あけぼの

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ドイツ統一、コール元首相死去に蘇ったライプツィヒの思い出

2017-06-18 12:31:15 | 講演・アート・音楽・スピーチ

東西ドイツ統一の立役者であると同時に…平和を希求する信条の持ち主だったコール元首相が亡くなった。…『欧州から戦禍をなくす』という政治信条を育んだ(朝日新聞ベルリン支局長・高野弦)立派な人だ。お蔭で我々夫婦もベルリンへ行けた。2009年春、ベネルックス3国を早めに切り上げ、東独訪問(夫には再訪)を決めた。フランクフルトでBAHNの親切な駅員が格安で乗り放題の周遊パスを手配してくれた。ベルリンへの列車沿線は悠久の大自然、雨に煙る光景も風情があった。駅構内の旅行社に行き、20ユーロで乗り降り自由な二階だてバスの切符を買った。主要な観光建造物の説明はヘッドフォーンで聞ける。まだまだ建築ラッシュだったが旧西側、東側の区別の説明はなかった。ベルリンから列車で夜8時にライプツィヒ到着。相応のホテルが夜でも探せた。曰く、「16年前には路面電車に乗って探し、当時は古く黒ずんだ建造物が多く幽霊のような佇まいだった」と。ここは突出した音楽家を生んだ街、シューマンやメンデルスゾーンの家を訪れ、迷うほど広い有名なゲヴァント・ハウスも見た。筆者の父はメンデルスゾーンが好きで、若き日から89歳で亡くなるまで毎夜、彼のヴァイオリン・コンチェルトをステレオで聴いてから寝たものだ。愛娘(筆者)がメンデルスゾーンが住み死を迎えた家に来て、ゆかりのヴァイオリンや彼が弾いたピアノの前に今佇んでいると知ったらなんて羨ましがることだろう、と感無量だった。ライプツィヒには旧東側のイメージはなく、美しい街並みには時代の先端を進む文明が漂い、世界各国から-日本人女学生にも会った-音楽を学ぼうと集まってくる人たちの謳歌が聞こえた。音楽好きなドイツ人の気質は永劫に生きづけることだろう。(彩の渦輪)

キャプション ベルリンの壁