銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

無事帰国しています。

2015年11月15日 | 見かけだおしNのつぶやき

今だから、あれこれ回想すること。

 

説明会で、荷物のことや、食事、現地のマナーなど

一通りお話して、そろそろお開きの時、

同行された娘さんから、笑顔で発せられた言葉。

「で、テロは大丈夫でしょうか?」

これは、今までもよくお客様から問われてきたこと。

でも、最近久しく聞いていなかった私は、

少しハッとして、、、でも間をおいて毎度の同じ答えを告げました。

「正直、大丈夫とは、いえません、残念ですが」

その言葉を発した場所は、阪急梅田の賑わう喫茶店。

週末とあって買い物であったり、映画、待ち合わせ、おしゃベり、

だれもが休日を謳歌している楽しい、あまりに日常の場所。

ですから、私の、誰でも言えそうな

「今はどこにいても、こればかりは、大丈夫とはいえませんよね」

曖昧な言葉も、この平和な日曜日の梅田でふわふわと舞い上がり、

「そうでしょうね」と、お客様もなりました。

そして、お互いが、このこと、テロのことをとりあえず確認しあったという

ただチェック項目を一つクリアしたという安心感。

そうして、すぐにパリで何をしたいか、

ヴェルサイユ宮殿、ムーランルージュ、セーヌ下りetc.

そんな話に移り、大いに盛り上がって解散しました。

 

パリで、ガイドさんとの会話。

やはり、今年初めのテロから激減した観光客。

仕事が減っていたのも少し前のこと、今は観光客も戻ってきて

反動で毎日忙しくしていて、休みが取れなくって大変と。

でも、ガイドさんとの距離が縮まる最終日には、

「誰かの小さな悲鳴や、僅かな破裂音でもびくびくしていた時期があります。

怖かった、外に出るのも本当に緊張だった」と、その頃の心情を吐露されました。

ただ、観光客の私には、もうそれは過去の話で、

「またね、次ご一緒できるまでお元気で」

いつものように手を振ってお別れしました。

だって、高い秋空にノートルダム寺院や、凱旋門の堂々たる佇まい、

セーヌ川クルーズにこれも今や日常、どこにも中国人ご一行様の団体客、

そんな観光立国フランスの超観光地パリは私が知るいつもの光景。

そこにテロなんて、想像がつかない、もう遠い過去のニュースペイパーでの話。

そして私は、数日後には、日本に帰っている・・・

 

ニースに入ると、陽光がこれでもかと注がれる紺碧の海が広がる町、

のんびりとした、リゾートならではの悠長な空気が流れていました。

その中心地で何やら違和感のある光景が、、、

「今日は、何かイベントでも?」

「いいえ、イスラム教のコミュニティです」

銃を持った警官が建物の四角に立っていました。

つまり、イスラム教というだけで、あらかじめ警備しているというのです。

これって、、

当事者は不愉快でしょう。

イスラム教というだけで警備がつく。

じわじわ不穏な空気が充満していく過程のように思えたのです。

でもそれも一瞬のこと。

車で、通りすがりの会話でした。

私たちは、すぐ美しい鷲の村へと向かったのですから。

 

関西空港に到着して、飛行機から降りて、入国審査待ちの列で

お客様の携帯が鳴りました。

お迎えに来られた娘さんからでした。

「現地で爆発が起こったって」

私が初めて知った、今回のテロ事件でした。

 

旅行業をしていると、いろんなことで、

その国への渡航が閉ざされます。

ウィルス、政治的感情、天変地異、

でも、多くの風評被害があっても、

旅人の思い、個々の向かう意思の先によっては、

旅は成立してきました。

 

しかし無差別テロ行為。

 

「大丈夫でしょうか?」

誰が、大丈夫と言えるでしょうか。

 

地球儀を見て、世界は案外狭いね、 嬉々とそんなことを言っていたのは、

確かに少し前のことでした。

 

地球儀を超えて、世界はどんどん遠くなって行くようです。

これはもはや抗えない現実です。

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