石匠風間ブログ!

読書、音楽、雑学

雪の大晦日

2004-12-31 | 雑記
スマトラ沖地震の死者数はその後も増え続け、インドネシアやスリランカなど10カ国以上で12万人以上となった。こんなすごい災害だとは!
一瞬で12万人を殺すパワーというのは尋常じゃない。だいたい津波ってそんなに危険なのか?想像が付かない。

そして新潟の被災者は雪の降る中をとんでもなく苦労しているだろう。
また、これらの大災害に隠れがちだが岐阜の台風災害も未だに復興作業が行われているという。

ぼくも仕事の上ではいろいろあってそれなりに大変な年だったが、歴史小説読んで感動してられるんだから幸せなものだ。

そんなこんな様々なことを、大晦日の今日の雪が覆い隠していくようだ。なんだかとても感慨深い景色だ。
降り積もる雪が溶ける頃には新しい年も始まっているだろう。2005年は果たしてどんな年になるのか?
経済情勢も環境変化も目を離せないだろうし、北朝鮮関係も予断を許さない。

人類は有史以来もっとも繁栄した生物種である。63億人という数は生物種の個体数としてはありえない数字だ。
時代の覇者はその時代にもっとも適合した生物種であり、それは進化をやめた種である。恐竜を引き合いに出すまでもなく、急激な環境変化がおこると真っ先に滅ぶのも繁栄種である。
人類がどんな結末を迎えるのか。

まあ、そんなことよりとにかく来年がぼくにとって皆様にとってそして石匠風間にとってそして深谷にとって、ひいては日本にとってよい年でありますことを祈念して2004年のコラム日記を閉じさせていただきます。

御愛読ありがとうございました。


もみの木が盗まれた!

2004-12-28 | 地域・暮らし
クリスマスイブの2日前の朝、当店の庭先に置いてあったもみの木が忽然と消えた!鮮やかなイルミネーションを飾ってあり、暗くなると当店前の雑然とした県道を少しだけ彩るお気に入りの逸品だったのに!

以前から「あんなところに置いといて盗まれないの?」とみんなに危惧されていたのだが、植木くらいまあいいかってなもんで気にしなかった。無くなってみるとがっかりする。

そのがっかりしていたところへ、もみの木を購入した業者さんから「クリスマスももう終わるから売れ残ったもみの木をあげましょう」と、粋な計らいを受けた。捨てる神あれば拾う神ありだ。しかも今度は簡単に盗まれそうに無い重量級の鉢。
とてもうれしかったのでそしてとてもりっぱなので、クリスマスが終わってもそのまま飾ることにした。

しかし、いろいろとハプニング続きの1年だったなあ。いや、まだ安心できないか。


歴史最高

2004-12-23 | 歴史
ここんとこ井沢元彦の『逆説の日本史』などを読んでいて歴史熱が久しぶりにぶり返している。今年は哲学をかじったり物理に入れ込んだり、忙しい年だが、どれも追求するところまで行かずある程度かじると熱が冷めてしまうのがいかにも庶民的で我がことながら微笑ましい。

興味を引いた幾つかのポイントは
1.聖徳太子の存在自体に疑問を呈する説があること
これは別の本で見たんだけど、まあずいぶん古い時代のことだから今後も真実は分からない、決着が付かないのなら実在したってことでいいんじゃないかな?と自分の中では解決済み

2.「生類憐みの令」は必ずしも悪法ではなかった
これは感心した。徳川5代将軍綱吉は「犬公方」なんてあだ名をつけられるようなバカ殿だったと思っていたので。
戦国時代の人間は人を殺すということに対する倫理的呵責を持っていなかった。それもあたりまえで、武家社会では他国の人間を殺すことで出世できたりするのだから、命の重みなんていくらでもなかった。また、治安と呼べるほどの社会システムもないので自衛が常識、特に信長以前の大名は自国の農民を戦のときだけ徴兵していたので、武士と平民という区別もあいまいでみな武器を持っていた。

戦国の世が終わり平時になると治安を守るために秀吉が刀狩を行った。これでかなり殺傷沙汰が減った。さらに江戸の世になり天下泰平がいっそう進むと、武器云々ではなく命を尊ぶという精神的再構築作業が必要になる。

これが「生類憐みの令」で、ずばり命の大切さを植えつける法令であったというのだ。犬をお犬様と呼ばせたりのみ・しらみ・ハエ・カに至るまで殺させないというのはちょっと行き過ぎの間もあるが、世界的に最も治安の安定した都市として当時の江戸は記録されている。

3.信長の特殊性
信長が異端であったことは誰でも知っているが、日本史の中でもヨーロッパのルネサンスに近いくらいの大転換を起こすきっかけになったのだと。
上記にあるとおり、それまでのいくさは農民を使った軍隊で行っていたため農閑期にしか戦えない。信玄と謙信の川中島の戦いが何度も戦って決着が付かなかったのはそれが理由だという。つまり、あと少し攻めれば勝てるシチュエーションでも「田植え時期だから帰んなきゃ!」ってことになった。食料がなければ国の破滅だから。

信長はそれをやめて農民は農業に従事させ軍隊を専業とする部隊を大きくしていった。同時に楽市・楽座などで商業を大きく発展させ、堺を抑えて貿易を盛んにし、それまでいい加減だった貨幣を統一し関所をつぶして流通を促した。

