アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

公設派遣村…悪人がはびこって…

2010年01月19日 | Weblog
 年末年始に住居がない失業者らに宿泊場所や食事を提供する東京都の「公設派遣村」が昨日閉所された。
 騒動でした…入所者201人が、求職活動費の現金を支給された後に所在不明になった。
 東京都は、施設内に「3日以上の無断外泊者および1日以上外泊し・・・戻らない人は強制退所させる」という張り紙をした。2万円をもらって所在不明になった人は、その貼り紙の内容をどうやって知ったか分からないが、帰ってきた人がいた。しかし、半数以上が戻らなかった。

 1人当たり2万円を支給…求職活動に必要な交通費や食事代、日用品代などとして。菅さんが言うところの、「毒まんじゅう(定額給付金)」のような金額。833人に支給したわけだから、その金額だけでも・・・!そのほかに、宿泊施設にかかわるユーテリティ、食費…結局、1億5,000万円かかったという。大変な出費です。それって誰のお金?

 「2万円もらって、ドロンした人たち」…。厚意や好意を踏みにじる行為(ウマイなあ!…自分で褒めるなってがぁ)。日本人、どうしてこれほど悪くなってしまったのでしょう。窃盗も強盗ももちろん悪いが、「派遣村へ入って2万円もらってハイサヨウナラ」は、それらよりはるかに悪い。泥棒の恥だな。

 単純な思考しかできない私にとって不思議でならないのは、「年末年始に派遣村へ入る人達は、それまでどこで寝泊まりしていたのだろう?派遣村が閉鎖になった今、どこへ行ったのだろう?」ということです。

 派遣切りされた求職者を採用した企業で、「採用して良かった」というところってあるのでしょうか?聞こえてくる分には、もうクソミソです。
 勤務初日、昼休みにいなくなったので連絡をとったら、「もう辞めます」だったとか…。それに類する話は枚挙にいとまがない。「頑張る」ということが出来ない人が多いということでしょうか。「頑張れ!と励ますのは良くない」などと言い出す輩がいるものだから、怠惰な人はその気になって頑張らなくなる。「生きる」ということ自体、「頑張る」ということ。「頑張っているのに頑張れと言われるのは腹が立つ!」だって?本当に頑張っている人は。「頑張れ」といわれたら、「ハイ!」と言いますよ。

 先日もテレビで観たのですが…月給24万円、寮完備のクリーニング会社が、派遣切りされた7人を採用した。ほどなく1人しか出勤してこなくなった。あとの6人は、「仕事がきつい」と、辞めてしまった。つまり、「仕事がない」のではない。「やる気がない」だけ。そのクリーニング会社の労働力は、外国人。彼らは、必死で働いています。「(仕事は)きつくない」と、キッパリ言っておりました。

 この度の公設派遣村、東京都の集計では…
 ○ 生活保護などの支援を受けることになった人・・・420人
 ○ 就職先が決まった人・・・約25人程度(入村者の5%未満)
 ○ 強制退寮者・・・113人(←こやつら、どうにもならない)
 ○ 自主退寮者・・・28人
 ○ 病死・・・1人
 入所者は、「…施設での暮らしはプライバシーがなく、盗みも多くて悲惨だった…」これだもんねー。公設派遣村内に泥棒が!しかもたくさん!

 この度の事件で、派遣村へ入る人の半数近くが、「派遣村へ入る必要がない人」ということがはっきりしました。「2万円くれるというので、入った。お金をいただいてしまえば、長居は無用」ということでしょう。そんなに悪く解釈するなって?では、どう解釈すればよいのでしょうか?のっぴきならぬ急用が出来て、やむなく無断外出したのかもしれないって?200人に同時に急用ができるの?

 どうして人はこのようなことができるようになってしまったか?これは、森口朗さんの著書から浮かび上がってきます。よって、ここでは解説しません。というか、森口さんが数冊の本で述べていることを、私が数行で説明してしまうのは申し訳ない。

 派遣切りされて本当に困っている人がいるのだろうか?いました…。大阪市のアパート(家賃は3カ月滞納)で、元派遣社員が餓死していた。室内にあった所持金は90円で、冷蔵庫は空だった。胃にはほとんど何も残っていなかったという。そういう人と、コソドロ詐欺師(2万円ゲットでドロン)をどうやって見分けるか?見分けられないですよ。

 政府は、「緊急人材育成・就職支援基金」の予算について縮小する方向。野党時代と主張と違うあたり、絵に描いた餅は食えないということを知ったというところでしょうか。