<読んだ本 2017年1月>
12月は「酒と饂飩の日々」だったが、1月の昼は「蕎麦の日々」が続く。毎年恒例の禁酒期間である。
血圧によろしい、シメに打粉も溶けだした蕎麦湯もいただける<ざる蕎麦>とかがメインである。
まあ、昼でもとにかく寒いので力とかカレーとかタヌキなど汁系の蕎麦もところどころにはいる。
今月、ハマってしまったのが<きす天蕎麦>だ。
天ぷら二つを丼の蕎麦の上に載せて、ひとつをゆっくり味わう。鱚(きす)の旬は初夏から夏だが、からりと揚げられた<きす>の身は淡白だが品があり、飽きさせない味である。値段がわたしの昼メシにしては贅沢なのでせいぜい週に一回くらいを限度にしている。
最近、同僚の猫好きにいただいた「そばにいるにゃん」という乾麺である。
前にいただいたラーメンの「にゃーん麺」がなかなか美味しかったと記憶している
鰹と昆布の効いた化学調味料と着色料を使わない香り豊かな出汁が自慢らしい。さっそく作ってみることにした。前回の「にゃーん麺」のときと同じ<素そば>でつくってみた。
みた目はいまいちだが、味はどうか。
うーん。にゃーん麺の勝ちだな。出汁が思ったよりもきついような気がする。素そばでなくて天ぷらかたぬきかにしたほうが良かったかもしれない。
インスタントもラーメンとうどんは日進月歩で進化しているが、蕎麦はまだまだ道のりがあるようである。
さて、1月に読んだ本ですが今月はまあまあの8冊、年間累計のスタートはこんなもんでしょう。
1. ○転落の街 上 マイクル・コナリー 講談社文庫
2. ○転落の街 下 マイクル・コナリー 講談社文庫
3.○紅花ノ邨 居眠り磐音 江戸双紙二十六 佐伯泰英 双葉文庫
4. ○孤蓬のひと 葉室麟 KADOKAWA
5. ○石榴ノ蝿 居眠り磐音 江戸双紙二十七 佐伯泰英 双葉文庫
6. ○照葉ノ露 居眠り磐音 江戸双紙二十八 佐伯泰英 双葉文庫
7. ○冬桜ノ雀 居眠り磐音 江戸双紙二十九 佐伯泰英 双葉文庫
8. ○侘助ノ白 居眠り磐音 江戸双紙三十 佐伯泰英 双葉文庫
楽しみにしていたマイクル・コナリーの「転落の街」がやっと読めた。
「だれもが価値がある。さもなければだれも価値がない」という信条の刑事ボッシュの小説はいずれもハズレなく面白いのだが、この上下二巻はいまひとつで、お勧め本には達していないかな。
「孤蓬のひと」は遠州流茶道の祖であり、建築・華道・造園などでも名高い「小堀遠州」を描いた小説だ。
古田織部の娘である琴に、父は常日頃ひとを喜ばせようと茶を点てていたような気がするが、小堀様はどのような心で茶を点てているのかと問われ、遠州は相手に生きて欲しいとの思いをこめていると答えた。
『「ひとが生きるということは、自分らしく生きられてこそだと存じますが、いかがでしょうか。おのれらしく
生きられないのなら、生きてもしかたがないと思います」
琴の声には暗い響きがあった。このひとはいまだに無明長夜(むみょうじょうや)の闇にいるのだ、
と思った遠州は膝を正して琴に向い合った。
「おのれらしく生きるとはさように狭苦しいものでしょうか。いかなることに出遭おうとも、自らの 思いがかなわずとも、
生きている限りは自分らしく生きているのではないかとわたしは思います。自らを自分らしくあらしめるということを、
いかに捨てようと思っても、捨てることはできないのではありますまいか」
遠州は心を澄まして言い切った。口先だけの言葉を発しているつもりはなかった。いままで生きてきて思い至ったことを
口にするだけだ、と自分に言い聞かせていた。』
自分らしく生きる・・・か。
果たして、わたしは自分らしく生きているのだろうか・・・。
→「読んだ本 2016年12月」の記事はこちら
→「読んだ本 2015年11月」の記事はこちら
