よろこべばしきりに落つる木の実かな
富安風生
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空も、よろこびたいのであります。雲も、よろこびたいのであります。風も、よろこびたいのであります。秋の日もよろこびたいのであります。木の実の山も、よろこびたいのであります。きっかけがありさえすれば、それらがみんな、どっとどっとよろこびへ駆けだしていきたいのであります。
木の実が1個ぽつんとわたしの足下に落ちてころげました。秋が来ているからあったりまえといえばあったりまえだったのですが、それがふいにこの日は一人でよろこべたのでありました。木の実は、それからそれへ、その後、落ちて来るのでありました。
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