石匠風間ブログ!

読書、音楽、雑学

今年を振り返りたいが

2013-12-29 | 雑記
例年今年を振り返ってるわけですけど、そろそろマンネリかな、何も書くこと思い浮かばないw(記事ひとつひとつには困らないのに)

チェロを始めたこととオーケストラに加入したことは個人的には事件だけれど、まあそれくらいしか書けないってね、どんどん人付き合いも縮小していくし加入団体もなくなっていくしねえ。

元来が付き合いの良い方でないからひきこもり傾向に拍車もかかるってもので。
ちょっとした初老かね・・・

大した危難もなく無事に一年を終えられることがすごく幸福なこととは思えど、平和は退屈だったりするのだね、贅沢なことを言ってしまうと。

と、ここまで書いてふと思い浮かんだ、オケの定期講演会に際しいろんな人にチケットを購入してもらったのは事件では?明らかにご迷惑かけたわけだし今までそういうのしないで生きてきたから、実際依頼の電話するのドキドキしたしw

あ、自分のことじゃないけど将棋でPCに人類が負けたことも大事件だわ。機械が人類を凌駕し始めた歴史的な年でしょ。

つまりだ、もしかして例年通りそれなりに諸々起こったのに記憶力が悲しいほど衰弱したと言えないか?うーむ、そんな気がしてきた。どっちにしろ初老。

その意味でも過去記事を振り返ることで弱い頭を補完していることにもなるか、外部記憶装置かあ。

さて本年もくだらない当ブログを訪れてくれた皆様に心の底より感謝申し上げます、来年も気が向いたら読んでみてください&良いお年をお迎えください。


よしろコラムブックアワード2013

2013-12-26 | 読書
今年は5作選ぶのが難しかった、去年の『ジェノサイド』のような突出した存在がなく、加えて小説よりもルポやアカデミックな色合いのものが多かったからかな。
だからってつまんなかったなんてことはない、むしろちょっとしたショックをたくさん頂いた年度であったかも。読んでも読んでも驚きは無くならない、読書のすごさ!

第5位 『妻を帽子とまちがえた男』オリバー・サックス←クリックで当該記事へ

5位ながらこれが一番ショックの大きい本かも知れない。正直まだうまく飲み込めてない、専門的すぎてムズいので。脳科学の分野というのは突き詰めれば哲学へと進展するのかなと、うまく言えないが漠然と恐怖に包まれた、怖いっすw
脳疾患に音楽療法が有効なことも興味深かった。これはいずれ読み返したい。

第4位 『横道世之介』吉田修一

これはモロに世之介に自分を重ね合わせて「共感!」を楽しんだ本。のほほんとしたバブル期の学生を肩の力を抜いて描いてる、なんていうとどこが面白いのかと思われそうだが、妙に心に残る不思議な小説。

第3位 『ニートの歩き方』pha(ファ)

しかし著者名(ファ)っていくらニートだからって適当すぎだろwそれでもこの本はぼくの40年守り続けた常識の殻を簡単に破ってしまった。それが社会的に名の知れた識者でなくただのニートであったこと!これ以降ツイッターでオモロイこと言う人を追いかける癖がついたし、ベーシックインカムなど興味深いことを色々知ることになって、この人は今後注目していきたいな。

第2位 『未来の二つの顔』J.Pホーガン

なんと去年に続き2年連続の2位!J.Pホーガン偉大だわ~
ただこれには直近で『2045年問題』松田卓也を読んだことで「お、ホーガンの書いてるとおりに現実も推移してるやん!」て、俄然存在感増したこともあるので、どっちかなと悩んだのだけど、30年以上前にこの小説を書き上げたホーガンその偉大さを讃えたいなと。
そして何度も言いましょう。人類は近い将来A.Iに屈服するでしょう、ただしそれは必ずしも不幸なことではない!むしろ文明の新たな展開を迎え「進化」と呼ぶにふさわしいこと。まあ我々旧人類にとっては滅びの道ですがw

第1位 『無伴奏チェロ組曲を求めて』エリック・ジブリン

でもやっぱ、これやなあ~。コンクリブロックのような分厚い本だけどね。
J.Sバッハとカザルスの生涯を通して楽器としてのチェロ・バロック期の音楽・偉大なチェロ組曲を考察していく。だからバッハへのリスペクトを持ってないと無価値な本かも。バッハ凄いよバッハ・・・!


