あけぼの

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また来たぞ、「間違い請求書」

2009-02-01 22:31:17 | アート・文化

アメリカに住んでいると問題が向こうからやって来る。このたび鼻血で医者にかかって支払い終えたはずの請求書が二箇所からやってきた。それも一か所は二度、三度と来続けるのだ。督促状も追っかけてくる。ほっておくとそのうち「Take action (訴訟)するぞ!)と驚かすことだろう。昨年暮れ、それに抗議し、「わかりました。このレシートのコピーを請求書発送本部に送っておきますからもう気にしないでください」と言った担当の女、リンダにまた抗議に行ったら、他の人に話して!」とそ知らぬ顔。他の女性が発送本部にレシート番号を電話し、「もうこれで請求書は無視してください」と言ったがまだ安心できない。同じプロセスを暮にワイフがやっているからだ。理由を察するに、リンダがレシートを投函しなかったか、郵便が本部に届かなかったか、だろう。アメリカは先進国とは言え、郵便がちゃんと届かない情けない国なのは事実だが…。もう一つの請求書は苦情を言いにオフィスに行ける場所にないから問題だ。支払い先と請求書発送元とは通常分業で、この医者派遣組織にはビルディングさえないという。

 ある大学教授がその大学のブック・ストアのマネージャーについて言ったそうだ。「仕事についている人はいい人間といわれるだけではだめ。能力がなければ」と。教授たちが事前に注文した教科書がいつも新学期に間に合わず、学生は教科書なしで教室に来ることが多かったからだ。まさしくその言葉通りだと思う。能力がないと傍に迷惑をかけるからだ。我が家が間違い請求書を受け取った回数は一度や二度ではない。向こうのミスがこっちの責任になって脅される国、これがアメリカだ。

かつてアメリカにある日本企業の事務をしていた友人が「アメリカではすべての支払いをコピーして証拠を残しておかないと大変なことになる」と言っていたが、本当に、今回も一枚のレシートのコピーで救われた。口答だけの約束や言動はあてにならないのだ。間違いの原因はそこで働く人の能力が問題であることが多いのだが、問題が発生しても組織はなかなか責任をもたないから埒があかない。だからか、じきに訴訟となる。支払った領収書またはそのコピーを保管し、提出しない限り督促は止まらない。訴訟と契約の国といわれる所以がそこにあるのだろう。(自悠人)