たまかぎる命の家のたましひの闇へ差し入る指やわらかき 薬王華蔵
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「たまかぎる」は枕詞。全体に掛けたつもりなのだが。「かぎる」は「ほのかに輝く」ことらしい。
命の家に住んでいるのは誰か。「たましい」である。ところがこのタマシイ氏はいま闇に住んで憂鬱を託っている。そこにやわらかいおんなの人の指が滑り込んできた。これですぐさま闇が破れて光が射して来る。そういう自然な流れになる。おんなの人の指は柔らかく出来ているので、たましいに触れることが出来るらしい。指は夜明けまでたましいを撫でていたであろう。命の家にはほのかにあたたかい時間が湧き上がったであろう。
我々は時に「難しいことをなお難しくする」こともあるけれど、すういと運ぶことも或る。世の中は単純で平易でもある。平易に滑らかにことが運ぶということもある。男女がいる世の中だからであろうか。難しいことを切り開く鍵のようなものが、愛や恋なのかもしれない。
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ちょっと理屈っぽい解釈だった。理屈の歌はろくなものはない。その典型か。
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