またしても池波正太郎の短編でお茶を濁そう。
清水一学(いちがく)は忠臣蔵に登場する、吉良上野介の家来。つまり、浅野側でなく吉良側から見た忠臣蔵の物語。
何の気なしに読んだが、ちょっと考えさせられた。いやちょっとじゃないか。
以前岬先生も忠臣蔵を「今で言ったらテロだぜありゃ」とおっしゃっていた。確かにそうだ。幾多ある物語のおかげで赤穂浪士はヒーローだが、ちょっと待てよといいたくなった。
現在の忠臣蔵観は元はといえば近松門左衛門の『仮名手本忠臣蔵』というベストセラーによって生み出されたと言えよう。当主の敵を臥薪嘗胆の上見事討ち果たす。で、最後は切腹。日本人の心をググッと掴むに足る物語。
しかし、よくよく考えるとことの発端となった浅野内匠頭の刃傷沙汰、原因には諸説あるようだが、現代の切れやすい子供と似ている気がする。いい大人が、しかも要職にある人間のする行為じゃないだろ。小刀で切り付けたことなどから計画性は薄い犯行で、逆上の末のものであるらしいが、襲い掛かったのが背後から、そして居合わせた別の人に簡単に取り押さえられるなど、かなりぶざまな殿様だ。
刃傷沙汰に及んだ原因を数ある物語では賄賂を贈らなかったため吉良が浅野を何かにつけ辱めたとかバカにしたとか、そんなことで暴力振るうかな?でもって、この事件についての判断が浅野家の取り潰し、内匠頭の切腹。一方の吉良はお咎めなしというわけで、庶民のあいだで吉良家は相当に嫌われたそうだ。
敵役として不動の地位を得た吉良上野介は、その治める領地の民にとっては名君と謳われていたそうで、まあ、とんだ目にあってしまったものだ。冷静に考えれば浅野=正義、吉良=悪という安易な図式はありえないのだが、当時の世論として赤穂側はヒーローになった。閉塞観に苦しむ庶民にとって、反権威こそが真理であったのか。
興味を持ってネットを調べたら、今更出て来た疑問じゃなくて近松の時代からもう忠臣蔵を非難する意見はあったらしく、その手の書物もたくさん出ているそうだ。そんなこととは露知らず、驚きは80へーくらい(byトリビアの泉)あげたい気分だ。
清水一学(いちがく)は忠臣蔵に登場する、吉良上野介の家来。つまり、浅野側でなく吉良側から見た忠臣蔵の物語。
何の気なしに読んだが、ちょっと考えさせられた。いやちょっとじゃないか。
以前岬先生も忠臣蔵を「今で言ったらテロだぜありゃ」とおっしゃっていた。確かにそうだ。幾多ある物語のおかげで赤穂浪士はヒーローだが、ちょっと待てよといいたくなった。
現在の忠臣蔵観は元はといえば近松門左衛門の『仮名手本忠臣蔵』というベストセラーによって生み出されたと言えよう。当主の敵を臥薪嘗胆の上見事討ち果たす。で、最後は切腹。日本人の心をググッと掴むに足る物語。
しかし、よくよく考えるとことの発端となった浅野内匠頭の刃傷沙汰、原因には諸説あるようだが、現代の切れやすい子供と似ている気がする。いい大人が、しかも要職にある人間のする行為じゃないだろ。小刀で切り付けたことなどから計画性は薄い犯行で、逆上の末のものであるらしいが、襲い掛かったのが背後から、そして居合わせた別の人に簡単に取り押さえられるなど、かなりぶざまな殿様だ。
刃傷沙汰に及んだ原因を数ある物語では賄賂を贈らなかったため吉良が浅野を何かにつけ辱めたとかバカにしたとか、そんなことで暴力振るうかな?でもって、この事件についての判断が浅野家の取り潰し、内匠頭の切腹。一方の吉良はお咎めなしというわけで、庶民のあいだで吉良家は相当に嫌われたそうだ。
敵役として不動の地位を得た吉良上野介は、その治める領地の民にとっては名君と謳われていたそうで、まあ、とんだ目にあってしまったものだ。冷静に考えれば浅野=正義、吉良=悪という安易な図式はありえないのだが、当時の世論として赤穂側はヒーローになった。閉塞観に苦しむ庶民にとって、反権威こそが真理であったのか。
興味を持ってネットを調べたら、今更出て来た疑問じゃなくて近松の時代からもう忠臣蔵を非難する意見はあったらしく、その手の書物もたくさん出ているそうだ。そんなこととは露知らず、驚きは80へーくらい(byトリビアの泉)あげたい気分だ。