あけぼの

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「息子を養子に貰って!」に応えたかったアフメッドの優しさ~イラン・イスラム共和国~

2016-09-29 14:25:58 | 旅行記、多文化教育、国際

   暑い日中の観光を終えシーラーズでは小さなホテルを選んだ。このホテルに到着した日の夜夫がぶっ倒れた話は先頃自悠人が書いたが、アフメッドの優しさに触れねばね。その日は日曜日、動転し救急病院とタクシーを尋ねたら、「大丈夫!」とホテル警備員、アフメッドが乗せてくれた。医者は2、3の英単語を混ぜたペルシャ語だけなので、ましな英語を話す彼が通訳し、点滴薬を買い点滴が始まった。点滴終了後彼は迎えに来てくれた。お礼に何かあげたいと思い、「お子さんはいるの?」と聞いたら、「男子2人です。1人養子にして!」と笑顔で言われた。「イエスと答えてあげたい!」と切実に思ったほど優しい警備員さんだった。せめて1年でも息子を日本の学校に通わせてあげたらどんなに喜ぶだろう。 夫は休養、筆者はシーラ-ズの美、探訪 翌日夫はホテルで休養、筆者はシーラーズの街を超特急で見ようとホテル専属のタクシーで回った。高地に位置し気候温暖、年中薔薇が咲き、緑濃い庭園が多い。有名詩人も2人生み出したシーラーズはアケメネス朝が起こった地だとか、エスファハーンに負けず美しい街だ。特に感銘を受けたのはイラン建築の総集編とも言えるナランジェスタン博物館だ。1886年に完成した。花咲き乱れる庭園、蔦の巻きついたアーチ、ステンドグラス使い放題のアーケード、窓、天井等。同じく忘れ得ぬナスィーロル・モルク寺院。繊細な彩色タイルワークとステンドグラスを嵌め込んだアーチ状の柱の連続が太陽光により天井、窓、絨毯と呼応し、ピンク一色に反射して息を呑む美しさ。キャリーム・ハーン城壁は滞在中何度も通過するシーラーズ観光の目玉の1つだ。 結婚55周年記念写真は王、王妃の衣裳で! 夫が恢復し、賑わう旧市街へ写真撮影に。煉瓦造りの美しいヴァキール・バザールを潜り抜け、その奥のサライェ・モシールという伝統工芸品バザールへ。その2階の奥に写真屋さんはあった。約250年前の王、王妃様の衣裳を貸してもらい、結婚55周年を祝った。サファヴィー(Safavi )王夫妻の衣裳だそうだ。 人は優しく美しいシーラーズの街だった。絶対またこの町へ、特にアトラス・ホテルに行ってアフメッド一家をレストランに招待しようと決めている。(彩の渦輪)

  1.結婚55周年記念撮影は250年前のイランの王、王妃の衣裳で 2.ヴァキール・バザール入口 3.向かって右から2人目がアフメッド 4.5.ナランジェスタン博物館