まるぞう備忘録

無題のドキュメント

【復習】体感首都直下地震 DAY2。

2019-12-11 08:28:54 | 防災情報。

防災カレンダー
11日。中潮。




火災旋風が追いかけて来る。

 私の脳内のパラレルドラマです。

 地震発生から数時間後。日が暮れかかる夕方の被災地。環状6号線と7号線に間の木造密集地。
 主人公の一人である少年。彼は父親と別れ一人広域避難場所に向かいます。あとで父親が来ることを信じて。

 幹線道路は車が渋滞して止まっています。そして歩道を歩いて帰宅に向かう大勢の人たち。

©朝日新聞
 しかしその時ゴオオという地響きが。後ろを振り向くと炎と竜巻が幹線道路に沿ってこちらに向かってきます。
 火災旋風は新鮮な酸素を求めて、広場や川やそして幹線道路に沿って進みます。ましてや幹線道路はガソリン満載の自動車が渋滞で無数に置かれています。
 1000℃を超える熱風で自動車を次々と巻き上げそしてその爆発で更に巨大化していく火災旋風。


 主人公は咄嗟に近くのビルに避難しようとします。ガタガタ。ガラスドアは鍵がかかっています。南無三。もう片方のガラスドア。こちらは鍵が開いていました。これが主人公の運命を分けます。

引用:https://blog.goo.ne.jp/in_your_mind
 ビルの中に入った少年。非常階段に向かいます。そこはいつもは開いているはずの防火扉。今日は閉まっています。
 ギギギと防火扉を開けると、中は真っ暗ですが、どうやらもう大勢の避難民たちが階段に座っています。
「何をしているんだ。さっさと閉めろ。」

 怒鳴られて防火扉を締めようとする少年。その時轟音とともにガラス扉も窓も全て割れる光景が。
 1000℃の熱風で建物のガラスというガラスが吹き飛ぶ直前。少年は防火扉を閉めることが出来ました。危機一髪。

 防火扉のすぐ内側に座り込んでいる少年。ゴゴゴ。ゴゴゴ。という低い地鳴りが鳴り続けます。時々ズズンという大きな爆発音の震動も。

 何時間ぐらいじっとしていたでしょうか。地鳴りが止んで防火扉の内側の人たちは外に出ました。外はもう夜が明け始めていました。

 街を観た少年は息を呑みます。そこは真っ黒の瓦礫以外何もない世界。あれほどたくさんあった無数の車も、大勢の人たちのおりません。燃えるものは全て焼き尽くされたあと。巨大な竜巻で巻き上げられたあと。
 もうそれは元は何だったのかわからない。真っ黒な瓦礫が無数に積み上げられていた世界でした。



火災旋風が起きる場所は想定されている。

都内で火災旋風の危険性が高い 7つの場所
AERA 2013年3月25日号
・・・
 都防災会議は79年、「大震火災時における火災旋風の研究」という報告書をまとめている。
・・・
調査の結果、都が指定している避難場所約200カ所のうち、延焼の激しい地域に囲まれる27カ所は「火災旋風の観点からきわめてきびしい環境下におかれるものも出てくる」とした。そのうち、報告書で名前が明記されたのは以下の7カ所。

・大田区 蒲田電車区一帯
・世田谷区 羽根木公園一帯
・新宿区・中野区 哲学堂公園一帯
・中野区 公社鷲宮西住宅一帯
・杉並区・練馬区 上井草スポーツセンター一帯
・板橋区 公社向原住宅一帯
・葛飾区 都営高砂団地一帯

 計画ではそこに約31万人が避難することになっている。
https://dot.asahi.com/aera/2013032000004.html?page=1


 都防災会議が火災旋風の危険があると名指しした広域避難場所の一つ。中野区の哲学堂公園の航空写真です。周囲は木造住宅で密集しています。

 他の26ヶ所も同様。近所の人たちは何かあったらここに避難しよう。そのように考えていることでありましょう。しかし広域火災の時はこの場所が火災旋風雨で危険である。都の防災会議で警告出されていることを知っている方はどれほどいらっしゃるか。そして公開されていない20箇所の避難場所。



