いもしない恋人が来る夜の蜘蛛 山鳩暮風
これは川柳。の、つもり。
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わたしの言う「恋人」は、恋してもいい人。恋したい人。ぜひとも恋すべき人。
人は恋しているときには、こころがあたたかい。やわらかい。明るい。
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でもそういう人は、いない。現実にはいない。
現実にいるのは蜘蛛。それも夜の部屋に忍び込む不気味な蜘蛛。
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わたしでどうかしら? って顔をしてのそりのそり這って来る。
足下を見透かしたかな。
わたしはおかしくなって、ついには笑いが零れてしまう。
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ないものねだりはするべきではない。そういう諦観に至り着く。
やれやれ一騒動。お粗末。
益にも害にもならない恋歌の歌謡曲でも歌って、恋する人がいる気分になって、だ、こころあたたまって、昼寝でもするか。
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