傍観者の独り言

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鳩山前首相:やはり、「胆力」も「智力」もない苦労知らずの独りよがりだった!

2010-06-18 21:01:06 | 民主党・鳩山由起夫

朝日新聞が鳩山前首相とのインタビュー記事「辞任の真相は」を掲載し、要約記事『「辞任、昨年末から考えていた」鳩山前首相インタビュー』を報道しています。
聞き手の薬師寺克行・編集委員が、インタビュー記事の「取材を終えて」で、鳩山前首相の失敗は、「政治主導」、「脱官僚依存」などの理念先行のうえ、既存の組織やシステムを巧みに利用する現実感覚が明らかに欠けていたと論評しています。
当方には、参議選前であり、辞任を自分自身の「政治とカネ」問題を主要因とし、無難なインタビューとしか思えないですね。

要約記事「『「辞任、昨年末から考えていた」鳩山前首相インタビュー』では、
”「・・・・・
辞任については自らの「政治とカネの問題」が最大の理由で、内閣支持率が5割前後に下がった昨年末ごろから考えていたと述べた。普天間問題は、昨年一度は辺野古への移設に傾いたが、徳之島案が浮上したため「より幅広く考えてみようと思い先送りした」と語った。

 鳩山氏は首相辞任の理由について自らの政治資金問題をあげたほか、「参院選の直前に内閣支持率や政党支持率が下がると立候補予定者に迷惑をかける」と述べ、辞任が民主党にとって選挙上、プラスになると考えていたことを明らかにした。

 小沢一郎前幹事長の辞任については1日の会談で、「私が一緒に辞めてほしいと言った。小沢氏は自分も辞めると覚悟を決めていると話した」という。

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普天間問題で、昨年末に現行案の受け入れを認めようとしたのは、懸案となっていた環境特別協定の締結などに米側が前向きな反応を見せたため。沖縄の負担軽減につながるとして「現行案でも乗り切れるかもしれないと考えた時期があった」と述べた。しかし、民主党の牧野聖修衆院議員らが鹿児島県・徳之島への移設案を提起してきたため、先送りを決めた。

 その際、「過去に一度検討していたという話ははいっていなかった」「この案の検討に官僚は使わなかった」などと述べたうえで、「やり方は稚拙だったかもしれない。もっと正面から情報を集めて、冷静な議論をしていたらと思う」と、不十分な情報のもとで対応していたことを明らかにした。
・・・・・・


と報道しています。

一方、「オピニオン」欄のインタビュー記事「辞任の真相は」では、鳩山前首相は、

辞める決断については、自民党離党した時から、政治とカネの問題についてはクリーンさを原点にしてきたが、自分の[政治とカネ問題]が重荷であり続け、昨年12月頃、支持率が下落傾向で、辞任を考えていた、その場合には、小沢幹事長と一緒に辞めるつもりだったが、最終決断は辞意表明の1週間か10日ぐらい前だった。
辞任経過を、日米合意を発表する前日の5月27日に、小沢幹事長とは首相公邸で、辞任の話をせずに、5月31日には、輿石参議院会長も同席し、「首相を辞任したい。今日は時間がないので、明日、詳細に打ち合わせしたい」とし、翌6月1日の会談で、表明日程を決め、そして、小沢幹事長に、『恐縮だが、一緒に身を引いてほしい』とお願いしたら、小沢幹事長は、『わかった。自分でも辞める覚悟を決めている』と答えています。

普天間移設問題については、
昨年末に、現行案で乗り切れると考えた時期があったが、自分は「最低でも県外」と発言しており、辺野古への移設はわだかまりがあり、そこに「徳之島」案が浮上してき、先送りした。
社民党との連立維持が延期理由ではなかったかの問いに、
「違います。小沢さんはいつも『政府が決めることだ。自分は一切口だししない。任せる』と言っていた。」と答えています。

徳之島案は、牧野聖修衆院議員らの情報で、過去に検討し、不調になっていたことは知らなかったとし、官僚を使わず、水面下で進めた。やり方が稚拙だったかもしれないと発言。

