石匠風間ブログ!

読書、音楽、雑学

今年を振り返る2014

2014-12-30 | 雑記
年々振り返るほどの事もなく、平凡で怠惰な日常へと退化しています。
退化といっても悪いことじゃないです、むしろ望んでそうなっているような気も。

歳を重ね衰える気力と共に変化を嫌うように進んでいるのでしょう。
ダーウィンの
「強いものが生き残るのではない、変化に対応できるものが残るのだ」
って言葉を想起して、ああこれは滅びの始まりなのかななどと。

今年はなんつっても二月の大雪!
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外に出られず仕事も滞り、不安ながらも呑気な日々でしたな。でも二度とごめんです。

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盗作作曲家や号泣議員やSTAPリケジョはじめ、ヘンな人が多い年でもありました。彼らは今後どんな人生を送るのか?いささか興味があります。

まあぼく自身は例年通り読書に勤しみちょこちょこ将棋を指し、時々チェロを弾き、もう余生と言っていいのかもしれませんw

PTAをそれとなく活動しオーケストラにそこそこ執心し、選挙をちょろっと手伝い、それも日頃の延長線でしか無く、でもなるたけ不義理は働かずさほど迷惑はかけなかったのではないかな。大過なく行幸もなく、ホメラレモセズクニモサレズ。でくのぼうですw

こう振り返ると、そりゃ褒められるものではないけどそれなりに良い年であったような気もします。これ以上を望むのは罰当たりではないか。

あ、そういえばこの年末うちのお店のマスコット「ドナルド」くんがついに旅立ちました、というかお買い上げいただきました。
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すかさず後釜にふっかちゃん!
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絶妙のタイミングでの交代劇でした。

さて相変わらずの駄文に目を通していただきありがとうございました、来年もおそらく書き続けることと思います、お暇な時にはどうぞご来訪くださいね。良いお年をお迎えください。


ブックアワード2014

2014-12-26 | 読書
なんか惰性で続けている「よしろの独断で決める優れた本Best5」です。
去年のブックアワード

今年はすごく偏った読書の仕方してたような。3冊くらいまとめて寝るのも惜しんですごい勢いで読んだり、パタッと何も読まなかったり。そして老眼鏡が手放せなくなったのも特筆すべきかw

第5位 『断絶への航海』ジェイムスPホーガン

これ読んだのがまだ今年だったとは!といっても1年近く経って内容もおぼつかなくて、それでも受けた衝撃の記憶だけ残っているみたいな本です。この中で語られる“社会の在り方”は未だに心のなかでくすぶってます。
毎年エントリするけどホーガンはもう欠かせない。

第4位 『玩具修理者』小林泰三

今年の一番の収穫は、この「小林泰三」と出会えたことです。今まで知らないで損してたなあと。そんで続けて10冊位同著者作品読みまくったけど、デビュー作であるこれがやはり抜きん出てますね。読後雄叫びを上げそうになったのはこの本だけです。

第3位 『至高の音楽』百田尚樹

これがね、なんだかんだいつも手元においてあって、今年時々ページを捲る本代表格ですな。ベートーヴェンもラフマニノフもシューベルトも短くも的確に評されてて秀逸!単なる音楽評でなく著者の人を喰ったような文体がいいのです。

第2位 『草原の椅子』宮本輝

宮本輝ってそんなにたくさん読んでないのだけど、たまに読むとじわ~って心に沁みるのですね。現代の文豪の一人だと思います。

第1位 『小澤征爾さんと音楽について話をする』小澤征爾×村上春樹

フィリップブレイドの『宇宙から恐怖がやってくる』にしようかとも思ったけど、あちらは考えてみりゃ宇宙物理教本であって感動というのとはちょっと違うかな。こちらは村上と小澤の魂の会談記録!ただ会談してるだけじゃなく様々な活動に村上が身を持って体験し文章にしてるから生き生きしてるのだと考えます。

東野圭吾や伊坂幸太郎もたくさん読んだわりにノミネートされないってのは、パターン化された展開にやや慣れ合ってしまったかな。

物語は3つ、2つはドキュメントというか教養系というか。これが段々教養系ばかりになっていく予感もあるのだけど、時たま尋常じゃない大感動作にぶつかることもあるから物語もやめちゃダメですね。


天下三分の計

2014-12-23 | 雑記
諸葛亮孔明の大計を、いくらなんでも大げさ?

