のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

石仏

2009年04月12日 | 日記・エッセイ・コラム

090406k  猿ヶ京の関所の裏、洋品店の隣に石仏を一箇所にまとめた場所があります。

 どんな仏様がいるか眺めていたら「あれ?」と気になる仏様を発見しました。

 頭が取れてしまったのでどんな顔なのかはわかりませんが、その錫杖と衣に穏やかではないものを発見しました。

090406l  錫杖の頭に作られた模様。十字架を模したものではなかろうか?

 群馬県北部は隠れキリシタンの宝庫だったようで、こうした遺物が各地から出ています。江戸時代にこの地を統治していた真田がキリシタン禁止令が出てからも30年以上放置していたこともありますが、隠れキリシタンも九州のような弾圧もなく住み着いていたようです。こうして仏様を装いながらキリシタンの存在を示す遺物が多々ある土地です。

090406m  この仏様の服。物の見事に大段に十字架をきざんでいるようにも思えます。

 そういえば、あくまでドラマの中の話ですが、NHKの「天地人」に真田の娘の初音という長沢まさみが演じる忍者のような女性が出てきます。織田信長に仕えていますが、彼女が洋風の服を着て首に十字架をぶら下げて出ているのを見て、やはり真田はキリシタンと何かしら関係があったのか?などと勘ぐっています。

 ラフカディオ・ハーンが文明開化の頃日本に来て目にした田舎の日本人の顔は、路傍の仏像のような穏やかな顔をしているように見えたそうです。

 やがて、日本に住むようになり、日本も日清・日露戦争で世界的に名をはせるようになると、仏様のような穏やかな顔をした人々の顔つきが徐々に変化して、もはやそのような穏やかな顔をした人は見かけなくなってしまったとエッセイに残しています。

 路傍の仏像の顔はかつての日本人の顔だったのかもしれません。

コメント
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