長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

除目(じもく) ~すさまじきもの(興ざめなもの)~

2014年03月22日 | 日記
仕事のことはあまり書かないようにしておりますが、ネタに詰まったので少々。
うちの会社で異動内示がありました。

今年度長篠から尾張名古屋への落武者となってしまった自分には、残念ながら長篠方面へ進軍せよ、という着到状は下されることなく翌年度も同じ仕事をすることになりました。

うちの会社は異動の内示が全社一斉ではなく下々のものが先に行われ、エライサンを後から行う、という変わったことをやります。

エライサンの内示はまだな訳ですけれども、異動の季節になると常々連想するものがあります。

枕草子です。

※出典:ウィキペディア「枕草子絵巻」
(どうでもいいことなんですが、上記の画像の名前が”Pillow Book Illustrated5.JPG”でして、直訳すぎて笑えました。ピローブック・・・。ピロートークか。笑。)

「すさまじきもの(興ざめなもの)」として、「除目(じもく)に司得ぬ人の家」というものがあります。
除目、要は、平安時代の人事異動です。
良いポジションを狙って、見事に念願かなって意気上がる家、残念ながら駄目で意気消沈する家の話が対比的に描かれている段なんですが、小学館少年少女日本の歴史にそのエピソードがマンガで描かれており、小学生だった自分に強烈な印象を残した話なのです。
長じて枕草子の講談社学術文庫版を読んで、原文読み下しと現代語訳を読みましたが、やはりインパクトが強かったです。

こうして就職してみると、サラリーマンにとって異動というものは人生に大きな影響を与えるものだと実感します。
良い人に巡り合う時もあれば、とんでもない上司に出くわして潰される寸前になったり、筋の良い仕事になれたと喜んだり、残業地獄の部署に行くことになって青ざめたり。長じてくれば、だれそれが早くに出世しただの、そんな話も出てきて心を乱されたり。

平安時代も平成の時代も、人間の心の動きというのは、そうそう変わるものではない、と、いつも会社に漂う雰囲気を見ながら枕草子を思い出しています。

課長島耕作のような生き方はめんどくさいし、釣りバカ日誌の浜ちゃんのような生き方に憧れながらも、そこまで割り切れないし、と、中途半端な自分に嫌気が差すのが大体この時期。
きっと、平安時代にも自分のような人はいたのだろう、と、思っております。

一つだけいえることは、人間万事塞翁が馬、禍福はあざなえる縄の如し。
良いように見えたことが最悪の事態を引き起こしたり、でもその切羽詰った状況が思わぬ幸運の始まりだったり、と、いろんな経験をしてきました。
目先のことに一喜一憂せずに仕事せぇ、ということなんでしょうな。

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