温泉クンの旅日記

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森のカレー 北海道・富良野

2011-07-27 | 食べある記
  <森のカレー>

 倉本總はその昔、「ライスカレー」というテレビドラマ(1986年放送)を書いたことがある。
 ドラマのロケ地の殆どが山と湖が美しいカナダで行われた。
 肝心の筋はあまり覚えていないが、バンフの町や湖や古城のようなホテルなどが忘れられない絵画のようにきっちりと記憶している。

 そのドラマのなかでのセリフに、こんなのがあった。

  「ライスカレーとカレーライスは、いったいどこがちがうンですか」

  「そんなこともお前知らないのかこのバカ。ライスカレーっていったらこんなものじゃ
   なく、最初からめしの上にカレーがデレッとかかってて、福神漬けとラッキョウが
   ついてて、スプーンは水のコップにつっ立って出てきて、ジャガイモ、人参が
   ゴテゴテ入ってて、グリンピースが上に三つある。必ず三つだ。これはキメだ。
   それで、少し置いとくと上に膜がはって」

 喫茶「森の時計」で頼んだ<森のカレー>は、いかにもそのライスカレーの雰囲気であった。ところで、膜のはるカレーといえば深谷で食べた黄色いカレーをすぐ思い出してしまう。



 ドラマ「優しい時間」のなかで、昼食に団体客を受け入れてくれるかどうかの電話に、マスターが「カレーでよければ受けます」みたいなシーンがあった。
 だから、カレーをみて迷わず注文したのである。



(めしに載ってるのはソーセージ・・・かな?)
 違った。
 なんと人参であった。なるほどそれで「森の」カレーなのか、な。
 味は悪くない。旨い。



 腹が減っていたのでペロリと平らげた・・・が、ちょっと待って欲しい。
 このカレー、千円丁度ってちょっといかにも高いンでないかい。追加の珈琲は五百円。お釣りの計算が簡単で店側はさぞかし都合がいいだろう。



 それにだ、客が珈琲豆ひいて料金が上乗せされるって、なんとなく銀行の機械で振り込みの情報を自分ですべて打ちこんで、なおかつ手数料を取られるようでどうにもわたしには納得がいかない。

 函館の老舗「五島軒」のイギリスカレーは、ドラマのセリフで言えば正統派のカレーライスだ。

  「カレーライスっていうのはつまり、めしとカレーが別々にですね、こう、銀の容れ物
   にカレーだけ入って出てくるっていう、ああいうやつをいうわけで、それに対して
   ライスカレーって・・・(略)」

 因みにサラダに珈琲が付いて千二百六十円だから、この喫茶店の珈琲代金五百円を引いたら、正味カレーが七百六十円である。



 なんとおよそ五島軒にくらべて「森の」ほうはずいぶんと高い。ドラマのロケ地という付加価値を付けてもとんでもなく高すぎると思う。
 どうだろう。カレーで百円、珈琲で五十円を負けてもいいンでないかい。まちがいなくバチも当たンないでないかい。

 森の時計の綺麗なトイレで用を足して、振り返ったらこんな額があった。



 いかにも倉本總らしい。


  →「森の時計」の記事はこちら
  →「五島軒のイギリスカレー」の記事はこちら
  →「幸せの黄色いカレー」の記事はこちら
  →「新富良野プリンスの、てるてる」の記事はこちら
 

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