「小夜しぐれ」 高田郁著 ハルキ文庫 11/06/21読了
お馴染み「みをつくし」料理帖シリーズも、ついに第5弾となりました。
昨日読み終わった「雷電本紀」は格式ある料亭で頂く会席料理の如し(って、料亭で会席石料理なんて食べたことないけど)。一つ一つの素材が厳しく吟味され、調理法から味付けまで、これ以外の方法は考えられない―というところまで極めた迫力が感じられる。
でも、どんなに素晴らしい素材で、どれほど美味しくたって、毎日会席料理を食べたいか―と聞かれると、決して、そうではないんですよね。白いごはんに海苔の佃煮を載せて、ワカメとジャガイモの味噌汁、目玉焼きは白身を先に食べて、最後に半熟の黄身に醤油を垂らしてジュルッて食べるのがフツーに幸せなのです。
「みをつくし」シリーズは、まさに、そういう「うちゴハン」的な安心感で、ホッとした気分にさせてくれる。「雷電本紀」とは違う意味で、物語を読む喜びを与えてくれる作品。
でも、根性なしの私はちょっとイライラしてきました。物語のベクトルは、明らかに、澪が思い人と結ばれるフィナーレに向いてると思うのですが、その進捗は「3歩進んで2歩下がる」超スローペース。著者がレディースコミックの漫画原作の仕事をしていたことと関係あるのかどうか定かではないが、なんとなく、少女漫画の毎週ネタ小出し作戦的に結末を後ろ伸ばしにしているような…。「落としどころは決まっているんだから、さっさと2人が結ばれちゃえばいいのに!!!」と、ついつい、せっかちなことを心の中でつぶやいてしまう私。せめて、最終刊が6巻なのか、7巻なのか教えてほしいなぁ。
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