<山形蔵王、奥村そばやの中華そば>
(あんなところに食堂があるぞ・・・)
蔵王の小さな旅館が立ち並ぶ町のなかの細い路を右に折れたり左に曲ったりしていると、正面に「中華そば」の暖簾をだしている食堂をみつけた。
ちょうどいい、あの店で昼は中華そばでも食べよう。
食堂の周りに駐車場が見当たらなかったが、右折してみると突きあたりに食堂の名前が書かれた二台分の駐車スペースをみつけた。
食堂に入ってみると先客は年配の男性地元客らしい人がひとりだけで、どうやら塩ラーメンを食べているようだ。店内にはテーブル席が四つと、奥に座敷があるようだ。
なんとなくセルフサービスっぽいムードなので、自分で水をコップに入れ席に座り壁のメニューを検討する。
正式な店名は「奥村そばや」だが、なぜか蕎麦はない。品数は極めて少なくシンプルである。
となれば、まずは暖簾に書かれた王道の中華そばに決定し、厨房にいる店のひとに注文する。
冷たい水を一気に飲みほし、もう一杯水を注ぐ。
喉が渇き腹も減ったのは、すぐそばにある蔵王大露天風呂に入ってきたからだ。
駐車場に門があり、そこから階段を降りていくと硫黄の強い匂いがしてくる。
露天は渓流に沿って四段あって上の二段が女性用、下の二段が男性用で、中央あたりが小屋掛けの脱衣所と休憩所になっている。
脱衣所から降りたすぐの露天が熱め、その下の段が温めになっている。
湯船を形成している大ぶりの岩石はいずれも湯の花で黄白色となっている。泉質は長ったらしい「含硫化水素強酸性緑礬明礬泉」といい、強い酸性の湯だから、目に沁みるのと湯あたりに気をつけないといけない。
中華そばが到着。
スープはあっさりしていて、きっと毎日食べても飽きがこない味である。
麺は中太くらいですこし縮れがあり、スープとも合性がいい。いつも必ず残してしまう叉焼も、薄くて食べやすく、味わい深い。
米沢ラーメンが山形の「特上」とすれば、この値段でこの味なら文句なく「上」の部類にランクできる。
麺類王国の山形県は蕎麦屋だけではなく、ラーメン屋の数も人口十万人当りでいくと日本一で、分母が多いから旨い店も多いのだ。
半分くらい食べ進めたところで、次々と混み始めてきた。
暖簾をくぐらず、店のたぶん裏口から入ってきて厨房に「塩ラーメン」を注文すると、そのまま奥の座敷に座ってしまった客がいたが、地元の常連客なのだろう。
しばらくすると、連泊しているような気軽な格好の夫婦連れが入ってきて二人とも冷し中華を注文した。なんとなく、初めての来店というより再訪といった雰囲気である。
続いて、中年の男性観光客が二人入ってくるなり、
「この店の名物って塩ラーメンだったっけ? なにがお薦めなの?」
「塩もいいけど、うちは味噌ラーメンも美味しいよ。この時季なら冷し系も人気ですよ」、わたしのほうをチラッとみて「もちろん看板の中華そばも、ね」
厨房から出てきた店のひとの受け答えはなんともそつが無い。
なんのことはない、ぜんぶ薦められてしまった二人の困りはててポカンとした表情がなんとも面白く、笑いを堪えるのに苦労した。
→「絶品だったぞ、米沢ラーメン」の記事はこちら
→「山形、冷しラーメン」の記事はこちら
(あんなところに食堂があるぞ・・・)
蔵王の小さな旅館が立ち並ぶ町のなかの細い路を右に折れたり左に曲ったりしていると、正面に「中華そば」の暖簾をだしている食堂をみつけた。
ちょうどいい、あの店で昼は中華そばでも食べよう。
食堂の周りに駐車場が見当たらなかったが、右折してみると突きあたりに食堂の名前が書かれた二台分の駐車スペースをみつけた。
食堂に入ってみると先客は年配の男性地元客らしい人がひとりだけで、どうやら塩ラーメンを食べているようだ。店内にはテーブル席が四つと、奥に座敷があるようだ。
なんとなくセルフサービスっぽいムードなので、自分で水をコップに入れ席に座り壁のメニューを検討する。
正式な店名は「奥村そばや」だが、なぜか蕎麦はない。品数は極めて少なくシンプルである。
となれば、まずは暖簾に書かれた王道の中華そばに決定し、厨房にいる店のひとに注文する。
冷たい水を一気に飲みほし、もう一杯水を注ぐ。
喉が渇き腹も減ったのは、すぐそばにある蔵王大露天風呂に入ってきたからだ。
駐車場に門があり、そこから階段を降りていくと硫黄の強い匂いがしてくる。
露天は渓流に沿って四段あって上の二段が女性用、下の二段が男性用で、中央あたりが小屋掛けの脱衣所と休憩所になっている。
脱衣所から降りたすぐの露天が熱め、その下の段が温めになっている。
湯船を形成している大ぶりの岩石はいずれも湯の花で黄白色となっている。泉質は長ったらしい「含硫化水素強酸性緑礬明礬泉」といい、強い酸性の湯だから、目に沁みるのと湯あたりに気をつけないといけない。
中華そばが到着。
スープはあっさりしていて、きっと毎日食べても飽きがこない味である。
麺は中太くらいですこし縮れがあり、スープとも合性がいい。いつも必ず残してしまう叉焼も、薄くて食べやすく、味わい深い。
米沢ラーメンが山形の「特上」とすれば、この値段でこの味なら文句なく「上」の部類にランクできる。
麺類王国の山形県は蕎麦屋だけではなく、ラーメン屋の数も人口十万人当りでいくと日本一で、分母が多いから旨い店も多いのだ。
半分くらい食べ進めたところで、次々と混み始めてきた。
暖簾をくぐらず、店のたぶん裏口から入ってきて厨房に「塩ラーメン」を注文すると、そのまま奥の座敷に座ってしまった客がいたが、地元の常連客なのだろう。
しばらくすると、連泊しているような気軽な格好の夫婦連れが入ってきて二人とも冷し中華を注文した。なんとなく、初めての来店というより再訪といった雰囲気である。
続いて、中年の男性観光客が二人入ってくるなり、
「この店の名物って塩ラーメンだったっけ? なにがお薦めなの?」
「塩もいいけど、うちは味噌ラーメンも美味しいよ。この時季なら冷し系も人気ですよ」、わたしのほうをチラッとみて「もちろん看板の中華そばも、ね」
厨房から出てきた店のひとの受け答えはなんともそつが無い。
なんのことはない、ぜんぶ薦められてしまった二人の困りはててポカンとした表情がなんとも面白く、笑いを堪えるのに苦労した。
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