古希を過ぎてからも夫婦が多くは別々に、時には一緒に、日本、USAと住み、その上2人の子どもも別の所に住んでいた関係上、学校の休みや日本の家の管理、等、互いの都合に合う待ち合わせ場所を決めてデートし、そこから一緒に目的の観光地を訪ねた。全てが上手に逢えたわけではなく、スリルのあるデートではあった。
1.カサブランカで会いましょう:結婚25周年記念の旅、「デートは地球の裏側で!」。夫は地球を北周り、妻は南周りして、デートは地球の反対側の、モロッコはカサブランカで。アクシデントの後、劇的に会えた。
2.サンフランシスコで会いましょう:社会人になったばかりの子どもたち2人は日本から、我々夫婦はOhio州Cincinnatiから搭乗して、サンフランシスコで出会うというデート。子どもの乗った日本からの便にアクシデントがあり、やっと会えたのち、かつて小生の父親が住んでいたオークランドの旧住所を一緒に訪問した。
3.カンクンで会いましょう:メキシコのリゾート地、カンクン。空港の掲示をまともに信用して時間をつぶしていたらすれ違いし、すぐには会えなかった。
4.ラスベガスで会いましょう:筆者は日本から、ワイフはシンシナティから、ここ、ラスベガスで会ってデス・ヴァレーに行った。デス・ヴァレーではレンタカーが急な砂利道でスピンし、文字通り、「生か死か」という最大のアクシデントに見舞われた。
5.ソルトレイクで会いましょう:筆者は日本から、ワイフはシンシナティから、ソルトレイクで会い、イエローストーン国立公園へ行った。
6.デンバーで会いましょう:コロラドの松茸狩りに鈴木夫妻を誘い、デンバーで会った。
7.サンチャゴで会いましょう: 結婚40周年記念のデートは地球の裏側で。空港で会えなかったが、予約していたホテルで会えた。この時の旅でアコンカグア登山に挑戦し、ワイフは高山病で意識不明になりヘリコプターで下ろされた。筆者はミュール(騾馬)で下りた。
8.ホノルルで会いましょう:筆者はシンシナティからハワイ目的でシンシナティ往復の旅、ワイフはシンシナティ日本往復の旅の途中降機、飛行機も行き先も異なったが、「終の棲家探し」としてハワイをうろついた。が、物価高で「終の棲家」は諦めた。思い返せばなかなか大胆なことをやったものだね。
アメリカに20年住み、その間メキシコに2年駐在したが、夫婦デートのそれぞれの出発点が日本、米国、メキシコ、と異なり、その上、道中、ハワイの別荘地も見ようという酔狂な企画だった。「会えればグラスでカッチンし、会えなければそれぞれ勝手に旅を続ける」というルールを定めての行動だった。1回はハワイの空港で会えてホテルは一緒だったが、帰る方向が筆者はCincinnatiへ、ワイフは日本へ、だった。レンタカーに積むべきワイフの荷物をホテルに置き忘れてしまったが、空港近くのレンタカー会社で気付いた。が、ホテルに戻る時間がない。ホテルに電話し、タクシーで荷物をレンタカー会社まで送らせ、荷物は受け取ったが飛行機には間に合わなかった、という話は忘れ得ぬ悲喜劇だ。一方ワイフは荷物無しで日本に帰国、税関が「荷物は?」「ハワイに行ったのに荷物がなくてハンドバックだけ?」と怪訝な顔で聞かれた。日本に着くべきワイフの荷物を親切に持ってやった筆者がCincinnatiに持ち帰ってしまった、というわけ。いずれも携帯電話のない頃だった。(自悠人)