帯状疱疹はまだ痛む。ときおりだけどね。ズキンズキンする。ウイルスが目覚めて活動しているんだろうねえ。薬剤師さんの話だと、体内の何処かにずっと潜んでいて、こちらの体力が落ちた時を狙って、蘇って来るらしい。死んだふりができるらしい。小さい小さいウイルスなのに、そんなことができるんだ。賢いねえ逞しいねえと褒めてあげたくなる。案外、意識などというのもあって、こちらの一挙手一投足を観察しているのかもしれない。腕組みなんかして。何しろこちらが元気に生きている間はおまんまの食いはぐれというのはない。適度に温かいし、住環境としては快適のはず。だったら、しずかにしていてくれたらいいのに。神経をぼりぼり囓ることなんかなしにしてくれたらいいのになあ。彼からしたら僕は宇宙ほどにも広いんだろうなあ。
なんてことを思った。いま午前4時を少し回ったところ。新聞はもう配達されてきた。玄関の郵便受けが音を立てた。