくれる。
信じて戦う。
僕らにはこれしか出来ないんだ。
ロビーが、長谷部が走る。
“行け!走れ!!”

79分、失点。
“まだ時間はある、追い付けるんだ”
“勝つんだ、勝たなきゃいけないんだ”
挫けそうになる気持ちを奮い起こす。
84分、ポンテout達也in。
闘莉王が前線に張る。
縦から、サイドから放り込まれるボール。
“スペースが、ないよ・・・”

高く、強く、跳ねる。
強く、大きく、叫ぶ。
僕にはこんなことしかできない。
“負けちゃいけないんだ”
“(勝ち点)1でもいいから、持ち帰らなきゃ”
ロスタイム2分。
“2分もある、まだまだ”
逸る、焦る。
“ここで負けちゃダメなんだ”

ウォリアー。
届け、俺たちの想い。
共に、戦おう。




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