瓦屋根畝と畝との谷川にゆんべは雨が今朝は光が 薬王華蔵
*
瓦屋根をよくみると畝がある。畝と畝との間が急峻な谷川になっている。そこを雨の日は雨が流れている。雨のない日には光がさらさらと流れている。それを今朝朝日の中で僕は見ていた。
*
Yさん、雨が流れ光が流れる屋根の谷川に、あなたとの思い出が流れるときがあります。昼から空が怪しくなってきました。鉛色をした空になりました。あのとき耳に聞いたあなたの明るい弾んだ声が、谷川にきてとどまっています。わたしはもうすっかり老いました。杖をついて歩くのさえも難儀です。
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瓦屋根をよくみると畝がある。畝と畝との間が急峻な谷川になっている。そこを雨の日は雨が流れている。雨のない日には光がさらさらと流れている。それを今朝朝日の中で僕は見ていた。
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Yさん、雨が流れ光が流れる屋根の谷川に、あなたとの思い出が流れるときがあります。昼から空が怪しくなってきました。鉛色をした空になりました。あのとき耳に聞いたあなたの明るい弾んだ声が、谷川にきてとどまっています。わたしはもうすっかり老いました。杖をついて歩くのさえも難儀です。