それまでの大名と著しく違うのは、軍隊の強さよりも経済の強さに重きを置いていることで、経済力あってこそのいくさということを見抜いていた。

もし、信長が生きていたらアジア各所に貿易拠点を作り、外向きに発展していったのではないかという仮説もある。

ね?おもろいでしょ?
たいていこういうの書くと「文字が多すぎて読まなかった」とか言われちゃうんだよなあ。


『峠』

2004-12-19 | 読書
先ごろ『武士道』の岬隆一郎先生と再会し、様々なお話を伺った。読書の話になりぼくが司馬遼太郎好きなことに触れると、
「ならばこれだけは是非読んでくれ、すごい本だから!」
と、一押しであったのがこの『峠』。正直知らなかった。大体峠なんていう題名から地味で食いつきがわるそうだ。主人公は河井継之輔、聞いたことも無い。

読んでみて驚愕した。ちょっと前にこのコラムでシリーズ化した『坂の上の雲』も驚いたが、ある意味それを凌駕する!
上・中・下3巻の構成で幕末の越後における戊辰戦争を扱っている。

大政奉還をうけて薩長は官軍となり全国を席巻する。官軍に恭順すべきか、それとも徳川家へのご恩を第一とし断固戦うか?会津をはじめとする奥羽列藩同盟、そして官軍に恭順というか無条件降伏する大多数の諸藩、そのはざ間で長岡藩の家老河井継之輔は藩の行く末と武士としての誇りを守るため、独自の中立路線を目指す・・・

それほど有名でもない越後の英雄にとても魅了された。ただし、河井の家老としての方針にはいささかの疑問が残らなくもない。彼の方策は本当に正しかったのか?それについては作品中で福沢諭吉と激しく口論する場面がある。

いや、正しいとか間違ってるとか、そういう価値基準がすでに違うのかもしれない。人間を裸にしたとき最後に残るのは立場だ、と、文中にある。
立場に殉ずるという生き方は、現代文明とお気楽平和国家にどっぷりつかったぼくには違和感があったのかもしれない。

寝るのも惜しいくらいに読み進めて下巻もあとわずかになったら、このまま読みきってしまうのが惜しくなってしばらく本を閉じた。それくらい本に愛着を覚えることがある。これを幸福といわずに何が幸福なものか。


D・ダレルが殺された

2004-12-12 | 音楽

・米中西部オハイオ州コロンバスで8日夜(日本時間9日午後)、ライブハウスで  演奏中のヘヴィメタル・バンド「ダメージプラン」のメンバーに男が近づき突然 銃を乱射、メンバーら少なくとも4人が死亡、2人が負傷した。発砲した男は、 駆けつけた警官に射殺された。



頭を撃たれて即死したダイムバッグ・ダレルはもともと「パンテラ」というヘビメタバンドでギターを弾いていた。ヘビメタフリークにはちょっとしたカリスマで、ぼくもよく聴いていた。去年バンドを解散しダメージプランという新しいバンドを結成、これから再出発という矢先であった。

高音と低音を強調するいわゆる「ドンシャリ系」と呼ばれるメタル風な耳障りなトーンで暴力的なフレーズを弾きまくる。アルバムの邦題を見てもらうとどんなバンドかわかりやすいかな、1st『俗悪』2nd『脳殺』3rd『鎌首』だからね。
使ってるギターが変わった形をしていて、ボディが4方向に突き出していてランダム・スターに似ている。
奇しくもジョン・レノンが暗殺された日と同じであった。年齢はぼくと同じ38歳!

誰でも拳銃を手軽に所有できる社会を肯定する国アメリカ合衆国。それでいいのか?
拳銃所持については以下のような肯定派の理屈がある。
「拳銃が悪いのではなくそれを使う人間こそが問題なのだ、たとえばカナダでは拳銃所持を認めているのに犯罪発生率は先進諸国の中ではとても低い。」
「拳銃は力の弱いものが強いものに対抗できる手段として存在する。老人や子供が屈強な若者から身を守るにはこれしかない。」

はあ~、そうですか・・・。なんとも悲しい社会だね。


韓国へ行ってきた

2004-12-07 | 雑記
2年ぶりに韓国プサンへ観光旅行してきました。おかげでパソコンに久しぶりに向き合った!
2年前と同じホテルで同じような行程というなか、違うことといえば日本におけるいわゆる「ヨン様」をはじめとする韓流ブームの影響かな。プサンは観光地なので、どこにいってもヨン様だらけ。出店で売ってるのもヨン様ならデパートのポスターもヨン様。何がそんなにいいの?と現地人はわりと冷静だけどね。

前回同様、今回も歩いたなあ!本屋は意外と面白かった。村上春樹が人気高くて平積み本がたくさんあった。そのほかにも日本人コーナーを大きく取っているくらいに日本人作家は人気があるようだった。もちろん中身はハングル文字なのでまったく理解不能なので、記念に買ったりはしない。

このハングル文字ってのがなんとも不可解、基本的に丸と線によって形作られているのだけど、こんなのでいろんなことを伝えられるのかなあと不思議に思うのはぼくが無知だからで、実際にはアルファベットよりも優れた伝達発明と言われてるそうだ。

そうかなあ?もともとの形から形成された象形文字=漢字のほうが意味の伝わる効率がよい気がするけど。

あと、気になったこと。大きな国際会議場のようなところで「サルバドール・ダリ展」を開催していたので見に行ったとき、幼稚園児が社会見学に来ているのと鉢合わせた。まず、幼児にダリを見せることの意義を問いたいところだが、それよりも日本の子供と違ってギャアギャアわめいたり勝手にどこか行っちゃったりという姿が見られない!先生の言いつけに絶対服従しているらしい。

こういうところが徴兵制を持つ国の「統制レベルの高さ」あるいは「公共心の強さ」かなあと妙に感心した。日本の街と違うのは何より子供たちの振る舞いじゃなかろうか。あ、でも大人は逆に日本より自己中心的に見えたけどね。

いづれにしろ近いうちに「プサン訪問画像集」をアップします。