えーと、ぼくの趣味のことです。
要するに「読書」「チェロ」「将棋」をそれぞれ趣味と呼べるレベルにキープし、どれかに偏らないよう活動せんと。

このブログは、うーん、趣味とするにはちょっとなにか足りないか。書くことなくなったらためらいなくやめちゃうしw読書感想みたいなブログだから「読書」に含まれましょう。

諸葛孔明は「魏・呉・蜀と三国で互いに牽制しあうことで絶妙のバランスが保たれる」として天下を3分割することを是としたのでした。

ぼくの場合無論いつもちょうど三分割とは行かないけれど、例えば今はチェロの比率が高いかも。でも三分することで逃げ場ができるし、新鮮さを保てるというか。

しかしホントにそうか?
どっちつかずにしてるからどれも半人前?、とも思うし。
けどどれも別にプロになろうとかそういうものじゃないから、趣味の範囲で取り組むならむしろバランスいいんじゃないかな。

中年世代に入り、知人の多くはスポーツに勤しんでいる中、益々孤独を極めんとする趣味傾向に、そこはかとなく一抹の不安も無くはないが。

だけどね、だれでもいつか死ぬわけで、それも年の順じゃなかったりするわけでね、来年ぽっくり逝っちゃう可能性も考慮すれば素直にやりたいことをすぐにやるのが正解だと思うのです。まあ正解なんてないけど。

これを教訓として定義するなら
人生「正しいこと」より「楽しいこと」ではないかな。

だんだんとこのブログがジジくさくなってきている実感!あるいは元々爺くさくて年齢が追いついてきたか。


『人間失格』太宰治

2014-12-19 | 読書

内容紹介
「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の長編小説。初出は「展望」[1948(昭和23)年]。自分の幸福の観念と世の中のそれが、まるでくい違っているような不安に悩む大庭葉蔵の半生を自意識過剰に描いた、太宰文学随一の傑作。臼井吉見が言うように、太宰文学の「最高のかたち」の「遺書」であるとともに、日本近代文学を代表する作品。


太宰は若い頃から諸々読んできたがここしばらくは遠のいていた。テレビでピース又吉が「50回以上読んだ!」と言ってたのを見て、我が身に潜む「太宰魂」を揺さぶられたのか、無性に再読したくなった。

20代初期に読んだ時は「自分の中の葉蔵(主人公)」を意識してか、とても暗い気持ちにさせられた。
「ああ、自分にもこういうネガティブな破滅願望あるわ~」
とか、単細胞なぼくはすぐにズルズル引きづられてしまう。

いま、オッサンになり読みなおしてみて思うのは、多少ブルーにはなるけれど
「やっぱこれは甘ったれの愚痴文学だろ」
というやや否定的感想。いや相変わらず嫌いじゃないのだけど。そしてそれを好んで読む自分が、ズバリ未だ甘ったれ体質を抱えていることを図らずも証明してはいまいか。

そんなふうにみんな太宰に己のネガティブ要素を反映させて、言わば「自分の中の太宰」を無意識に育んでるような。

昭和初期の文学ってもっといかつくて小難しいのが多いのに、太宰治特に「人間失格」はラノベ風味を思わなくもない。そこら辺もとっつきやすさかな。

個人的には『斜陽』のほうが優れた作品だと思うのに、これを「近代文学の代表」にしてしまっていいのかな。
あとやはりピース又吉が薦めてた『女生徒』も読んでみたが、全然面白くなかった。
個々人の感受性ってそもそも合致するものではないし、オススメするのは難しい。なのでどうぞぼくの駄文など気にせずに。

〈追記〉
と、まるで初めて評したような書き方をしたが、記事UP寸前に検索してみたら約4年前に書いてたw
2011.02.06「人間失格」太宰治
しかも内容ほぼ同じwwwアルツハイマー極まれり


衆院選終わった

2014-12-16 | 政治経済
といったわけで、衆議院議員選挙は予想通り与党安泰の結果となりました。
国政選挙だというのに何の感慨も浮かばない、嬉しくも悲しくもない、驚きも怒りもなんにもないって。

何なのでしょう、この「何もなかった」感は。ホントに選挙中なのか疑わしいほどに静かな日常でした。
選挙活動に殆ど関わらなかったからというのもあるけど、日本全国的にしらけムードが蔓延していたような。

それとも前回2回が共に政権交代というドラマティックな結果だったから、今回平和すぎるだけかもしれない。
激辛味を食べ過ぎて普通の味がわからなくなってしまったのか・・・

