内容(「BOOK」データベースより)
1988年、恋人を長崎に残し、ケニアの戦傷病院で働く日本人医師・航一郎。「オッケー、ダイジョブ」が口癖の彼のもとへ、少年兵・ンドゥングが担ぎ込まれた。二人は特別な絆で結ばれるが、ある日、航一郎は…。2011年3月、成長したンドゥングは航一郎から渡された「心」のバトンを手に被災地石巻に立つ。名曲をモチーフに綴る感涙長篇。
何を隠そう、ぼくがギターを始めたきっかけがさだまさしでした。中学生の頃、さだまさしを弾きたくてアコースティックギターを買ってもらいそこからささやかな音楽人生がスタートしたのでした。
あれから30年が経つというのに未だに第一線で活躍するさだまさし、今や小説でもヒットを飛ばし。才能ってジャンルを選ばないのですね。
ただ、生意気を言わせてもらえば「小説家」の書く小説とそうでない人の書く小説ははっきり違うとも思うわけです。
なんというか、有り体に言えば「あざとさ」が表面に出ている感じw
それでも泣き所をしっかりとらえた構成には見事に泣かされて、下手な作家より数段上とも言えましょう。あまり凝りすぎない素直な内容も庶民受けはいいのでしょう。
物語自体よりあとがきに泣かされたところもありますが。
さだまさしの「風に立つライオン」という歌に刺激を受けた医師たちが国境を超えて活躍しているそうです、それはすごいことです。
ただのフォークソングが医者の心を触発し国際的な活動に発展したのならばとても価値のある1曲ということになります。さすがです。
と、偏屈なレビューを書いてしまったが、とても読みやすくおすすめの1冊には変わりないので是非。