長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

極寒の備え

2015年01月10日 | 日本史
最近、暖冬と言う言葉がどこかにいってしまったかのように寒いです。
最近、本業が多忙でブログ更新もままならない状況ですが、うちの職場は時間外になると冷暖房を切ってしまいますので、大変に季節を感じることができます。

感じたくなど無いのですが・・・。

そのため、今の季節、心底冷える。
早く帰れる場合は、さほど影響が無いのですが、残業残業また残業、という状況での冬の寒さは、パソコンを打つ手がかじかんで、うまく打てなくなることもあって、大変困ります。
こんな職場では身も心も凍りつくというもの。

さて、最近、歴史ネタが少なくなってしまった反省から、久々に甲子夜話を読んでみる。
甲子夜話続編8を読んでいると、寒いときの話があって、思わず目が行く。

〇寒いときの鉄砲
 冬の平戸で軍事訓練を行った際、降雪があり寒さが激しく、兵の手が凍え鉄砲を打とうとするが指が自由に動かない。火縄を挟むのも引き金を引くのも不都合な時、種村某率いる一隊は、指揮に応じて即座に撃ったので皆が驚いた。
 なぜか、と聞けば、
「途中で寒さが厳しいので予め士卒に命じて右手を懐に入れさせておりました。」
 聞いた人は皆感心した。
 この種村は山鹿素行の弟子だった。
 また、このときあまりに寒いので兵に粥を与えることになり、めいめい粥を陣鍋で作って食べた。
 このとき、陣鍋のありがたさを皆がはじめて知った。
 平和が続くとこうなる。

 手がかじかむ、ということは戦場では生死を分ける重大な事態だったんですね。
 しかし、平和が続く江戸時代では、そうした注意事項もいつしか廃れて、「さびー」とか言いながら待ち構えて「くそっ、うまく火縄が挟めない。」とか「引き金がうまくひけん!」などと、大方の人が騒いでいた、という光景が目に浮かびます。

 そんなとき、木下藤吉郎よろしく懐で温めておいた種村組は、即座に鉄砲を放ち面目を施した、と、いうお話。

 竹中半兵衛は、座っているとき、常に手足を動かしてせわしない状況だったが、それは痺れを防ぐためにやっているのだ、と、言ったとか。戦国時代ならば、懐に手を入れるなど手がかじかまないようにするのは当たり前だったのかもしれません。しかし、いつしか平和な時代に忘れられていった、ということでしょう。

 それを確認するのが訓練なので、まぁ、良いといえば良いですが、昔も今も、使わない技術はいつしか廃れていく、ということなんですね。そんなところが人間くさい話だな、と、思った次第です。

 が、手がかじかんでうまく対応できないという大方の兵の状況に、なんとなく朝方の暖房が効くまでの間とか夜間の残業中に、やたらとパソコンの打ち間違いが発生したりする時の自分を思うと、やたら共感してしまいます。

 今度から、懐に手を入れてパソコンを打つようにしようかと思いましたが、変態と思われるかもしれないし・・・。

 変人だということは、既に皆知っているとは思いますが。

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