4)
彼らは仏陀の言葉を聞いたのである。直接聞いたのである。感極まっているはずである。説法の場所はインドの霊鷲山の山頂である。ここは岩山で鷲の形にそっくりの大きな岩がある。山頂はやや平べったい。ここに天上からも地下からも84000人の聴衆が集まったのである。人間だけではもちろんない。真理を求めるあらゆる段階の修行者が集まって来たのである。
5)
さぶろうも此処へ旅をした。50歳の時である。明け方早く上り始めて、暁の山頂に立った。山頂には精舎の礎が残っていた。法門を次ぐ僧の姿があった。燈火がゆらゆら揺らいでいた。上座部仏教との人たちがその国々の言葉で経典を読み始めた。さぶろうも日本語の経典を朗誦した。そこに仏陀を感じて震え立った。
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