「一回こっくり」 立川談四楼著 新潮社 (09/09/14読了)
毎度のことながら、談四楼師匠の小説を読むたびに日本語の美しさに感銘を受けます。いわゆる美文調というのではなく、簡素で、耳に心地よい、リズムのある文章。さすが、音を職業にされている方だなぁ…と思います。そして、この作品は、小説としての構成の素晴らしさにもやられてしまいました。
幼少期、そして、憧れの談志に入門して落語家となり、立川一門が落語協会を脱会してからの苦労…。ある意味、談四楼師匠の自伝的小説であります。中でも、幼い弟を亡くしたこと、落語家になった後に母親を亡くしたことが師匠にとっては、忘れることのできない、心に深く刻まれる出来事であったことが伝わってきます。
大切な人を失う喪失感と、それでもなお、残されたものは悲しみを抱えながらも生きていかなければいけないという諦念が、一つの創作落語に結実していく。談四楼師匠が、その人生を経てこそ書きえた創作落語-そのタイトルが「一回こっくり」であり、この小説の最終章であり、そして、タイトルでもあるのです。ううううう、上手すぎます。
そして、昭和って、いい時代だったなぁと、ちょっと感傷的な気分になります。経済大国ではなかったけれど、精神的にはもっと豊かだったような気がします。って、感じるのは、私が年をとったからだけなのかなぁ。
毎度のことながら、談四楼師匠の小説を読むたびに日本語の美しさに感銘を受けます。いわゆる美文調というのではなく、簡素で、耳に心地よい、リズムのある文章。さすが、音を職業にされている方だなぁ…と思います。そして、この作品は、小説としての構成の素晴らしさにもやられてしまいました。
幼少期、そして、憧れの談志に入門して落語家となり、立川一門が落語協会を脱会してからの苦労…。ある意味、談四楼師匠の自伝的小説であります。中でも、幼い弟を亡くしたこと、落語家になった後に母親を亡くしたことが師匠にとっては、忘れることのできない、心に深く刻まれる出来事であったことが伝わってきます。
大切な人を失う喪失感と、それでもなお、残されたものは悲しみを抱えながらも生きていかなければいけないという諦念が、一つの創作落語に結実していく。談四楼師匠が、その人生を経てこそ書きえた創作落語-そのタイトルが「一回こっくり」であり、この小説の最終章であり、そして、タイトルでもあるのです。ううううう、上手すぎます。
そして、昭和って、いい時代だったなぁと、ちょっと感傷的な気分になります。経済大国ではなかったけれど、精神的にはもっと豊かだったような気がします。って、感じるのは、私が年をとったからだけなのかなぁ。
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