降っていた綿雪が止んでいる。といっても、粉雪は粉になって落ちているけど。
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咳の子のなぞなぞあそびきりもなや
中村汀女
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汀女にはこどもの句が多い。我が子なんだろう、咳をしているのは。咳がついて止まらないでいる。お布団に入って寝ていればいいものを、起きて来て、なぞなぞをねだる。ねだられるままにしている。そろそろ飽いてもよさそうだが、そうならない。
こうやって親子で愛情の確認作業をしている。愛情確認遊びは、夜が更けてもおさまらない。外は、雪がいっそう深くなったようだ。卵酒を作っているそのそばから、また「お母さん、じゃこれは?」と聞いて来る。
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この句は分かりやすい。理解がしやすい。風景が見える。そしてそこに情愛が霧のように流れている。
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