温泉クンの旅日記

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京都、下鴨さんで抹茶を一服(2)

2023-01-08 | 京都点描
  <京都、下鴨さんで抹茶を一服(2)>

 南口鳥居を抜けると、そこに広がるのは「糺(ただす)の森」の静寂の原生林である。

 

 鎮守の森である「糺の森」の語源は「神の前で偽りを糺す」が語源だという。およそ12万4千平方メートル(東京ドームの約3倍)の面積があり、この森で、葵祭の前座の流鏑馬や多くの伝統行事が行われる。
 平安京の時代にはその40倍の約495万平方メートルの広さだったが、応仁の乱や、明治期の上知令による寺社領の没収などを経て、現在の面積まで減少した。とくに文明2年(1470年)、応仁の乱では総面積の7割を焼失している。

 

 糺の森はこの一帯が山城国と呼ばれていた頃の植物相を留めている原生林で、欅(ケヤキ)や榎(エノキ)など楡(ニレ)科の落葉樹を中心に、約40種、47004本の樹木が生育している。樹齢600年~200年の樹木が約600本も分布している。
 この森は縁結びのパワースポットとして人気があるそうだ。
 森林の全域が1983年に国の史跡として指定を受け、また1994年には下鴨神社全域が世界遺産に登録されている。

 表参道の内側に馬場部分を歩く。馬場と参道との間を細い清流「瀬見の小川」が流れている。

 

 しばらく歩くと、糺の森にいかにもふさわしい「垂水(たるみ)」といわれる手水舎みたいなものがあった。
 立て札に、万葉集に収録されている「志貴親王(しきのみこ)」が詠んだ歌が書かれていた。

 

   「いはばしる 垂水の上の さ蕨の 
     萌え出づる春に なりにけるかも」
 立て札の最後のほうには、「広大な森の滴(しずく)をいただき、岩から流れる清水を両手にうけ、身体にそそぎ御生(みあれ=“加工せずそのままで”の意)をして御神威をお受けください」とあった。

 

 下鴨さんをお参りしているので、途中にある、女性を守る女神を祀る摂社「河合神社」はスキップさせていただくことにした。

 

 

「おっ、ここだな!」
 大正14(1925)年に完成した豪商「旧三井家の下鴨別邸」。
 貼り出されたメニューによると、享保2年(1717年)、創業三百年を超える老舗「一保堂(いっぽどう)茶舗」のお抹茶600円、お好みのドリンク付き抹茶ケーキセット900円、白玉ぜんざい500円、自家製濃茶ゼリー650円。それとお抹茶セット。
(やっぱり、この「一保堂茶舗のお抹茶セット800円」に決めよう・・・)

 

 この別邸は、2011年に国の重要文化財に指定され、2016年から一般公開されている。
 望楼が特徴的な明治期の「主屋」と大正期に増築された「玄関棟」、江戸時代から在る「茶室」の3棟からなり、主屋前には庭園が広がっている。主屋の1階で、江戸後期の画家「原在正」の杉戸絵も観賞できる。

 

 

 庭で抹茶をいただく。
 鶴屋吉信の上生菓子「吉祥椿」は、芸術品のように美しく、なんとも美味しかった。

 

 しかしこの別邸の入館料が「500円」と、京都の神社仏閣の拝観料と変わらないのがどこか釈然としない。
 ま、抹茶セットが良かったからいいか。

 

 ちょうど腹も減ったし、せっかく下鴨さんに来たのだからあの「下鴨茶寮(しもがもさりょう)」でランチでもいっちゃおうか。いや冗談、冗談。最低8,250円から30,000円の散財はわたしには覚悟できませんて。
 身の丈に合った、出町桝形商店街の“うどんと鯖寿司”を目指して、移動だ。



   →「京都、下鴨さんで抹茶を一服(1)」の記事はこちら
   →「京都、鯖街道口で鯖寿司を」の記事はこちら


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