温泉クンの旅日記

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江島神社参拝

2019-04-03 | 鎌倉点描
  <江島神社参拝>

 江ノ電に乗ったついでに久しぶりに江の島へいってみるか・・・・・・。
(なにィ江の島は鎌倉ではないぞ藤沢じゃないか、などと固いことはいわないように頼みまする)

 どうせ、タダだ。こういうときに一日乗車券は便利である。藤沢方面に戻り、また江ノ島駅で降りる。
 江ノ島と江の島と江島、使い方が難しい。どうやら駅名などでは江ノ島、地名では江の島、古くは江島と表記されていたらしい。

 

 江の島に架けられた車専用の「江ノ島大橋」の横にある、長さ400m弱の人専用の「弁天橋」を歩く。

 

 その昔、江の島へは、引き潮のときに砂嘴(さし)が現れて徒(かち)つまり歩いて渡れた。
 潮の満ち引きは月の引力に関係する。月は地球の周りを廻っているので、海面はそれにより約十二時間半で満潮から満潮へ、引き潮から引き潮に変化する。月の動きに太陽の動きが重なり、潮の満ち引きの大きさが決まる。日本の太平洋側の干満の差は約1.5mあるといわれる。
 だから、干潮に渡って江の島でゆっくりしていると、渡し船の世話になることになってしまい熊さん八っつぁんら庶民には思わぬ散財になってしまうのだ。

 

 江の島は宗教的な修業の場として奈良時代には修験道の開祖である役小角が岩屋に参籠したといわれ、それ以来、江の島全域が聖域となった。平安時代には真言宗開祖である空海(弘法大師)や天台座主の円仁、鎌倉時代には時宗の開祖の一遍、江戸時代には歌人であり仏像彫刻家の木喰が参籠して修業した。
 

 江の島は周囲四キロ、標高六十メートル、広さわずか六万坪の小島である。昭和に入って住人が急増して千四百人ほどになったが、東京オリンピックを境に急減し、現在は四百人に満たない。
 弁天橋を渡り切ったところで、昼寝している猫に出逢った。よほどみんなに可愛がられているのか警戒心がまったくない。

 

 狭い参道の両側にはお土産屋や名産のしらすを食べさせる料理店、旅館などが並んでいる。最近の観光地の傾向かすれ違う観光客は外人が多い。

 

 

 鎌倉時代、頼朝が鳥居を奉納してから江の島は修業の場から参詣地となっていった。
 江戸時代後期には江の島が北斎や広重など多くの浮世絵に描かれて、大山参りの帰りに江の島参拝、そして鎌倉とか金沢八景へという経路が庶民に流行した。

 さて、江島神社である。

 

 わたしはもちろん歩いて登るが、階段が苦手なひとや足が悪いひとには日本初の野外エスカレーター「江ノ島エスカー」が設置されている。

 

 

 階段をあがりきり、神域では一番下にあるところから下之宮とも呼ばれる「辺津宮(へつみや)」を参拝する。

 
 
 江島神社のご祭神は天照大神(あまてらすおおみかみ)が須佐之男命(すさのおのみこと)と誓約されたときに生まれた神で、奥津宮に三姉妹の女神である多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)、中津宮に市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)、辺津宮に田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)である。この三女神を江島大神と称し、仏教習合により江島弁財天として信仰されるに至った。幸福と財宝を招き、芸道上達の功徳を持つ神と仰がれている。福岡の宗像大社、広島の厳島神社と御同神であられるそうだ。

 境内の八角のお堂、奉安殿には「八臂(はっぴ)弁財天」と、日本三大弁財天のひとつとして有名な裸弁財天の「妙音(みょうおん)弁財天」が安置されている。

 

  『裸体で琵琶を弾く美しく気高い木像、妙音弁財天の御開帳を目当てに江戸からやってきた人たちだろう。
  弁天様は本来は航海する者たちの守護神だが、だれが言い出したのか、またいつの頃からか、「弁天様を拝めばお金が儲かる」
  という噂が立ち、それで江の島が賑わうようになった。ここは江戸からは三泊四日で往復できるから遊山旅としても
  手頃なところなのだ。』
       文春文庫 井上ひさし著「東慶寺花だより」より

 日本三大弁財天とは、安芸の宮島、近江の竹生島、ここ江の島の弁財天である。
 
 さてと、江島神社参拝の目的を達した。しらす丼も高いし、今日は未練なく帰るとしよう。江の島には温泉もあるのだが、たいしたことはない。既に昔にお試しずみなのだ。

 


  →「鎌倉行くなら江ノ電で(1)」の記事はこちら
  →「鎌倉行くなら江ノ電で(2)」の記事はこちら


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