日本だと、仕事サボっていると怒られる。これは普通。でも人間て、1日8時間の労働時間中ホントに集中できる時間は限られている。一番上手くできても6時間程度が最高じゃないかと経験では感じる。それだって毎日だったらほとんど無料だろう。工場で1日流れてくる品物を検査するって事だったりすると2時間持つかどうか？けっこう頻繁に休憩しないと無理だ。(そう言うアルバイトした事があった。)
最近、日本は効率が悪いと言われる。ガンバリ過ぎてるせいだと自分は思っている。今、このマレーシアの工場でネパール人やバングラデシュ人と一緒にやっていて思うのは、お金だけを目的に仕事選ばずにここに来てやっている彼ら、これがもしかして雇われ人として働く人の普通なんじゃないかと言う事。
彼らが高い教育を受けていないとか裕福でない遠い地域から来ているとかそんな事は関係なく、日本で日本人が働くとしたところで雇用側の目的意識と働く側の目的意識は根本から違うのだ。そう考えれば彼らが負う責任はそこに参加すると言う部分だけになるはず。その結果への責任は問えない。まして雇用者や上司、会社の思いに同化しなければならない義務などない。(そうなったら本当に奴隷になってしまう。)
でも、日本では違う。アルバイトでもそこで働いているとその会社の代表でなければならなかったり、下手すると忠誠心まで必要とされたりもする。何にしろそこにいて働くべき人としての、機能としての機能を完全に満足していなければならない事になっている。1分、1秒もそれが不足してはいけない建前だ。それだけ考えてもやはり現実的でないし無料な気がする。
日本は物も人も、その看板の下に全部Aクラスでないといけない。ダメな人はそこでお給料をもらう資格は無く、Bクラスの物は廃棄品と同等扱い。それは確かに物は良い方が良い。でも、結局やっているのは少しのBを捨てて隠している事だし、ダメとされる人間を建前で隠蔽したり強制するなどであって、その小さな隅っこをどうにかする事に莫大なコスト、労力を使っている。
小さい大切でない事を諦めたらどうか？ あまりに多くの事を管理するのをやめてもっと楽にやったらどうなのだろう？ 宅配便、何月何日に届くよと書いておいてそれを守るのが正義だし、普通だと思うけれども、元々配達にかかる時間を決めているのは配達する側なのだ。使うこちらが決められるのは配達する側が可能な範囲での事でしかない。もし、何月何日と書かれていなくて3日ら10日ならお幾ら、明日欲しいなら特急でやるからお幾らでも全く構わないはず。
車の全長、カタログではミリ単位で書いてある。高級車も普及型の車もミリ単位。安い車は桁を1つ落としたらどうなのか？ 作る方はそれで楽になるのか？ 逆に面倒になるのか、どちらも考えられるけれど、とりあえずどっちでも良い約束はしなくて済むは済む。
会社のホワイトカラー連中のタイムカードや出勤管理、やめたらどうなのか？明らかにズルするのは管理なんかしなくてもわかる事だし、1分や2分の遅れをコストかけて管理する事にどれほど意味があるのか？ 何かつまらない事に負荷をかけてAクラスが渋滞してしまっているのじゃないか？
ここはひとつ、BもCも本当はある事を認めて緩めるところはどんどん緩めたらどうか。そしてもっと大切なところに集中した方が良い。そうすればAはSになるだろう。いくらトヨタが良くて世界でナンバー1の台数売れてもそれは単に平凡な物が100%平凡に出来る証明でしかない。それも努力しないとできない大変な事ではあるけれど、でも、それは平凡の全網羅であってそれ以上の事があるとも思えない。そのうち小さな1点か2点できっと中国メーカーには負けるだろう。その時にでも全体の売り上げでははるかに下だとか言うのは言い訳にしかならならない。それでも負けは負けなのだ。
そろそろ我らはトヨタ的勝ちを手本にするのを止めるべきだと感じる。
