内容紹介
東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。多田と行天コンビの魅力満点の連作集!第135回(平成18年度上半期) 直木賞受賞
『舟を編む』や『風が強く吹いている』の三浦しをん、ドラマや映画になった本作も話題になって知ってたが、なんとなくタイトルからとっつきにくい印象を持ってて。
普通に面白かった。
肩の力を抜いてダラっとした感じで読むのに最適かと。直木賞受賞ってのも構えさせるが、個人的にはすごく共感を覚えるというか、適度に暖かく適度に冷たいみたいな。
小説が面白いかどうかは結局のところ「登場人物に共感を抱けるか」如何だと思うので、そういう意味で自分のなかの多田や行天(主役二人)的部分を意識させられた。
おちゃらかした会話からボソッと哲学めいたセリフつぶやくあたりがいい。でも深入りはしていかないというか、そんな中途半端さも読者側からはむしろ気が楽で。
そんな大したストーリーじゃないのにキャラが強烈なので読後にじわじわと存在感が増すような物語かもしれない。
ちなみにシリーズ化していて、3作発表されている。日々の生活に疲れたら続き読もうかなぁ。