温泉クンの旅日記

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読んだ本 2013年7月

2013-07-31 | 雑読録
  <読んだ本 2013年7月>

 酒場情報もクチコミが誠に有用である。

 ちょっと高いですが、酒呑みが必ずや気にいる店を一軒ご紹介します。肴はなんでも美味しいです。ただ、店の名前と場所はできれば周りにいわないでください。
 と、酒呑みの知合いに言われ、もちろん条件を承知して、簡単な地図を書いてもらいある夕に秘かに行ってみた。

 カウンターの上に大皿料理がいくつか並んでおり、そのなかの銀だらの煮付けが眼にとまったのでとりあえず注文してみる。
 あと、お勧めの大分の釣り鯵を追加で頼む。
 先に釣り鯵が出て来た。



 これは・・・。
 この鯵は、きっと「関鯵」・・・。上がる港でブランド名が付き値段が跳ね上がるが、そうに違いないと思ってしまう美味な鯵だ。
 遅れて、運ばれた銀だらの煮付けの旨さといったら、とにかく正真正銘シビれた。



 この煮付けには半端ではない手間をかけたことと推察した。



 わたしが魚で一番好きなのは、なんといってもキンキ(吉次、キンキン、メンメともいう)である。
 初めて食べたのが、出張で行った仙台の盛り場国分町だった。
「ぜひぜひ、食べてみてください」
 と言われ、焼き魚で出されたキンキを一口食べて、世の中にはこんなにも美味い魚があるんだと思い切り舌を巻いてしまった。

 とにかく美味である。
 きれいに食べきっていったん下げた皿が、湯を注いでまたテーブルに戻ってきた。自分が食べたキンキの骨からとてつもない旨い出汁と脂が沁みだして、極上のスープとなっていたのである。
 その、キンキと勝るとも劣らない美味な煮付けであった。
 キンキも銀だらも、同じカサゴ目と知ってなんとなく腑に落ちた。
 ちょっと高いですが・・・の言葉とその夜の持っている軍資金の額をハタと思いだし、早々に引きあげたのだが、またトライしてみたい。大満足したが、なるほど確かにちょっと高かったが、それでも彼が秘密の店にしておきたいのがよくわかったのである。

 さて、今月に読んだ本ですが、7月もまあまあの7冊、累計で47冊です。

  1.○異心 古着屋総兵衛影始末二 佐伯泰英 新潮文庫
  2.○抹殺 古着屋総兵衛影始末三 佐伯泰英 新潮文庫
  3. ○飛ぶ夢をしばらく見ない   山田太一 小学館文庫
  4. ○停止 古着屋総兵衛影始末四 佐伯泰英 新潮文庫
  5. ○熱風 古着屋総兵衛影始末五 佐伯泰英 新潮文庫
  6. ○朱印 古着屋総兵衛影始末六 佐伯泰英 新潮文庫
  7. ◎水のかたち (上)     宮本輝   集英社





「水のかたち」で思わず心にしみた言葉をみつけた。
 ある日、美容師を目指す努力を重ねる息子が職場で師匠に叱られ、思い切り落ち込でいるのをみかねて、主人公の志乃子が息子に言う。

  『「私ねェ、『心は巧みなる画師の如し』っていう言葉が凄く好きなの。中学一年生
   になったとき、三好のおじさまから教えてもらったの。それ以来、私のたった
   ひとつの座右の銘でもあるし、願いを叶えるためのおまじないみたいにして
   きたの。だから、私は啓ちゃんが、ここで鋏と櫛を持って架空の人の髪をカット
   してるのを見るのが好きなのよ」・・・略・・・

   「心は画師の如し、じゃないのよ。巧みなる、っていう言葉が付くのよ。つまり、
   心に描いたとおりになっていくことなのよ。心には、そんな凄い力がある・・・・・。
   だから、不幸なことを思い描いちゃいけない。悲しいことを思い描いちゃいけない。
   楽しいこと、嬉しいこと、幸福なことを、つねに心に思い描いていると、いつか
   それが現実になる。お伽噺みたいだけど、これは不思議な真実だ・・・・・。
   三好のおじさまはそう言ったわ。私の人生は『心は巧みなる画師の如し』という
   言葉で劇的に変わったって中学一年生の私は興奮したの。それなのに、
   ほんのついさっきまで、その大事な言葉を、きれいさっぱり忘れてたのよ」』


 わたしの座右の銘は「神は細部に宿る」だが、今日からこの座右の銘「心は巧みなる画師(えし)の如し」という言葉に変えようと思う。



  →「読んだ本 2013年6月」の記事はこちら

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