あけぼの

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バトンタッチの旅とロシア民謡大合唱~ウズベキスタン共和国~(完) 

2017-09-26 10:34:56 | 講演・アート・音楽・スピーチ

  筆者夫婦は地球の一角での出会いを楽しむ旅をする。旅先で出会った人にお世話になることを考えるより、お食事に招待し一夕の会話を楽しむことが多い。そこでまた面白いことが展開する。今回もウズベキスタン全土の観光を終えてタシケントに戻り、初日に友人になっていたアミール君一家を夕食に招待した。すると義弟フルキャットの誕生会兼婚約者披露宴に招待され、一泊予定でその街に出かけた。タシケントの街はずれから車で1時間半、ベカバードという名の街だった。道中の日本人への親切について触れたい。タシケントの外れで公衆トイレに入ったら「日本人ね」と順番をゆずってくれる人や便器の汚れを布で拭いて「どうぞ!」と言う女性に感動、皇后さまになった気分だった。立ち寄ったホテルの売店のアジーズは友人に頼んで立派な地図を買ってきてくれた。そのホテルの近くの豪華な家を入口から覗いていたら、どうぞ、どうぞと招じ入れられ家中を案内されチャイをご馳走になった。感動物語を書ききれない。

 義弟フルキャットはアミールの奥さん、フィルザの弟で大変な美男、婚約者は17歳でこれもあかぬけた美女だった。レストランを借り切ってのこの披露宴にはホテルの料理に加え、親戚一同が一品持ち寄りしての大ご馳走だった。ピロシキに似たサムサ、炊き込みご飯プロフ、シシカバブーはここではシャシリクという名、うどんに似たラグマン、多種のマヨネーズサラダ、各種のナン等々。女性たちがウォッカを一気飲みするのには驚いた。外国人は筆者夫婦だけ、早々と挨拶を促された。ロシア語はいくつかの単語のみ、あとは英語でパンチを聞かせたつもり。その後ロシヤ民謡を歌った。学生時代、歌声喫茶に入り浸っていたのでロシア民謡は何でもござれ、だが日本語で覚えたものだ。カチューシャ、黒い瞳、赤いサラファン、と夫と歌ったらなんとフルキャットのおばあちゃん、ノナ、77歳、がロシア語で歌いだした。筆者の歌うどの歌も彼女は歌える!日本語とロシア語のバイリンガル合唱となった。居並ぶシニアの婦人たち、ライアもゼーラもトーフィックもファリダもユーダも唱和し日本語とロシア語の大合唱だ。そこで思い出した。私は「ボルガの船曳歌」を昔ロシア語で覚えたことを。「エイ・ウッフ・エイ・・・」今度は全員ロシア語で合唱だ。大柄のノナが近づき何度も抱き上げ、揺さぶり、キスをしてくれた。続いてライアも。舞い込んだ日本からの客による自国の歌に歓び、誰もかもが筆者を抱き上げキスしてくれた。食べて、歌って、踊ってのパーティーは延々と続いた。筆者はディスコダンスに盆踊りをミックスするがなぜかこれが受け「ダンスお上手ですねえ」となる。人の縁は妙なり(=Meeting is fascinating!)、との思いで地球の一角での「一期一会」を楽しんでいる。(彩の渦輪)

写真1.左端がロシア民謡を一緒に歌ったノナ 2.真ん中2人がフルキャットと婚約者