5月末に決着時期としたのは、普天間危険除去を考えると1年も,2年も先送りできず、アメリカは12月に決着を要求してきており、延ばしても半年で、参議院選挙もあり、5月末が限度と思った。
普天間基地問題に時間を割け、本格的に動きだしたのは、3月24日の予算成立してからで、その頃には、既に、沖縄も徳之島の反対一色になっていた。
辺野古に回帰したのは、アメリカは徳之島を強く反対し、海兵隊はトータル・パッケージで運用されており、全て沖縄から移すか、残すかの2者択一しかなく、アセスメントが実施済みの辺野古周辺しか選択の余地がなかったと答えています。

ぶら下がり取材については、
ぶら下がり取材については、何度もやめるように秘書官らに指示したが、大変大きな抵抗にあって実現できなかった。官邸では官房長官が毎日会見している。そのうえに首相がぶら下がりをする。これはあるべき姿ではない。やるならば会見を定期的にやり、それも記者クラブの中でなくオープンに開くべきだと考える」と答えています。

その他には、国家戦略局や行政刷新会議の法定化、官邸に人事権を集中させる法案などを出したがこれらは成立しなかった。マネージメント作りは未完成のままだと反省の弁を語っています。

薬師寺克行・編集員は、「取材を終えて」で、官僚を使わず、一部議員らの情報を頼り、官邸主導のシステム作りも未完の失敗は、「政治主導」「脱官僚依存」などの理念先行で、既存の組織やシステムを巧みに利用する現実感覚の欠落と総括しています。

当方は、鳩山前首相のインタビュー記事を一読し、多分、鳩山前首相は真情を語っていると思うが、ダブル辞任で、「脱小沢」路線が国民に好感され、辞任前と打って変わって、支持率が好転し、参議院選挙が明るい見通しであり、一部しか語らず、敢えて、自分を悪者にしていると推察しますね。
インタビュー記事全般で、感じたことは、やはり、鳩山前首相には、「胆力」も「智力」もない「良い所のお坊ちゃん」だったということですね。

普天間基地問題で、辺野古への回帰の経緯は、鳩山前首相は苦悩した気配がなく、孫崎亮氏らの提言、川内議員らの海外移設の提言らは何だったのか?と思いますね。
本ブログ「沖縄基地問題:小川和久氏:「政府主導ごっこ」「官邸主導ごっこ」と酷評!・・・同感!」で書きましたが、一人よがりの政治ごっこしてたのでしょうね。

また、辞任の決断を、自分の「政治とカネ」問題が重荷であり、支持率下落でストレスが蓄積し、小沢幹事長と道連れ辞任を、自分から言い出したと発言していますが、本ブログ「鳩山首相辞任:「胆力」「智力」もなく、最適解思考の「最低辞任表明」(雑感)」で、最低の辞任表明と書きましたが、結果論として、「脱小沢」が民主党の支持率を好転させたことが皮肉ですね。

鳩山首相が「ぶら下がり取材」を何度もやめるように秘書官らに指示したが、大変大きな抵抗にあって実現できなかったと語っていますが、組閣・官邸人事の失敗を是正できなかった政治力がなかったということですね。

鳩山前首相の辞任は、「胆力」「智力」のなかった資質の問題であるが、インタビュー記事を一読をし、最大の問題は、鳩山前首相が「小沢一郎」離れを意図し、小沢一郎氏の政治力を活用しなかったことと思いましたね
政策一元化を、メディアは、小沢一郎氏の主導と報道していましたが、鳩山前首相は、『小沢さんはいつも『政府が決めることだ。自分は一切口だししない。任せる』と言っていたと答えており、小沢一郎氏は、政府主導を実直に党務を精励しただけで、鳩山前首相の思惑のマネージメントが頓挫しただけですね。

結果論から言えば、「胆力」「智力」のなかった鳩山由紀夫氏が、小沢一郎氏離れの政治を目指したが、自分の「政治とカネ」問題が重荷になり、小沢一郎氏の政治力を活用も出来ず、自滅したのに過ぎないですね。
ただ、辞任表明で、「脱小沢」を示唆し、野望・野心家で機を見るのが敏の菅直人氏が「脱小沢」路線で、新総理に就任し、民主党への支持が好転したということが皮肉ですね。
マアー、国民は、野心家の菅直人氏を委ねるかどうかですね。



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