民主党の海江田代表が落選したけど、比例で復活できなかった「惜敗率」ってよくわからない、テレビでもそこを詳しく報じてくれなかったし、管元総理は比例復活し海江田代表はできなかった、その詳細を教えて欲しかったなあ。

さて安倍政権は概ね国民に支持されており、支持されるだけの行動力・方向性を有していると思います。
「景気は悪くなるばかり」という野党の主張もあながち間違ってはないけど、そもそも誰が政策ぶっても現状の日本、景気は浮上しないんじゃ?と思うわけです。

資本主義経済ってものが行き詰まってるのじゃないかな?「為替取引」や「先物取引」のような金融が実体経済を左右するような、つまりウソがホントを凌駕してるような世界ってどうなのだろう。だからって原始時代に戻すことも出来ないしね。

このごろ政治や社会を考えると悲観的な発想になってしまって困りますw


『統計学が最強の学問である』西内啓

2014-12-12 | 読書

内容(「BOOK」データベースより)
あえて断言しよう。あらゆる学問のなかで統計学が最強の学問であると。どんな権威やロジックも吹き飛ばして正解を導き出す統計学の影響は、現代社会で強まる一方である。「ビッグデータ」などの言葉が流行ることもそうした状況の現れだが、はたしてどれだけの人が、その本当の魅力とパワフルさを知っているだろうか。本書では、最新の事例と研究結果をもとに、今までにない切り口から統計学の世界を案内する。


むむ!こ、これはもしかしてものすごい本かもしれないw

途中から内容がとても難しくなってサラッと流し読みしてしまったが、またあとで読み返したい。

上記「内容」にもあるように、権威や理詰めの論理を吹き飛ばすのだからそりゃ最強でしょうよ。

たとえば、科学者が論理的帰結としてある結論を導き出すとする、統計学者はそれをサンプリングデータで嘘かホントかを検証する。たとえ方程式で導かれた結論でも「事実はこうだ」と結果を突きつけられれば手も足も出ないというわけだ。

わかり易い例だと選挙速報がある、まだ開票してないのに当確が出たりするのは、出口調査でのほんの僅かのデータを元に結果を導き出せるのだとか。

話題のビッグデータも単純に「膨大なデータを集められる」だけでは価値がない、それをいかに価値あるデータに加工するか、それも統計学の分野らしい。

この本は19世紀の欧州のコレラ蔓延、それを解決したエピソードから始まる。統計学者は水道会社に目をつけた。A社とB社でコレラ発症率が明確に違うことから水道水に原因を見つけたのだという。

他にも興味深いエピソード満載。しかしこれが現代となると話は単純には行かない、統計の誤差の扱いが高度になって小難しくなる。ぼく如きでは理解できないレベルでした。

せめて横文字を減らしてほしいと切に願うばかりです。
でもすごく興味を掻き立てられる本でした。


『五体不満足』 乙武洋匡

2014-12-09 | 読書

内容(「BOOK」データベースより)
「障害をもっていても、ボクは毎日が楽しいよ。」両手と両足がなくったって、いつもいきいきとしているオトちゃんこと乙武洋匡さん。ひみつはすてきな家族と友だち、それに小学校のころは、とっくみあいのけんかもしたという負けずぎらいの性格にもありそうです。だれよりも元気に、明るく暮らしているオトちゃんのゆかいで痛快な半生記。小学上級から。


正直に言うとこの本は長い間故意に避けてきました。それは目の前にいる障害者に関わらないようにと無視するかのように。


ツイッターで乙武さんのツイートを読んでるうちに徐々に垣根が下がってきたのかもしれない、彼のツイートはいささか自己主張の強すぎるきらいはあるがどんなときも常に前向きであり耳を傾ける価値があります。

そもそもどうやってツイートをタイピングしてるのだろう?

本の内容は、まあどうってことないですwはっきり言えば大して面白く無いです。
文筆家としてはやはりどう見ても素人。

ただ、確実に障害者への偏見は小さくなるかな。彼を特別視せず「かなり個性的な健常者」として捉えるようになります、すると読者として自然に厳しい論評になるのも必然で、これも乙武さんの狙い通りでしょう。

読みながらいろんな事が頭をよぎりました。

手がなかったら楽器も弾けないんだなあ、とか。でも彼はできることを精一杯やっていて、そして「できること」をこよなく愛し、大きな意味合いにおいてはぼくと大同小異、そんなに変わらないのかな、とか。

