アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

引き分けねらい、負けねらい…道徳的には?

2012年08月04日 | Weblog
 なでしこジャパンの佐々木則夫監督は、「引き分けねらいを指示した」と、言った後、「しまったぁ」といった顔をしました。瞬間、「つい言っちゃったぁ、言わなきゃ良かったぁ…」ロンドン五輪南アフリカ戦直後の話ですがね。則夫さんは、そのあと開き直って、「勝つため(金メダル獲得)に、最大限の努力をするのが自分の使命」と、引き分けねらい指示の理由を付け加えました。いいと思いました。男が一旦口に出した言葉を、ごまかさなかったところがいい。

 南アフリカに勝ってしまうと、リーグ戦F組みの1位になってしまう。そうなると、決勝トーナメントの初戦までに、640kmの距離を8時間以上かけて移動しなければならない。リーグを2位通過すると、移動無しで決勝トーナメントの初戦を迎えられる。8時間の移動は、選手のコンディションに大きな影響を与えます。だから、引き分けに持ち込みたかったのです。
 ただ、終了間際が醜かった。攻めずに、ボールをまわして時間を稼ぎました。あれがなければ、「日本は引き分けを狙ったな」と、気づく人が少ないままだったと思いますがね。

 南ア戦では、「出場機会がなかった選手を出した」ということで7人が五輪初先発でした。このあたりから、「引き分けならいの意図」が感じられました。
 また、意地悪な見方をすると、リーグ1位になると、フランスと当たる。フランスには分が悪い。それを回避するためには、リーグ2位になる必要がある。そうすれば、決勝トーナメントでブラジルと当たる。ブラジルのほうが勝ち目がある・・・。

 ともあれ、なでしこの、「わざとに引き分け」には、作戦だから良いんじゃないかと思っていました。そこへ持ってきて、バドミントン。
 決勝トーナメントでどの山に入るかの作戦とはいえ、「わざとに負けようとした」これには、世界バドミントン連盟(BWF)が、合計4ペアを失格処分にしました。理由は、「勝つために一生懸命戦わなければならない」という規約に違反したから。バドミントン、素晴らしい!

 ありゃ?よーく考えると、「最後に勝つために、途中の試合で意図的に引き分けたり、負けようとしたり…」これって、なでしこの南ア戦も、バドミントンの失格四天王ペア(中国、インドネシア、韓国2ペア)も、同じじゃないか?

 これは、道徳の教材に使えますよ。米ハーバード大学「白熱教室」のサンデル教授などは、すでに講義で使おうと用意をしていますよきっと。

 金メダルの為に、過程で八百長まがいの試合をする。その「罪」と、「金メダル」は相殺されるのか?道徳的に正しいことなのか?
 私の結論ですか?そ、それは…「なでしこが、ブラジルに快勝したので…」正しいということでしょうか…。