長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

日本の馬は、実際戦国時代使えたのか?

2013年08月01日 | 戦国逸話
昨日は、戦国一のサディスト福島正則をご紹介しました。


※目つきがもう・・・。

さて、この正則、馬について一家言あるようです。

昔から日本の馬は小さく、耐久性が低く、西洋のような騎馬隊編成ができなかった、と、言われています。
だから長篠合戦のとき、武田の騎馬隊なんか無い、という主張に繋がる訳です。

よく雑誌の特集なんかですと「日本の馬はポニーみたいな大きさ。そんなのに跨って役に立つ訳がない。」位の勢いで論調しているものまであります。

が、実際、当時の馬に近いだろうといわれる木曽馬などを見てみると、それなりに立派。


当時の日本人は小さいわけですから、西洋人の体格とサラブレッド、日本人の体格と木曽馬、と、考えた場合、そう、めちゃくちゃ駄目な馬、と、決め付けるのもいかがなものか、と、思っていたのです。

特に馬について調べるつもりも無かったのですが、名将言行禄で福島正則を読んでいたら、正則がこんなことを言ってました。

○馬・鑓
 正則が言うには、
「馬上で鑓で人を突くときは、図らずも落馬することがある。馬の力で突くのがよろしい。また、馬は小さいほうが良い。甲冑着て大馬には乗りにくいからだ。また、鑓を短くしてはいかん。広い場所、足入、舟戦などでは、ちょっとでも長いほうが良いんだ。」
とのことだった。

鑓で人を突くと、人でつこうとする勢いが止められ、その勢いが自分に跳ね返る、ということなんでしょう。
騎馬武者の突入に対しては、槍の密集体型(槍衾)を作り、長柄の槍を揃えて低い姿勢で待ち構えると、槍に刺さった馬が、梃子の原理のような感じで反動で吹っ飛ぶ、という記事を読んだことがあります。
それと一緒で、鑓で無理に突くとその勢いが跳ね返り落馬する⇒自分の首が・・・。
と、いうことなのでしょう。
日本の古武術等が相手の力の反作用を利用することが多いのは、こうした接近戦から編み出されたものが多いのかもしれませんね。

そして、いちばん驚いたのが、
「馬は小さいほうが良い。」
とか言っていることです。

その理由は、大きい馬には甲冑着て乗りにくいから。
在来種が小さいから、というより、小さい馬を好む武将もいたんだ、ということに驚かされます。
しかも、これだと、馬に乗って戦っていることもわかります。
よく、実際の戦闘は馬から降りていた、という話を聞きますが、そうでもない場合があるようです。

確かに、大きい馬だとなかなか御しづらい、しかも、甲冑着てるし、と言う感じのようです。
大きければ戦いに有利、と、根拠も無く思い込んでいたのですが、ちょっと目から鱗の話を提供してくれた福島正則でした。

ただ、逆に言うと、
「小さいほうが良い」と言ったということは、普通は「大きいほうが良い」と思われていたともいえます。

そうなると、前回の話で、後ろ向きに乗った馬は小さかった、ということなんでしょうかね?

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (観たいと思います)
2013-08-21 22:08:26
大河でこのくらいの馬の列をみてみたいです。
馬の列 (うらにわ)
2013-08-23 00:06:04
サラブレッドではなく木曽馬みたいなものだと現代人が演じると少々人が大きくなるかもしれませんね。ただ、戦国時代の人は完全菜食の江戸時代人に比べ大きかったとも言われていますので、どんなもんなんでしょうか。そういう点をきちんと考証してあると面白いでしょうね。

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