痘痕(あばた)が笑窪(えくぼ)に見えるって、いいなあ。平和だ。人を好きになると、そう見える。マイナスなんて気にならなくなってしまう。
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その反対はイヤだなあ。人の笑窪も痘痕にしか見えないって、イヤだなあ。そう見えているときには、疎んで、戦争を仕掛けたくなるだろう。人を憎むとそうなる。
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痘痕は笑窪なのだ。笑窪も痘痕なのだ。窪みに過ぎない。それを人の目がどう見るかで、違いが出る。どっちにでも転ぶ。
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此処は地獄にも極楽にもなるところだ。イヤダイヤダをしていると地獄になるし、いいなあいいなあしていると極楽になる。
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イヤダイヤダの地獄は住みにくい。住みにくいところに住んでいるよりも住みやすいところに住んでいる方が気楽だろう。
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桜が咲く頃になった。何処へ行っても桜が出迎えてくれる。キレイだキレイだを百回つぶやいて、浮かれることにする。笑窪を拵えて、浮かれ勝ちにする。
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桜が咲くのは一年に一度のこの頃だけ。一年待っていたことになる。キレイだキレイだには1年分がぎゅっと凝縮されている。
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人を好きになると、世界が好きになる。美しい風景を愛でていると世界全体が美しく見えて来る。そういう世界に己が生きていることが嬉しくなってしまう。
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