ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

もうすぐ中学生になるリファの記録詩

2018-03-10 15:28:42 | 詩・コラム
もうすぐ中学生になるリファへ

*「リファに 」

   
花のような心で
まっすぐな道を歩むようにと
オンマ、アッパと ハンメ, ハルベが
心を込めてつけた名前 リファ(理花)

すやすや眠る おまえの姿
見ても見ても なぜ見たいのだろう
オギャオギャと 泣く声まで
聞いても聞いても なぜ聞きたいのだろう 

数十時間の陣痛に耐え
汗びっしょりになりながら
か細い体で 全ての力を出しつくし
りっぱにおまえを産んだオンマ

おまえが産声を上げた瞬間
知らぬまに涙がこぼれた
知らぬまにオンマの手をギュッと握った

おまえの誕生があまりにも嬉しくて
おまえのオンマがあまりにあっぱれで

2005年11月25日3時37分
家族みんなが 見守る中
家族みんなの 祝福を受け
この世に生を受けた リファよ

外では北風がビュウビュウ吹き荒れても
うちの中は暖かい春のようだよ
愛しいリファよ おまえは我が家に
喜びと希望を運んできてくれたんだね

すくすく 元気に 育っておくれ
ハンメの願いは ただひとつ
いつもいつも おまえが花のように
ニコニコ 笑って過ごせますように…
        
2005・11・25 (訳2011年)



  
①「コマッスムニダ!ありがとう!」 
                  

ミルクが飲めなくて
人見知りがはげしくて
泣いてばかりいました

牛乳もダメ、卵もダメ
そんなリファを
大事に大事に育んでくれた
<つみき>保育園!

声も一番大きいです
踊りも大好きです
絵本も大大好きです
なんにでもチャレンジします

赤ちゃんの時から
5さいになった今日まで
我が家のようにすごした
<つみき>保育園!

つみきを積み上げるように
一段また一段
成長させてくれました
温かく見守ってくれました

生活発表会、運動会
バザー、保育参観…
なによりも 毎日の生活指導

いつも一生懸命な先生方
国籍や肌の色やハンディを越え
誰にも平等にやさしかった
親、きょうだいのような先生方!

あなた方のご苦労は
子ども達の笑顔になり
子ども達の心の栄養になり
子ども達の未来へと繋がりました

コマッスムニダ!ありがとう!
思いやりの心を育ててくれた
<つみき>保育園!
リファ達みんなの心のふるさとです!

  (2010・11・25)

                       


② 「春になれば」
                     

木枯らしがふぶいていた日
リファがぽつんと言いました
自分に言い聞かせるように

《リファ、春になったら
ユナオンニの幼稚園に行くねん。》

卒園まで後1年
みんなと一緒がよかったけれど…

自分が誰なのかを知る為に
自分の国の言葉と歴史を知る為に
リファは行かねばなりません

まだ子供なのに
そう まだ子供だから
知らなければならないのです

心に柱がなければ崩れます
異国でも立派に生きなければ
民族を愛する心を持たなければ

オンマが 3人の幼子を預け
働き続けねばならなかった訳を
リファは知らなければなりません

揺りかごの様な つみき保育園で
慈しまれ 手を取って教えていただき
やさしさを 育てて頂きました

アッパ、オンマよりも沢山
抱っこして下さいました
頭を撫でて下さいました

2000日近い日々
雨の日も風の日も過ごした保育園を
みんなに祝福されながら巣立ちます
花咲く春が近づいています

    (2011・3 吉日 )

* アッパ【父の幼児語】オンマ【母の幼児語】
ユナオンニ【朝鮮学校に通っている従姉】




③「いっしょに」

          
4月から ウリユチバンに
通ってる リファちゃん
月曜日だけは ハンメと通園

朝来ると ふたりでいっしょに
いつも お花に お水やり

《これ桔梗やなぁ》
《そうやで》
《これは?》
《マーガレットやで》

《お花にお水かかったら あかんねんなぁ》
《そうやで。土のとこにそーっとやで》
《うん。リファ知ってる》
《ハンメ、姫リンゴの花増えてるで》

いつも似たような会話だけど
毎週 リファも成長 花も成長
私の心も いっしょに成長
楽しい 月曜日

   (2011・4・25)

  *ウリユチバン(私達の幼稚園)
                            

     
④「手を引く」


春休み三日目
ユナとユニはクラスの集まり
今日はリファひとり

二人でひさしぶりに
クンハルベのおうち訪問
鳴門屋でお昼をご馳走になった

今年80になるクンハルベは
長い病のため目が良く見えない
早く歩くこともできない

食事が終わり
さぁおうちに帰ろうとすると
リファがさっと立ち上がり
クンハルベの傍に行った

誰もなんにも云っていないのに
リファがすすんで 手を引いた
「クンハルベの手 シワシワや」と
ニコニコ笑いながら 歩いている 

クンハルベの目も
クンハンメの目も
私の目も なぜだか ウルウル
   
*クンハルベ、クンハンメ(大祖父、大祖母)

   (2012・3・28)

  *クンハルベは2014年6月11日永眠いたしました。
   1番泣いたのは勿論リファです。


⑤「ハンメは良いの?」


クンハンメの家からの帰り道
歌をうたいながら歩いていたら
大粒の通り雨がポタポタ落ちてきた

早足で歩いたが段々ひどくなる
「雨宿りする?」と リファ
「そのまま行こう いつ止むか
わからへんし」と わたし

しばらく歩いたが 心配になって
大判マフラーを外し リファの頭に
ずきんのように かぶせて結んだ

「ハンメは良いの?」
リファの やさしいひとこと
「おばあちゃんやからええねん
 リファの方が大事や」

「フゥーン」
何がわかったのか知らないけど
黙々と歩くリファ
繋いだ手に力がこもった

もうすぐ1年生です!

 (2012・3・28)



⑥「バス停への道」
          

リファと手をつなぎ
今朝も向かう
スクールバス停に

ちっちゃな手
冷たい手が
いつの間にかぬくぬく

ハンメの体温あげたよ
今日も楽しく過ごしておいで

いつか大きくなって
今日を思い出す日が
あるかなぁ

たった2分の道のり
長い人生のほんのかけら

でもハンメはうれしいの
リファと手をつなぎ
バス停に向かえることが

ただのバス停じゃないよ
ここは 故郷への入り口

さぁ 行っておいで
ウリマル ウリノレが
両手を広げて待っているよ
  (2012・5・16)



⑦「秋の匂い」
                

台風の過ぎ去った次の日の朝
スクールバスを待っていたら
突然リファが云った

「ハンメ 秋の匂いがする!」

秋の匂い?
不思議に思っている私に

「銀杏の匂いがしたら 秋やんか」
と すかさず リファ

銀杏の木はまだ青々しているし
首をかしげていると

「ハンメ、間違いないよ
この匂い 秋やで 銀杏や!」

バスが去ったあとゆっくり見渡すと
なんと 落ちていたよ
銀杏の実が あちこちに!

台風の 置き土産だね
孫娘に教えてもらった 秋
1年生のリファにもらった 秋一番!

  (2012・9)


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