大勢の国民に知らされないこと。火災旋風の本当の怖さ。

 火災旋風の恐ろしいところは、広場に避難してはいけないということです。
 しかし大勢の人は広域の火事に包まれたなら、まず広場に避難しようとするでしょう。ましや地方自治体が指定している避難場所であればなおさら。

 火災旋風は密集した木造住宅が燃えるエネルギーを吸収して巨大化し、新鮮な酸素を求めて移動します。
 木造密集地帯の中に点在する、広場や公園は火災旋風にとって美味しい場所であります。

 そしてガソリン満載の自動車が渋滞している片側3車線の広い幹線道路も。火災旋風はこの幹線道路を移動して行きます。
 私が「都心部にいる人はすぐには徒歩帰宅しないように」と繰り返し繰り返し述べる理由であります。

上記写真は合成です。


 火災旋風発生時は、幹線道路が一番危ない。次に広場や公園などの避難場所。
 いずれも被災時に多くの人が当然のこととして集まる場所です。

 もし番組の中できちんと広域火災の地域では「幹線道路や広場・公園にいてはいけない」と視聴者に伝えることが出来たならば。もう十万人単位で人命を助けることが出来た貴重な機会であったのに。残念です。

 番組の中で、専門の教授は
・火災旋風に巻き込まれると95%が亡くなります。
・だから火災旋風は発生する前に避難することが大事。
・できるだけ窓のない頑丈な建物の内部に。
 そのようにおっしゃいます。しかしこのアドバイスの意味をリアルに受け止めることが出来た視聴者はどのくらいいらっしゃったことでしょうか。

 どのタイミングでどの場所に避難するべきか。具体的な事例がないアドバイス。どのくらいの人が自分ごととして受け止めたことでしょう。



すり替えられたメッセージ。

 私はそのためのパラレル東京のドラマだと思いました。ようやくテレビで火災旋風の本当の恐ろしさが全国にきちんと放送されるのだ。そのように期待しました。
 しかしドラマでは火災旋風の恐怖はほとんど描かれず。ツイッターのデマで群衆雪崩が起きた話に話題がすり替えられておりました。

 デマ対策も重要です。これはあとでやります。しかし本当に伝えられるべき大切な情報。これを「真実を知らせると国民がパニックになる」という理由でお茶を濁したのであれば、本当に残念です。

 だから私はせめて、自分の備忘メモとして、その火災旋風の恐ろしさを書き留めます。
 広域火災が起きる時、普通の被災者が避難しようとする場所に、火災旋風も引き寄せられるということ。
 この真実がきちんと真正面から国民に伝えられないのなら、関東大震災の3万8千人の方々も浮かばれまい。



DAY3につづく。



■首相官邸へのご意見
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
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(Facebookの仕組み上、コメント投稿時は投稿者の名前も公開されます)
■自民党への安倍首相応援コメント
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おまけ(読者の方によって教えて頂いたこと)
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山形県内陸部在住です。
お伊勢さん詣でから帰宅した8日夜、電波時計が止まっていました。電池切れで、止まったと思っていました。コメント読んで ふと我家の時計を観たら正常に動いています。???です。


→ お知らせありがとうございます。

==========
多くの方々が、目の前で肉親を助ける事も出来ずに、引きずられるようにしての避難を余儀なくされました。残酷なシーンですが地震直後にTVで生中継されました。忘れる事の出来ない光景です。

→ 私達が覚悟するべきことと思います。
火災てんでんこを平時から覚悟していないと、いざという時は思考が停止して、自分も周囲も生命を落とす。誰も助からないという最悪の事態になりかねません。


 余談ですが、肉親が責任ある立場で田町駅周辺で勤務しております。彼はやはり、ある種の覚悟を持って従事しています。当然、どんな事をしても駆けつけなければなりませんし、避難を考える事は有りえません。
 まるぞうさんはご承知と存じますが、都内には多くのそういった方々が居られる事も、付け加えさせて下さい。


→ 私達の社会はそういう方々のお働きによって維持されている。ありがとうございます。

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3.11ではなぜ東京で火災が起こらなかったのでしょうか?

