<酒場の聖地、京成立石>
魔界・・・か、ここは。
背中の毛がぞわぞわと、かすかな妖気を感じて逆立つ。

この通りは、今夜の獲物を待って、老婆のように居汚く眠りを貪っている。
きっと、夜の帳がおりると、この通りは厚化粧を施し蟻地獄のように酔客の脚に絡みつくのだろう。
逃げそこなった夜が、息をひそめてあちこちの壁の隅にべったりとへばりついていた。
昼間に迷い込んだわたしをも、どこかから吟味品定めをしている気配がたしかにあった。

このディープな通りは、立石にある「呑んべ横丁」である。
京成立石駅は、新橋から都営浅草線に乗り換えて三十分とかからない。あの寅さんで有名な柴又もここからは十分くらいで行ける。

この京成立石だが、酒呑みであればいずれ一度は訪れてみたいという酒場の聖地である。
降りてすぐのところから、そこは間違いなく昭和の町だ。

コロッケや鯵フライなどの揚げ物を、大量に次から次へと揚げ続ける総菜屋も、昼食や夕食の菜として売れるアテがあるからなのだ。
仲見世通りは、昼からかなりの繁盛ぶりである。


立ち食いの鮨屋は百円、二百円、三百円でいいネタを食べさせるので行列が切れない。

立石で有名なこのモツ焼き屋もまだ昼過ぎたばかりなのに、大行列である。わたしはそれほどモツ好きではないし、だいいちいつ出てくるかわからぬ酔客を待って行列をつくる趣味はまるでない。

旨そうな蕎麦屋をみつけたが、禁煙だったのであっさりあきらめてしまう。

ぴんと感じるものがあり、大衆食堂にはいった。
カウンターに座ったのだが、どのテーブルも宴の真っ最中であった。下町なので、ホッピーでスタートした。

軽く、酒場の聖地の雰囲気を味わうだけのつもりだったが、結局最後の客になるまでしつこく呑んでしまった。
あの魔界のような通り、なにかとても気になる。
→「柴又を歩く①」の記事はこちら
→「柴又を歩く②」の記事はこちら
→「柴又を歩く③」の記事はこちら
魔界・・・か、ここは。
背中の毛がぞわぞわと、かすかな妖気を感じて逆立つ。

この通りは、今夜の獲物を待って、老婆のように居汚く眠りを貪っている。
きっと、夜の帳がおりると、この通りは厚化粧を施し蟻地獄のように酔客の脚に絡みつくのだろう。
逃げそこなった夜が、息をひそめてあちこちの壁の隅にべったりとへばりついていた。
昼間に迷い込んだわたしをも、どこかから吟味品定めをしている気配がたしかにあった。

このディープな通りは、立石にある「呑んべ横丁」である。
京成立石駅は、新橋から都営浅草線に乗り換えて三十分とかからない。あの寅さんで有名な柴又もここからは十分くらいで行ける。

この京成立石だが、酒呑みであればいずれ一度は訪れてみたいという酒場の聖地である。
降りてすぐのところから、そこは間違いなく昭和の町だ。

コロッケや鯵フライなどの揚げ物を、大量に次から次へと揚げ続ける総菜屋も、昼食や夕食の菜として売れるアテがあるからなのだ。
仲見世通りは、昼からかなりの繁盛ぶりである。


立ち食いの鮨屋は百円、二百円、三百円でいいネタを食べさせるので行列が切れない。

立石で有名なこのモツ焼き屋もまだ昼過ぎたばかりなのに、大行列である。わたしはそれほどモツ好きではないし、だいいちいつ出てくるかわからぬ酔客を待って行列をつくる趣味はまるでない。

旨そうな蕎麦屋をみつけたが、禁煙だったのであっさりあきらめてしまう。

ぴんと感じるものがあり、大衆食堂にはいった。
カウンターに座ったのだが、どのテーブルも宴の真っ最中であった。下町なので、ホッピーでスタートした。

軽く、酒場の聖地の雰囲気を味わうだけのつもりだったが、結局最後の客になるまでしつこく呑んでしまった。
あの魔界のような通り、なにかとても気になる。
→「柴又を歩く①」の記事はこちら
→「柴又を歩く②」の記事はこちら
→「柴又を歩く③」の記事はこちら
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