他にも「半沢直樹」シリーズも面白かったし三浦しをん・東野圭吾・伊坂幸太郎・山田宗樹・森見登美彦・村上春樹も楽しませてくれたし、本来順位なんてナンセンスかもしれない。

実際しばらくぶりに読み返すと真逆の感想だったりすること多くて、まあそんなわけで話半分に受け止めてくださいw


『ナミヤ雑貨店の奇跡』東野圭吾

2013-12-23 | 読書

内容紹介
あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は……。物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。すべての人に捧げる、心ふるわす物語。


これは傑作!思わず読後に低く唸ってしまった。
今まで読んだ東野作品でも一番かもしれない、こんなゴッチャゴチャに込み入った不思議な話よく考えつくなあ。

ロバート・ハインラインの『夏への扉』を思い出した。全然違うのだけどなんとなく展開のひっくり返し方とかもしかしたら影響受けてるんじゃ・・・

ミステリーかと思ったらSF色のファンタジーだったのもいい意味で裏切られて効果あったか。
だからといってSFは単に道具立てでしかない、東野作品に通底している肝は「人情の機微」ですから。読み進めるに連れジワッとこう・・・

いやいや、ここであまり語ってしまうのはもったいない、是非読んでください!
普段読書しないヒトでもスルスルと読み進められます。こういう読後感がいいものを読んでいればいつも精神的安定を得られるのかな。


労働至上主義について

2013-12-20 | 社会・出来事
何度か書いてきたベーシックインカム(以下B.I)を採り上げよう、と、とりあえず自分の過去記事を検索したら・・・全然書いてないじゃんw

これはつまり以前から気にしていたのだけれど記事にできてなかったのかな。身の回りでも「B.Iには反対」という意見よく聞いたし、自分でもうまく咀嚼できてなかった。で、今回あらたまって書くのは下記のブログに軽く感動したから。

「働かなくてもいい、というデータ。ベーシック・インカムについて再び」
sombrero-records.note

とても高い文筆力で理知的に書かれているけど、その実かなり過激です。
“ベーシックインカム=最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するという構想”
冒頭の障害者の少女の話はぼくも似たような経験があって、まずそこでガッツリ掴まれました。さらに

“~労働至上主義というようなイデオロギーの犠牲だったのではないだろうか。役に立つ人間以外は無価値という残酷でかつ間の抜けたイデオロギーの。全ての人間は「オトナになれば」働かなくてはならないし労働は尊いし、労働が生きる意味で労働こそが喜びだというような価値観。そして同時に不動産なんかを持っている不労所得者への妬みを抱えるという闇さ。
 頭をカラにしてから、1から考えてみれば、労働を賛美する理由はどこにもない。”


んなこと言っても労働ってそーゆーものでしょ、と反発したくなる。前に紹介した『ニートの歩き方』も似たような主張だった、コレをすんなり受け入れては我々が日々働いていることへの矜持が保てないでしょ。で、ここからです。ぼくが書くより本文を読んでもらったほうが話が早いw

“こんなにたくさんの人が働かなくてもいい証拠はとても身近なところにあります。あの間の抜けた就職活動とかいうのを見てみて下さい。あんなに必死で媚を売ってやっと一部の人が職を手に入れるというのは、みんなが働く必要なんてないということを端的に表しています。”


そして

“日本だけではなく、世界各国で職を得ることのできない人々はたくさんいます。これを「解決すべき大問題」だと、みんなが思い込んでいるのですが、何度でも言いますけれど、言葉は悪いですけれど、これは本当に馬鹿なことです。
この現象はどう考えても「もうみんなが働かなくても大丈夫な世界になった」ということを表していて、本来は喜ばしい結果です。解決すべき問題でも困ったことでもなんでもない。それを、雇用を生まねばならないとか大騒ぎして、もう本当にこれは馬鹿なんです。”


むむむ・・・そうかもしれない。労働を少なくしようと文明を進歩させているのに少なくなった「労働」を追い求める矛盾!

