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温泉クンの旅日記

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京都・宇治、異国情緒の「萬福寺」(3)

2025-04-13 | 京都点描
  <京都・宇治、異国情緒の「萬福寺」(3)>

 萬福寺の明様式の伽藍には、匂欄や敷石、窓などに異国情緒があり、時代劇での唐人寺や、長崎や香港マカオの情景のロケ地に用いられる。
 
 伽藍群を結ぶ長い回廊も、七福神ののぼり旗をとっぱらい並ぶベンチを片づけて、南蛮渡りの葡萄酒とグラスを載せた異国ふうの卓と椅子を置けば、長崎市中の屋敷のカットを容易に撮れる。

 

 回廊を使った撮影は、現代物のドラマでも鮮やかに記憶に残る、雰囲気たっぷりのシーンになる。シーン画像には回廊を主体に、伽藍はチラリで異国情緒を控えめにする。
 実のところわたしを萬福寺に引き寄せたのは、数年前に観た「ジェラシー」というサスペンスドラマで、京都の蔵元の入り婿役「本田広太郎」が愛人である銀座のブティック店主役「とよた真帆」と密会したのが、ここの回廊で忍び逢う二人の印象に残るシーンだったのだ。回廊を静かに歩む、秘密を抱えた二人の姿が心に焼きついて、いつか行ってみたいと忘れられなかったのである。

 萬福寺の本堂であり、最大の伽藍「大雄寶殿(だいおうほうでん)」。

 

 日本では唯一最大のチーク材を使った歴史的建造物である。大棟中央に火焰付、二重の宝珠。正面入口は魔除けとされる桃の実の彫刻を施した「桃戸」、左右には円窓。
 上層の額「大雄寶殿」は、初代住持である「隠元禅師」の書である。

 

 下層の額「萬徳尊」は、二代住持「木庵禅師」の書だ。

 

 堂内には、萬福寺の本尊「釈迦如来坐像(中尊)」、脇侍に「摩訶迦葉(まかかしょう)」と「阿難陀(あなんだ)」の両尊者。両脇に十八羅漢像を安置している。

 伽藍を用いたロケ撮影では、過去に「本堂」は新選組屯所として、「法堂」前は白州として使われたそうだ。

 

「法堂(はっとう)」は、禅寺における主要伽藍のひとつで、説法を行う場所であるが、一般公開されてはいない。
 内部には須弥壇のみを置き、上堂や住持の晋山式などに使われる。須弥壇上の額「法堂」は隠元の書であり、黄檗山では唯一の楷書による大書だそうである。
 一般人の座禅体験などはここで行われる。

「う、わ!」
 回廊を「開山堂」方向に向かって歩いていくと、鮮やかな紅葉が目に飛びこんできた。

 

 総門を入ってからここまで、まるで紅葉をみかけなかったのに、なんとも嬉しいサプライズプレゼントだ。

 

 昨日の毘沙門堂に続き、今日の萬福寺も、とは!
 回廊を右回りしたことも、結果として本当に良かったぞ! 嬉しくなってニンマリと頬がゆるみ、テンションが爆上がりする。

  ― 続く ―

   →「京都・宇治、異国情緒の「萬福寺」(1)」の記事はこちら
   →「京都・宇治、異国情緒の「萬福寺」(2)」の記事はこちら


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