時間帯は確かに食事の時間帯は外れてましたが、多くの飲食店が通しで店を開けて、火を使っていたのではと思います。
また季節も3月ですからストーブのお宅も多いはず。

たまたまラッキーで火事が起きなかっただけなのかな?


→ 311の東京は震度5弱でした。日本の建物は震度5弱では崩壊しないように出来ている。ということと思います。
阪神淡路大震災の火災は、倒壊した建物からのようです。以下内閣府発表の報告書です。

出火点の分布は、震度6以上(特に震度7)の地域に多く、家屋被害とほぼ比例している。
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/hanshin_awaji/data/detail/1-1-4.html


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記事と関係ないことですみません。
https://www.mag2.com/p/news/429055
いま、日テレのeveryという報道番組でみたのですが、このようなお子さんもきっと未来を救うために生まれてきた存在なのでしょうか?
まるぞうさんはどう思われますか?

将来は研究者になって地球温暖化を止めたいとご本人がはなしていました。


→ かわいい男の子ですね。ただし社会は誘惑が多いので油断は出来ないと思います。私がこの子の親であればマスコミの取材は受けなかったと思います。

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今日の夕飯は何ですか?(^o^)

→ 鶏の胸肉に竜田揚げと根菜の黒酢炒めです。鶏胸竜田揚げはまだ改良の余地ありでした。

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ニュージーランド火山噴火
身内が私に言う・・・『東日本地震津波大災害の前にもニュージーランドで地震があったよな!』・・悪い予感、当たらなければいいが・・・。


→ 当たることを想定して備えと覚悟をしたいと思います。

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阪神大震災は火災が怖かったです
火が迫るなか
梁の下敷きになった母親から
一人で逃げなさい
と叱られて泣いていた子供を連れて逃げた友人の弟が
鬱になったのを思い度しました


→ 大勢の人が覚悟するべきと思います。し、覚悟したことは小難になる可能性が高くなる。

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世論調査について、若い人を調査してないとか、中の人が結果を操作してるとか、ウワサがいろいろありますが、どれもウソですね。
大手マスコミ機関であれば、世論調査は、できる範囲で正しい調査手法で行われてると思います。
何が正しい調査手法なのか、なぜ世論調査のやり方は正しいと言えるのかについては、専門的になってしまうので、もしご質問ある方がいらしたら、お答えします。


→ 調査過程に問題があるのではなく、誘導的な設問に問題があると思います。下記サイトは誘導の例。

世論調査・アンケートあれこれ
http://www.uraken.net/zatsugaku/zatsugaku_34.html

新聞の世論調査は中立な「報道」とはいえない
東洋経済 2017/04/25 6:00
・・・
産経新聞と読売新聞は「テロ等準備罪」などという表現で、政府同様テロ対策を強調している。これに対し朝日新聞や毎日新聞は「テロ」という言葉を使わず、朝日新聞は廃案になった法案でよく使われた「共謀罪」という表現を使っている。

質問が法案に肯定的な表現をすれば回答も「賛成」が増え、否定的な表現で紹介すれば「反対」が増える。また、主要国で過激派によるテロが相次いでいることからすれば、「テロ対策」に積極的に反対する理由はない。質問に「テロ」という言葉を使えば賛成が増えると考えるのは当然のことだ。世論調査結果の数字とはしょせんその程度のものでしかないのである。
・・・
https://toyokeizai.net/articles/-/168892?page=3


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6 コメント

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Unknown (Unknown)
2019-12-12 04:37:51
「出火点の分布は、震度6以上」

なるほど!
3.11は0.5の差で助かったのですね。

次の震源が東京に近ければ6以上の可能性が高いので、本当に火には気をつけなければ。

分かりやすいご説明、ありがとうございました。
返信する
Unknown (Unknown)
2019-12-12 01:01:34
→ 調査過程に問題があるのではなく、誘導的な設問に問題があると思います。下記サイトは誘導の例。