問題は労働してる人だけが富を独占していることにあると指摘、ここは世間と真逆の価値観で抵抗ありますが、たとえ古来から脈々と受け継がれてきた伝統的イデオロギーであろうと、それを捨て去ることで人類がより生きやすくなるのならば検討の余地は在るのではないか?と思った次第です。

あれ?B.Iの仕組み自体については言及なかったなwそれはまあいろんなところで言われてるので省きましょうw
実際問題、制度としてB.Iを採用するにはまだまだ粗が多いようで当分は「政策」ではなく「思想」として語られるものでしょう。

でも現状の社会保障制度、このままじゃダメなことはすでに明白だしね。


カラスのやつ

2013-12-17 | 雑記
増えすぎた鹿を殺処分、街で悪さをするサルを駆除、これらは元々動物たちが悪いわけじゃないのは今更説明不要でしょう。人間の都合で増やされたり減らされたり。
まったく人間というのは罪深い生き物です。

せめてもの罪滅ぼしとして普段の生活の中では生き物を慈しもう・・・

なんて綺麗事を言ってもね、「あのカラス!」だけは許せないのでしたw

うちの事務所の屋根を激しく殴打しているあのクソ野郎です。殴打って言っても拳はないのだからクチバシなんだろうなあ。屋根が壊れるんじゃないか位の強い打音が響き渡り、不愉快この上ない。試しに内側から叩き返してやったら・・・なんとノーレスポンスw 変わらず叩いている。おーいw


近づいても中々逃げないし(っていうか、こっちが怖いw)あの図太さは大したものだ。

ヘミングウェイが言ったそうです。

「世界中の人々に愛を!でも隣のオヤジは大嫌いだ。」


道徳観なんて万事こんなものでしょう。


『三匹のおっさん ふたたび』有川浩

2013-12-14 | 読書

内容紹介
剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械をいじらせたら右に出る者なしのノリ。「還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!」と、ご近所の悪を斬るあの三人が帰ってきた! 書店万引き、不法投棄、お祭りの資金繰りなど、日本中に転がっている、身近だからこそ厄介な問題に、今回も三匹が立ち上がります。


未曾有の高齢化の時代が生んだ「これからのエンタメ!」ではなかろうか。

1作目の時と同じ、強過ぎも弱過ぎもしない等身大のキャラクタ、安定の人情話、世代間ギャップや地域コミュニティの現状とか。クスッとさせてホロッとさせる。

猟奇的事件は起きないし、ずば抜けた天才も出てこない。そこそこ不道徳な輩を還暦過ぎのおじさんたちがやっつける、みたいな。
まあ基本ホームドラマなのだけど、定年を過ぎたオッサンが活躍できる物語は今の時勢ウケが良いのだと思う。そういうものが望まれているのだろう。

映画はどうかと思うが、TVドラマならそれなりに長寿が狙えるのではないか。
テーマとしてゴミ不法投棄のようなリアルで身近な問題を採り上げているのも広く共感を生むと思う。

それにしてもぼくは宇宙やら脳科学やら冒険や猟奇殺人などばかり普段読んでいるせいで、たまにこういうほんわかした話が心地よいっす。こういうホンワカ系をたまには読まないと心のバランスが崩れていきそうでw

そして、やはり思った通りドラマ化されるらしい

文藝春秋「三匹のおっさん」特設サイト

ん~・・・北大路欣也は好きだけど、キャスティングとしてどうかなあ。


Never too late!

