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もんく [とある南端港街の住人になった人]

放っておく

マレーシアにはマレーと中華系とインド系の3つの民族がいて、それぞれについてこんな感じ、あんな感じって、そう言う時はだいたい良くない性格が強調されて言われるわけだけど、共通点と言うのもある。他の民族がどんな生活してるかにあまり、と言うかほとんど興味が無いらしいので共通点があるのも不思議ではあるのだけど、どうも、見てると教育の成果なんじゃないかな。

その共通点というのは、自分にできなそうな事、やってダメだっら文句言われそうな事を「放っておく」と言う点。これは本当にマレーシアの人はみんなそんな性質がある。これまでやった事のない仕事は自信が無い。すると放っておく。ちょっと困難そうに思える事は絶対に放っておく。まあ、大事かどうかわからないな、と思う事。これも放っておく。問題が起きているとき、自分がやった事じゃないな、と思うと、放っておく。

仕事でなくてマレーシアに来ている人は、どこかのカスタマーサービスとかお役所とかで何らかの被害に遭って「たらい回しの刑」とかって言う。根本的には「放っておく」って性質から来ているんだと思う。自分もTune Money(エアアジアの関連会社)のプリペイド式クレジットカードでそんな目に遭っている。あの会社、平気で何ヶ月もカード送って来ないで平気でいたり、ウェブサイトの不具合直さないでずっとそのままにしていたりする。こんなのもみんな「放っておく」に由来している。

マレーシアで仕事なんかしていると、そうしたところが本当によくわかる。例えば品質管理。業者さんが不良品送ってきたとする。一応入荷検査して弾いたり統計取ったりしている。が、それから何ヶ月経っても同じ不良が直らない。でも毎月不良が何%入ってきてるとか報告してはいる。で、どうしたのかと言われると、業者さんに報告入れているって言う。要は、自分の責任じゃ無いから放っておく。自分がなぜそうなってるのかわからないから言うだけ言って放っておくって事になっている。そう言う事をちゃんと大学教育受けて仕事経験を重ねた人間がやっている。

例えばエンジニア。機械が故障してしまったけど外見上どうしてそうなっているのかわからない。だからそれを作った業者さんにに聞いてみる。答えが返って来ないからどうしようも無い。で、放っておく。自分が触ってもっと壊してしまったらどうしよう。放っておく。設備をもうちょっとどうにかしたいけど、保証期間内だからな、と。放っておく。スペアパーツが無い。放っておく。触れる人間がいない。放っておく。

例えば人事。ある労働者の給料の払いに問題がある。それは派遣会社の問題だから、と何ヶ月も放っておく。会社の寮で水が出ない。水道の請求書が届いて無いから放っておく。労働者のスキルに問題がある。申請が出ていないから放っておく。

だいたいこんなふうに、それは民族の壁を超えて同じようなのだ。そうしたわけで、イライラしながら待ちましょう。そのうちこっちが放って置かれてる事、忘れるから。
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