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もんく [とある南端港街の住人になった人]

越境する隣の美人

ちょっと前から仕事場の事務所の隣の机に
たぶん20代半ばほどと思われる女性が座るようになった。

育ちの良さそうな美人である。
誰似ているか、と言われると....
わからん...


が、とにかく美人んさんなのだ。

自分があまり机のところにいないのでどんな人か
よくわかってはいないのだけれど、
たまに戻るとちょっと違和感を感じる。

よく、越境するのである。
ちょっと席を離れて戻ると我が机の様子が少しおかしい。
何かと思って見ると、
その美人んさん、自分のファイル、書類、ペンケース、
はたまた手帳、財布など代わる代わるこちらの領土に
越境させている。

中国がどのかの島に勝手に建物を建てて
実質、うちの領土だと主張して来るのと似ている。

本当にそこが元から自分の領分だったかのように
ごく自然にそこに物を置いている。
A4ファイルと手帳位だとだいたい30cmほどの
領土侵犯になる。

こちらはプリンターを奥側に置いているので
プリンターから紙が出てくる時やちょっと何かを置くのにしか
そこは使わない。
なので置かれても通常は迷惑でもない。

で、こちらもあえて何も言わないでいる。

ただ、まあ、何となく気になる。
満員電車で他人に近付き過ぎているような感じになる。
美人んさんはその事にどうやら全く無頓着でいられるようで、
これまた不思議な感じがする。

いなかったからちょっと置かせてもらいました、すみません、
と言うような日本人的な感覚はどうも全く無いらしい。
特にその事で何も言わない。
知らないうちに越境物が代わっている。
駐留軍の兵隊さんも休暇で交代があるのだろう。


この状態、そろそろ終わりになる。
美人さん、営業事務所移転とともにそちらへ引っ越しなのだ。
大したことではないけれど不思議な体験ありがとう。
もう会うことないだろうな。
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