1
今日は日曜日である。さぶろうには呼びかけたい人がいる。しかし、呼びかけに応じてくれる人ではない。だから、谺のようなもので、自分に戻ってくるしかないのだが。たしかに人だ。人であってほしい。神でもなく、仏でもなく。人であって欲しい。しかもやさしい。
2
やさしいその人に何を呼びかけたいのか。それは分からない。ただ呼びかけたいだけである。何かをして欲しいという要求ではない。確認をすればそれですむだけの呼びかけである。
3
わたしはあなたが好き。それを発信するためにはそこに人がいてくれねばならない。わたしに好かれる人がいてくれなければならない。あなたが好きだあなたが好きだを言いたくてたまらなくなっているさぶろう。おかしなさぶろうだ。
4
空がにょっきり現れて来て、「わたしではどうですか」と言って来る。さぶろうは譲歩をしてもいい気分にさせられる。冬の空はしかしはっきりしないところがある。澄み渡った青空ではない。雲が光を吸いこんでさぶろうに近づいてくる。
5
待ったなしだ。okを出す。
8
それを見ていた山が、「わたしもそこに加わります」と言って来る。愛される対象に参入して来る。
9
okを出す。だらしないさぶろうだ。ついつい拡大にまかせてしまう。
10
するとそれが拡大拡大をしてもうどれがどれだか区別もつかなくなる。ぼやけてしまって、愛の対象だがどうかの判別がつかなくなってくる。とうとう宇宙中ということになってしまう。
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