アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

木こり警報発令中

2016年07月08日 | Weblog
 「妻」の字が「毒」に見えたら…
 サラリーマン川柳の過去の優秀作ですがね…。

 事件の発端は、「ノコギリの使い方」をカミサンに教えたことにあります。
 家の周囲の木が、電線や電話線に届くまでになってしまったので、大々的に枝を切りました。切った枝の始末ですが、長さ150センチメートルに切って、直径40センチメートルに束ねる。これで、粗大ゴミの日に収集車が回収してくれる。もちろん有料ですがね。その、150センチメートルに切る係を、カミサンに頼みました。おもしろいほどよく切れるノコで、カミサンはすっかり「木こり気分」。これが不味かった。それからというもの、「あの枝がカッコ悪いから切る」「この枝が日陰を作る。日あたりをよくするために切る」…そんなわけで、片っ端からバンバン切る。

 「木の生長は遅いんだよ、むやみに枝を切らないで」
 「日陰を作るのが木の役目。オカゲサマという言葉は、木陰から来たもの」
 などなど、なんとか「木こり」を廃業してくれるように頼みました。
 しかし、耳を貸さない。

 15年ほど前、転勤する際、お向かいの住人で90歳を過ぎた男性がおられた。私の転出を残念がられて、「これ、やるから。オラのこと忘れんでけれ(忘れないでください。『けれ』は、『蹴れ』ではなく『…してください』の意味)」と、見事な「真迫の盆栽」を記念にくださった。
 真迫は、学名をミヤマビャクシンという松の種類。切り立った断崖絶壁の岩の隙間に根を張る。厳しい環境で育つので、幹が大きく屈曲・捻転している。深山幽谷の聖者。買えば数十万円はする見事な盆栽…。一も二もなく頂きました。
 それからというモノ、転居の度に持ち歩き大切にしておりました。

 その日は突然やってきました。庭に違和感が?な、な、な、なんと!「真迫の盆栽」が、「何じゃこれ?」の状態に!深山幽谷の聖者が、廃墟の斬られ与三郎に!
 犯人は、もちろん「木こり」。
 その言い訳は、「枝がぁ、伸びてたでしょ!あと、曲がっていたし…」