2013-12-11 | 雑記
表題はジャーナリストの江川紹子さんが世界的チェリスト、ヨーヨー・マにサインしてもらった言葉だそうです。江川さんも老後の楽しみにと妙齢でチェロを始められたそうで。
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それは45歳でチェロを始めた自分のためにあるような言葉ではないか、と強く心に刻まれたわけです。なにせチェロやヴァイオリンって幼児のうちから始めないと遅いと言われてるからねぇ。

それをあえて「Never Too Late!」と第一人者が言ってくれたわけです。たとえ「慰め」だとしても、そこに救いを感じてしまう。

もちろん飛び抜けた才能が有るなら時間的制約などモノともしないでしょう、そうでなくても突き抜けた情熱を持ってすれば比類なき成長を得ることもあるかもしれない。
そもそも何を持って「うまくいった」と判断するかは人それぞれですが。

少なくとも「楽器をやる=プロになる」ことが成功というのは安直に過ぎると考えます。プロになれるくらい弾いていたら、逆に好きなものも嫌いになってたかも。



「遅すぎることなんてない!」
思うに、楽器にかぎらず様々なことに当てはまるのかもしれない。
趣味以外でも、仕事でも人付き合いでも、あるいは生き方でもね。

ぼくのチェロの場合、大して才能ないし情熱も半端だし、まあどーってことなく推移するでしょうが。それでも「もう遅いよ」とやる前から諦めてたらそれこそ全くのゼロだったわけだし。

「宝くじは買わなきゃ絶対当たらない」と同じです!買わないんだけど。


といったわけで、多少でも興味がある方には楽器をお薦めしたい!だって若い時より時間もお金も自由に使えるでしょうに。「遅すぎることはない!」ですから。

将棋でもよいけどw


政治家昨今

2013-12-08 | 政治経済
猪瀬東京都知事が徳洲会の件で突っ込まれてピンチのようですな。
まあ誰が見てもおかしな言い訳してるし、公人である以上仕方ないかなとも思うのだけど、その一方でどうにも割り切れないものも感じます。

猪瀬さんは法に触れそうだからかばいきれないけど。
ただ、前々からちょっと過激な発言をして大臣職を追われたり、女性問題でつまずいたりってよくあるじゃないすか。

この際だから本音で書くけど、法に触れない範囲なら多少のミスは大目に見てもいいんじゃない?って思ってます。ちゃんと仕事してれば私生活や舌禍については「ごめんなさい」で許してやってもいいと思うのです(違法行為は償うべきだけど)。

「一般人と違い政治家は社会の模範たるべき」とか言われるけど、なんつーか政治家に限らず社会全体が窮屈で世知辛くて息が詰まる気がします。

昔の政治家はみんな利権を公然と握っていたせいかお金持ちで威張ってるイメージがあるけど、まあそれがいいとは言わないけどね。

でもこんなに私生活に神経を使って務める政治家って職業も魅力あるようには見えないでしょ。なりたがる人の気がしれないw

戦後日本自由党を結党した三木武吉という政治家は国会の質疑で「妾が4人もいて、偉そうなこと言うな」、というようなヤジを飛ばされる。すると三木は、「いや、4人ではない。7人である。どれも気の毒な身の上で面倒を見ているし、彼女たちの助けがなければ私という政治家はここまで育たなかった。何ら恥じるところはない。しかも、その大切な人たちを1人ならともかく3人も数え落とすとは失礼にも程がある」と答えて、反対政党の議員や、その ことを知った国民までをも尊敬させる理由になったとか。
 また、「女7人ぐらい喧嘩させずに御せないで、一国の総理になれるか!」と怒鳴りつけたとかw

かっこいい。今や許されないだろうけどね。
こういう「粋」を認める素地が昔はあったんだなあ。そーゆうちょっとゆるい社会のほうが生きやすいとは思うのです。


『働かないアリに意義がある』長谷川 英祐

2013-12-06 | 読書

内容紹介
女王バチのために黙々と働く働きバチや、列を成して大きな荷物を運ぶアリたちに共感を覚えた経験は誰にもあるはず。しかし実際に観察すると、アリもハチもその7割はボーッとしており、約1割は一生働かないことがわかってきた。また、働かないアリがいるからこそ、組織が存続していけるというのである!これらを「発見」した著者による本書は、アリやハチなどの集団社会の研究から動物行動学と進化生物学の最新知見を紹介。人間が思わず身につまされてしまうエピソードを中心に、楽しみながら最新生物学がわかる科学読み物である。生命の不思議に感動すると共に、読後には社会・会社・家族などへの考え方が少しだけ変わる、ラクになる。



