内容(「BOOK」データベースより)
すべての自然法則を包み込む単一の理論、“万物理論”が完成されようとしていた。ただし学説は3種類。3人の物理学者がそれぞれの“万物理論”を学会で発表するのだ。正しい理論はそのうちひとつだけ。映像ジャーナリストの主人公は3人のうち最も若い20代の女性学者を中心に番組を製作するが…学会周辺にはカルト集団が出没し、さらに世界には謎の疫病が。究極のハードSF。
辛かった・・・何が楽しくてこんな苦行のような読書を続けるの?
と、己に問い続けながらようやく読み終わりましたw
ホントに苦行だった~。
特に前半は大筋に関係のないことばかり書いてあって、しかもそれがわけの分からない専門用語のオンパレード、加えて欧米人のつまらないジョークに塗れて。
「もうやだ、こんな本読まん!」と、宣言しながら気になって頁を開く、でちょっと読んではめまいに襲われ、その繰り返し。
我ながら健気でした。
後半になると展開が早く過激になり、一気にわかりやすくはなったけど、そうは言ってもやっぱ物理は難しい・・・ある程度理解を諦めて読み進んでいくほかない。
もちろん今まで途中断念した本もたくさんあるから(小林秀雄とか西田幾多郎とか)それらに比べれば面白いのだけど、もうちょっと説明しながら展開できないのかなぁ。
この物語は2004年に刊行された2055年を舞台にしたもので、主人公は体内にビデオや人工知能を埋め込んでて、人工知能に呼びかける様子がちょうどアイホンのSiriみたいでリアリティあった、半分実現されたネタですよね。
そう、G・イーガンの魅力は遠い未来のこととしながらなんだか実現しそうな妙に生々しいリアリティではないか。いまや物理の世界は突拍子のないことだらけなので、このファンタジックな物語もまるっきりファンタジーとは言い切れまい。
男性でも女性でもない「汎性」という人がでてくるのだけど、もちろん生体手術によって人工的に性を放棄しているこういうのって高いニーズがありそうだし。
あと、前々から気になってた「人間宇宙論(=人間原理)」も重要なファクターとして出てくる、これについてはまた別の機会にじっくり書きます。