世論調査の質問は、二種類に分けて考えればいいと思います。
1.内閣支持率、選挙の投票先のような、何十年間も定期的に調査される質問
こういう質問は、時系列比較してアップダウンを見ることが大切です。前回より◯%上がったとか、ナントカ総理の頃と比べるとどうかとか。
このような質問は、何十年か前に作られて、そこから一言一句変えません。一言でも変えると、時系列比較できなくなるからです。(ほんの一言変えるだけで、結果が変わります。言葉ってすごいですね)
質問に使う語彙や表現は、中立性に気を配って慎重に作られてます。はるか昔なのでよく知りませんが、専門家のアドバイスを受けてもいたと思います。
質問する順番も、バイアスがかからないよう、必ず一番最初に聞きます。(質問の順番も、結果にとても影響しますので)
なので、このような質問については、誘導はないと思います。

2.時事問題についての質問
女系天皇問題や、安保法案などに関するもの。
問題はこちらの方ですね。時事問題の質問は、たいてい、1-2度聞いて終わりです。なので、チェックが杜撰なのです。
たまたま担当になった記者が質問を考えるのですが、記者はたいてい調査について専門知識はないので、中立性を意識せず、偏った表現になりがちです。
誘導したい意図のある記者もいるでしょう。その誘導のモチベーションは、記者個人のものなのか、記者が社の方針を忖度してなのかはわかりませんが。
むかしはこんなに世論調査を乱発してなかったので、もっと慎重な態度で調査していたし、偏った表現には修正が入ったように思います。
いまは、そこが野放しになってしまっているのは、記者の質、モラルの低下であり、世論調査の頻度が上がり、手軽なものに変わったせいもあるでしょう。
返信する
Unknown (Unknown)
2019-12-12 00:34:53
世論調査、全くデマとまでは思いませんが、やはり信頼できる数字ではないと私も感じています。固定電話で受けたことがありますが、質問の仕方によってこちらの答えも変わります。細かなニュアンスや、意味は通じにくいので、とてももどかしかったです。機械による調査は、数字の入力なので自分が思う答えがなくて、ほとんどが「その他」になったり、「よくわからない」になりました。何度も答えているうちに、「はい」でも別にいいか〜.と思って違う数字押してしまいました。また、携帯に電話がかかってきても、日中の時間に定職があり忙しい人は、アンケートには応じないと思います。ここ最近は電話がかかってきても世論調査は受けない事にしています。
返信する
Unknown (最初はみみ)
2019-12-11 20:11:13
まるぞうさん
復習の機会をありがとうございます。NHKの放送を観れなかったので助かります。感謝です。本当に大切な想定ですよね。火災旋風怖しいです。火災も水害も。母方のご先祖様も関東大震災で亡くなりました。戸籍も焼けてしまった様です。犠牲になられた方々が浮かばれる様に生きたいです。東京の危機、日本の危機を直視して小さき存在でも最善の努力に挑戦しますね。毎日備忘録をありがとうございます😊
返信する
Unknown (Unknown)
2019-12-11 13:22:07
戦前生まれで幾つもの困難を経験し、311を東京で経験した母は、ここ最近の暖かい気候(東海地方です)を何か起こる前のような気がしてならないと言っていました。季節外れの暖かさの後に気温が落ち込んだ時は怖いねと話し合いました。それと、関東大震災の時に多くの人が火災によって亡くなったこと、火災旋風のことなどもです。どうしたらいいんだろう?というので、酸素のある広場や公園には行かないこと、我が家は鉄筋マンションなので窓から離れて家のなかでじっとしているのがいいと、話しておきました。むやみに怖がらずに想定して置くこと。災害時の話を気軽に家庭で話せるようにしておくこと。そういうのが生死を分けることになるかもしれない、と、最近緊張感が高まっています。
返信する
Unknown (Unknown)
2019-12-11 12:53:42
まるぞうさん、貴重で大切なお話しをありがとうございます。
まるぞうさんの読者でなければ。この火災の理論を知らないまま群衆に流され広場へ行ってしまうアホな自分でした。
火災旋風の前に堅固な窓のない場所へ!
ありがとうございます!
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