12月は「酒と饂飩の日々」だったが、1月の昼は「蕎麦の日々」が続く。毎年恒例の禁酒期間である。
血圧によろしい、シメに打粉も溶けだした蕎麦湯もいただける<ざる蕎麦>とかがメインである。
まあ、昼でもとにかく寒いので力とかカレーとかタヌキなど汁系の蕎麦もところどころにはいる。
今月、ハマってしまったのが<きす天蕎麦>だ。
天ぷら二つを丼の蕎麦の上に載せて、ひとつをゆっくり味わう。鱚(きす)の旬は初夏から夏だが、からりと揚げられた<きす>の身は淡白だが品があり、飽きさせない味である。値段がわたしの昼メシにしては贅沢なのでせいぜい週に一回くらいを限度にしている。
最近、同僚の猫好きにいただいた「そばにいるにゃん」という乾麺である。
前にいただいたラーメンの「にゃーん麺」がなかなか美味しかったと記憶している
鰹と昆布の効いた化学調味料と着色料を使わない香り豊かな出汁が自慢らしい。さっそく作ってみることにした。前回の「にゃーん麺」のときと同じ<素そば>でつくってみた。
みた目はいまいちだが、味はどうか。
うーん。にゃーん麺の勝ちだな。出汁が思ったよりもきついような気がする。素そばでなくて天ぷらかたぬきかにしたほうが良かったかもしれない。
インスタントもラーメンとうどんは日進月歩で進化しているが、蕎麦はまだまだ道のりがあるようである。
さて、1月に読んだ本ですが今月はまあまあの8冊、年間累計のスタートはこんなもんでしょう。
1. ○転落の街 上 マイクル・コナリー 講談社文庫
2. ○転落の街 下 マイクル・コナリー 講談社文庫
3.○紅花ノ邨 居眠り磐音 江戸双紙二十六 佐伯泰英 双葉文庫
4. ○孤蓬のひと 葉室麟 KADOKAWA
5. ○石榴ノ蝿 居眠り磐音 江戸双紙二十七 佐伯泰英 双葉文庫
6. ○照葉ノ露 居眠り磐音 江戸双紙二十八 佐伯泰英 双葉文庫
7. ○冬桜ノ雀 居眠り磐音 江戸双紙二十九 佐伯泰英 双葉文庫
8. ○侘助ノ白 居眠り磐音 江戸双紙三十 佐伯泰英 双葉文庫
楽しみにしていたマイクル・コナリーの「転落の街」がやっと読めた。
「だれもが価値がある。さもなければだれも価値がない」という信条の刑事ボッシュの小説はいずれもハズレなく面白いのだが、この上下二巻はいまひとつで、お勧め本には達していないかな。
「孤蓬のひと」は遠州流茶道の祖であり、建築・華道・造園などでも名高い「小堀遠州」を描いた小説だ。
古田織部の娘である琴に、父は常日頃ひとを喜ばせようと茶を点てていたような気がするが、小堀様はどのような心で茶を点てているのかと問われ、遠州は相手に生きて欲しいとの思いをこめていると答えた。
『「ひとが生きるということは、自分らしく生きられてこそだと存じますが、いかがでしょうか。おのれらしく
生きられないのなら、生きてもしかたがないと思います」
琴の声には暗い響きがあった。このひとはいまだに無明長夜(むみょうじょうや)の闇にいるのだ、
と思った遠州は膝を正して琴に向い合った。
「おのれらしく生きるとはさように狭苦しいものでしょうか。いかなることに出遭おうとも、自らの 思いがかなわずとも、
生きている限りは自分らしく生きているのではないかとわたしは思います。自らを自分らしくあらしめるということを、
いかに捨てようと思っても、捨てることはできないのではありますまいか」
遠州は心を澄まして言い切った。口先だけの言葉を発しているつもりはなかった。いままで生きてきて思い至ったことを
口にするだけだ、と自分に言い聞かせていた。』
自分らしく生きる・・・か。
果たして、わたしは自分らしく生きているのだろうか・・・。
→「読んだ本 2016年12月」の記事はこちら
→「読んだ本 2015年11月」の記事はこちら
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