8月にUPした『ニートの歩き方』レビューに、働きアリの2割は働かないってのを記したが、その頃からアリに興味が湧いていたので目についた瞬間買っていた。

砕けた調子で読みやすいような文体ながら、案外ムズい、というかやはり根本は学者の文章だなあ。周りくどくて細かいwかといって大雑把な学者では研究にならないだろう。

アリだけじゃなくハチやシロアリなど真社会性生物全般を取り上げ、生物が集団を作ることの意味を解釈している。またダーウィンの進化論も頻繁に出てきて、果ては適者生存の「適者」とはなにか?みたいなかなりマニアックな内容です。

ミツバチが8の字ダンスで蜜源(お花畑など)の方角・距離を的確に伝えるって、知ってたけどあらたまって考えてみると、すごいことじゃないかな。言葉も無いしあんな小さな脳で伝達するのかぁと、序盤から惹きつけられました。

真社会性生物の特徴は「利他行動」つまり他人の利益のために動くこと。働き蟻は女王の子どもをせっせと育てる、働いてない奴のぶんまで餌を集めてくるなど。

書名である働かないアリがなぜいるのか?
簡単にいえばスペアみたいなもので、働き者が死んでいなくなったりすると働き出すとか。逆に全部がきっちり働いてるような集団は余裕がなくていざって時対応できない。

ハンドルの遊びみたいなものかな。長期的にはこのほうが効率が良いそうです。

このアリなどの「集団としてどうあるべきか」は人間社会でも諸々に言えてる部分があって、むしろアリの世界のほうが生存競争は熾烈であり1億年以上生き残ってきたアリ社会のシステムには大いに学ぶべきかと思います。


竜王戦2013

2013-12-02 | 将棋
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今年は将棋界にとってはひとつのターニングポイントになるかもしれず。ついに渡辺竜王が失冠したのです!ハタチの頃から9年間連続で守り続けた竜王の座を森内名人に奪取されたのです。(=11/29第26期竜王戦第五局にて)

羽生との数々の名勝負や竜王渡辺明のヒールっぷりは何度か記事にしました。この9年の間、その他のタイトルは(全部で7つ在る)取ったり取られたりを忙しく繰り返しており、11月現在7つのうち3つを渡辺が保持。

ちなみに11/28までのタイトル保持者一覧
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上記の「竜王」が森内に移動したわけ。この3人が7つの冠を牛耳ってるわけ。

ぼくが将棋に興味を持ったころはすでに渡辺竜王でV2くらいだったか。個人的には竜王=渡辺明というのが定理、というか原理原則といえるほど不動の地位でした。

もちろん毎年竜王戦はあるので来年返り咲くことだってあるでしょう、更に他の冠を増やすかもしれないし。でも「竜王」位に限っては一瞬でも手放さないで欲しかったような。

加えて羽生と繰り広げた伝説の死闘!
羽生が負けた・・・2008.12.19よしろコラム

そんなこんなで、散々敵役として言及してきたにも関わらず、思いがけない喪失感に愕然とするのでした。

今まで何度も渡辺を「将棋界のヒール」として悪し様に書いてきたけれど、どんなに叩かれても憎まれても、往年の北の湖のように強くあってほしい、ラスボス然としてほしいというそれは身勝手な要求だろうけど、そんなふうに思ってきたのだなと再確認しました。

と、渡辺にだけクローズアップしてるけど、奪取した森内名人、この人の常ならざる強さも特筆モノです。しかも羽生と同い年43歳!40代の活躍はとても勇気づけられるのは事実です。

だがしかし。
万年初級者のぼくをして図々しく言わせてもらうなら、森内の将棋はとっつきにくいんですよね。「玄人好み」なのかもしれないけど、硬すぎて見てておもろくない。

羽生や佐藤の華々しさと比較しちゃうとね、どうしても近寄りがたいというか。
魅せるために指すのではなく勝つために指しているのは重々承知なのだけど。

あるいは「将棋界のヒールは森内俊之に引き継がれた」と言えるかもしれない。
まあ年齢的にも渡辺がすぐに復権しそうだけどね。