「毎日楽しいよ」だけでなく時々見せる「健常者だったらなあ」というぼやきも素直に書いていて、ホントに平凡などこにでもいる青年の手記です。

もちろんスーパーポジティブは誰でも真似できることじゃないけど、でもきっと見習うべき心構えなのでしょう。気持ち一つでハッピーになれるというお手本。


映画『インターステラ-』

2014-12-05 | テレビ・映画・芸能
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内容
『ダークナイト』シリーズや『インセプション』などのC・ノーラン監督が放つSFドラマ。食糧不足や環境の変化によって人類滅亡が迫る中、それを回避するミッションに挑む男の姿を見つめていく。主演を務めるマシュー・マコノヒーを筆頭に、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステインら演技派スターが結集する。深遠なテーマをはらんだ物語に加え、最先端VFXで壮大かつリアルに創造された宇宙空間の描写にも圧倒される。


す、す、すごいです!・・・すごすぎるってこれ。圧巻!オモロすぎ!
もう一回観たい!絶対観る!

なんだかんだ今年は3回も映画館に足を運んだ、その3本がいずれも面白かったことは幸福の極み。
(「ゼログラビティ」、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」)
なかでも今回の『インターステラ-』、「面白いよ」と聞いてたのだけど期待を遥かに上回る面白さだった。見終えてしばらくぼぉ~っとしてしまった。

とはいえ、SFにある程度馴染んでないと面白さが伝わらないかも。
具体的には相対性理論のウラシマ効果、ブラックホールやワームホール、事象の地平線などを踏まえていれば楽しめる。

いや、知らなくても問題ないかな、あらすじ自体はとても単純、アルマゲドンとか宇宙戦艦ヤマトとか、あんな感じ。
もちろん人間のやること色々起こるわけだが、変にひねってはないので意外とだれでも楽しめるかも。

その単純な骨子に映像自体や道具立てで感動を呼ぶ味付けがされてるのだと思うと改めてすごいなと。
特筆すべきはなんつっても、「娘を持つおやじ」殺し風味!泣かずにはいられんって。娘を持つオトーサンはぜひ!

ただ、SF映画の常として「あの場面は科学的に矛盾してないか」のような細かいデティールを突っつかれる宿命にあって、ネット上のレビューを見ると異論反論がわんさか。ぼくもいくつか気になったところはあった。

ネタバレになるので詳細書きませんが。

でも、たとえどんな欠点があろうと宇宙空間のあの凄まじいばかりの美しさ。。。言葉を失うほどの。
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『ゼログラビティ』の時も書いたが、ぼくはいい歳こいて未だ宇宙に憧れてるので、昨今のリアルな描写には圧倒されてしまう。

もしかしたら「ここ数年で最も感動した映画」と断言してもよいかも。
激しくオススメです!ただし3時間弱の上映時間、ぼくのように暇人向けかなw
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『ΑΩ(アルファ・オメガ)』 小林泰三

2014-12-02 | 読書

内容(「BOOK」データベースより)
旅客機の墜落事故。乗客全員が死亡と思われた壮絶な事故現場から、諸星隼人は腕一本の状態から蘇った。一方、真空と磁場と電離体からなる世界で「影」を追い求める生命体“ガ”は、城壁測量士を失い地球へと到来した。“ガ”は隼人と接近遭遇し、冒険を重ねる…。人類が破滅しようとしていた。新興宗教、「人間もどき」。血肉が世界を覆う―。日本SF大賞の候補作となった、超SFハード・アクション。


これは・・・!気軽に勧められないほどのグロさw
突然生首がころがり肉塊の洪水に溺れ常に血液体液が溢れ出る展開!
もう、ぐっちゃぐちゃ(笑)

しかも主人公「諸星勇人=モロボシハヤト」が飛行機事故で死んだはずがエイリアンのおかげで蘇り、敵と戦う時は巨大化し戦闘時間制限が3分。手から出す光弾で敵を倒す。

極めつけはかけ声「ジュワッ!」。ハードSFというから読んだらウルトラマンのオマージュやんかwなのでそこそこ笑える。まあ理論武装したウルトラマンか。

けれどそれだけじゃない、プラズマ生命体エイリアンのとても詳細な世界描写もあってこれはさすがだ。量子物理に裏付けされた空想科学を思い切りふくらませて魅せてくれるので、ぼくとしては大満足。

ただ、スプラッター小説なのでいちいち汚いんだよなあ描写がw

小林泰三はいつも短編ばかり読んでたので、長編の持つ充分な世界観と大きなスケールを堪能できた、SFファンならまあまあの高評価ではないかな。ちょっとふざけ過ぎな気もするけど、この著者基本ふざけた人なんだろう。