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伸びあがって炎天の花   山頭火

2006年07月23日 22時43分42秒 | Weblog
 炎天の花とは向日葵のことだろうか。ロシア向日葵は草丈が高い。2mくらいのもある。頭のてっぺんに大きな重い花をつけるので、種が入り出すと、日の周りを回りきれなくなってしまい、くったりして動けなくなる。

      *

 一日ごと、一朝ごとに成長をしているときの向日葵に、山頭火は出会った。草丈の割には、横幅がない。でぶっちょではなく、どちらかというと痩せっぽである。ひょろりとしている。昼の太陽はかんかん照りがしている。

      *

 老いてもうすぐ死のうとしている山頭火。身体の力ももう思いのままにならない。道端の向日葵は、伸びあがって伸びあがって命を燃やそうとしている。消えようとするものと伸びあがろうとするもの。そこでふっとこの句ができたのである。
コメント (2)
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