傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

鳩山首相の半年間の総括・・・致命的な思考回路

2010-03-18 05:15:40 | 民主党・鳩山由起夫

政権交代し、半年経過し、鳩山首相や閣僚が所感を述べていますが、支持率下落傾向を「政治とカネの問題」を掲げているが、「脱官僚依存」「政治主導」で「マニフェスト公約」を実行するあたり現実的な難題に直面し、その打開に取り組みをしているのに過ぎず、政権与党の未体験による「未熟さ」を実感しているのでしょう。
政権与党は国家運営の責務があり、民主党は自民党主導の社会を「破壊」させた後の新たな社会の「創造」の国家の計の準備不足であり、認識不足であったということです。
究極は、鳩山首相のリーダーシップの欠如で、最適解を求める資質が主たる要因ですね。

まずは、鳩山首相は小沢一郎の扱いを考えすぎで、「政務」「党務」を明確にさせ、意識して距離を置きすぎであり、「政策の一元化」が中途半端になり、民主党の大組織力を有機的に活用できずにいることですね。

民主党の最大も課題は、個々の議員はそれなりの人材であるが組織力の弱さであり、組織力の強化が急務です。
党務を預かる小沢幹事長とすれば、民主党の組織力を強化し、参議院選の勝利に第一とするでしょうね。
組織力の強化は、地方組織の強化拡充であり、政策実現への推進力UPであるが、地方で利権誘導が批判されるのは、「驕り」でもあり、政権与党の「未熟さ」の表れです。
政調の復活の動きは、政策会議が機能不全で、個々の議員のやりたいことと政府の受け皿機能のアンバランスの表れであり、小沢幹事長の独裁・閉鎖性を責めるのは片手落ちですね。

鳩山首相の最大の問題は、問題を幾多の要素・方法を計算し最適解を導き出す手法のORが専門かわからないが、結論(決断)ありきとし、それに伴う問題を抽出し、問題解決に注力すべき事案をも、考えすぎで、計算し最適解を求めようとし、決断しないことですね。
考えれば、もっと、最適解があるという楽観的な思考で、大事なことは最適解を模索することではなく、問題解決することなのです。

その典型的な事例が、普天間移設問題です。

普天間移設問題は、「海外・県外」が結論ありきであれば、「海外・県外」の方針で、国民に見える形で、日本全体の問題として解決にあたることです。
当然、既定路線を白紙にすることになり、日米安保、安全保障(抑止力)、代替案、約束不履行の補償、日米関係の悪影響などの解決に注力すれば良く、沖縄の問題を日本全体の問題として解決にあたることで、日米安保・日米関係が揺らごうか、約束不履行で補償をしようが、沖縄県内は検討無用とし、「海外・県外」で着地させることに全力を投入することでした。

「THE JOURNAL」に、長島防衛大臣政務官とのインタビュー記事『普天間基地移設問題 野党時代の「県外・国外」案は修正する』で、長島防衛大臣政務官は、

”「野党時代の限られた情報で作られた公約と、政府の中であらゆる情報に接した上での考え方にはズレがある。
 長島氏は修正を余儀なくされる理由に、野党時代と現在の立場で触れられる情報の質の差をあげている。仮に5月にまとめる政府案と公約に違いが出た場合は、修正点だけでなくその結果に至る根拠を国民に対して説明することは避けて通れない。映像ではその「説明責任」にまで触れている。
」”

と語っています。

1政務官が、民主党の掲げた「沖縄ビジョン」での沖縄振興策の修正は妥協の余地があるが、基地問題についての修正は論外であり、「海外・県外」移設を反故はできないのです。
1政務官が「沖縄ビジョン」の修正まで、言及することは組織的には許されないのです。
普天間基地移転で、安全保障に支障がでても、日米関係に悪化が予想されようが、「海外・県外」移転は、沖縄県民の民意でもあり、政権交代を実現させた国民の民意なのです。
普天間移設問題は、沖縄県の問題ではなく、沖縄県以外の他都道府県が問題なのです。

鳩山首相の致命的な問題は、諸々を考慮し、最適解を求めれば、現実解として「沖縄県内」ありうるという思考手法です。
結論は「海外・県外」で、沖縄以外で最適解を求めることしかなく、沖縄県内案は「検討無用」と拒否し、常に、検討状況を公開し、国民に知らせるべきです。

また、移設先の公表を控えるとNHKニュースが『移設先の原案 公表控える』で、
”「平野官房長官は記者会見で、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題をめぐって、今月中に取りまとめたいとしている移設先の原案について、アメリカなどとの交渉に支障を来さないためにも、公表は控える考えを示しました。

この中で、平野官房長官は、普天間基地の移設先について記者団が「今月中に政府の考え方を取りまとめるのか」と質問したのに対し、「もちろん取りまとめる。政府として原案の方針をまとめるので、基本政策閣僚委員会を開いて了承を得るプロセスは経なければならない」と述べました。そのうえで平野官房長官は「予見を与えて、いろいろなところに影響を及ぼす可能性もあるのでオープンにはしない」と述べ、その後のアメリカや地元との交渉に支障を来さないためにも、原案の公表は控える考えを示しました。
」”

と報道しています。

政府の移設先案が沖縄県内であるのでしょうから、原案の公表を控えたと憶測しますね。
平野官房長官については、世の中、評判が悪いのは、本ブログ『平野官房長官の評判の悪さは、組合役員体質・感覚?(邪推)』で、

”「組合幹部特有の独善・高慢な思い上がり思考に染まり、自分らを上位の次元にいると勘違いしているのではないかと思いますね。」”

”「平野官房長は、組合幹部として、組合員を組織の構成員を、上位下達する存在という体験で上から目線が身につき、官房長官は政府の決定事項を国民に上位下達すればよいという感覚なのでしょうね。
要は、まだ、組合幹部の意識であり、国民を組合員と同質程度の感覚なのでしょうね。
」”

と書きましたが、組合幹部は、会社の機密情報を知る特権的な立場におり、会社から厚遇され、組合は御用組合化になり、会社側に順応同化してゆきますね。

普天間問題は、「海外・県外」が結論で、波及問題も、受け入れ先が反対していることも、また、受け皿探しに汗をかいているこも、全てオープンにすることが肝要であるが、秘密裏に、内部関係者で事を進める手法は、組合幹部の気質の表れですね。
また、それを許容している鳩山首相の資質を疑いますね。
鳩山首相は結論が出ている問題を、最適解を求める思考方式は、致命的な問題ですね。

当方は政権交代を待望した人間ではあるが、鳩山首相にはリーダーとして資質を疑うようになりました。
普天間基地問題を「沖縄県民の負担軽減が第一」と既定路線案を否定し、日米とも政権交代になり、「変化」が求められるとし、「時間をかけ、最適解を模索する、日米関係は堅持し、より深化を目指す」という鳩山首相の発言は歓迎したが、その後の言動を見ていると、「言葉だけで、打開策も問題解決にも、情熱も熱意も感じられず、諸々の事を考え、最適解を模索しているに過ぎない」と印象をもち、決断できないのでなく、決断しない思考回路の人間ではないかと思うようになりましたね。

諸々を熟慮すればするほど、最適解などなく、最適解さがしをしているだけで、本質の問題はなにかを決断し、後は問題解決に邁進するのみです。
鳩山首相の致命的な問題は、最適解を求めることにあるという思考回路ですね。
国権の最高責任者は、最適解を求めることでなく、本質の問題を提起し、問題を解決することを指示命令することですね。



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