地域循環共生圏概論 57

2022年08月08日 | 防災と琵琶湖


作成日:2022.8.8|更新日:2022.8.
地域循環共生圏概論 57


□ その後の彦根広域ごみ処理施設建設問題 Ⅲ
7月15日以来だから24日間の空白の間に、ウクライ侵攻(
ンガリー動乱やプラハの春やを想起させる)やヨーロッパ
最大の原発・ザポリージャ原発やチョルノービリ原発が攻
撃・占領され、ウクライナ市民の人命だけでなく、核爆発
の恐怖を楯にした武力侵略が拡大し、
新型コロナの第7
拡大する最中に、国内の原発が政府と電力会社により、ウ
クライナ紛争によるエネルギー逼迫や大規模気候変動に炭
酸ガス削減を□実にし、老朽原発再稼働させようしており、
片や福島第一原発事故の放射汚染廃液排液の海洋拡散投棄
関連施設の建設が始まり、輪をかけたように、新型コロナ
ウイルス、サル痘のエピデミック・パンデミック禍に覆わ
れ、猛暑、異常気象、核戦争と「世界の終わりの影」を感
じさせる昨今であるが、いまある課題を着実にすすめる。




--------------------------------------------------
第7章 コンクリートの除染の基礎と汚染廃棄物の
         最終処分へのセメント・コンクリート技術の活用
7-1 放射能汚染とコンクリート技術の関連
1.はじめに
がれきや廃棄物の処理・処分をコンクリート技術の観点から
考察。
概要を図7.1.1 に示す。種々の汚染物に除染や固型
化など何らかの処理を施し、まずは再利用することを考え
る。除染処理により放射性 Csbが濃縮された廃棄物や元々
高濃度の汚染物は、Csの水溶性の有無により処分方法を変
えることが必要。放射能濃度と他の有害成分にもよるが、
公共水域の保全の観点からは、Csが水溶性でなければ放射
性Csによる周辺環境による汚染がなく、安定型相当の処分
場でも処分できる、Csが水溶性の場合は放射性Csが環境に
再放出される可能性を否定できないため、溶出を問題ない
レベルに制御する、セメント固型化を施し管理型相当の処
分場に処分する、もしくは環境から遮断可能な遮断型相当
の処分場に処分する等が必要となる。


 コンクリートがらについて考えると、岩手県及び宮城県
でのがれき処理の実情報から、不燃系廃棄物のうちコンク
リートがらは膨大な量だが、全量が路盤材などとして有効
に 活用されている。岩手県や宮城県でのコンクリートが
らもまったく放射性Csによる 汚染がないわけではないが、
十分低いレベルであり、再利用による被爆は無視しえると
考えられる。
しかし、より汚染レベルが高い地域において
は汚染したコンクリート構造物を単に粉砕再利用すると放
射線影響が無視できなくなる可能性もある。ただし、この
場合も、コンクリートの汚染は表層部に留まっている可能
性が高いので、表面部分を研削・除染することで再利用を
促進でき、廃棄物量を削減できる。このための基本情報と
して、環境汚染の程度とコンクリートへの放射性Cs浸透深
さの関係を調べている。
  一方、汚染廃棄物処分において注意を要するのは前述の
ようにCsが水溶性として含有される。ここでは、セメント・
コンクリート技術は二つの役割を持つ
。一つはセメント固
型化による放射性Csを含む有害成分の逸散防止であり、も
うひとつは最終処分場への鉄筋コンクリートの適用があり。
ここで特に重要なのは、第4章でも触れているが、水溶性
Csの割合が高い焼却飛灰であり、その特性を理解したうえ
で処理処分する(要注意)。このため、本章では焼却飛灰
の特性を説明し、その上で、セメント固型化と鉄筋コンク
リー ト施設で最終処分する際の注意事項の説明、及び現在
の研究状況を説明される。
----------------------------------------------------
注:福島第一原子力発電所事故による放射能汚染は放射性
Cs(セシウム)によるものですが、Csという元素は特別なも
のではなく、天然にも安定 Cs(放射壊変しない種類のCs)
が微量ながら普遍的に存在する。放射性Csはこの安定Csに
比較すると、濃度としては数桁以上も低く、化学的挙動は
両者に差はない。本章では放射性Csの固定化による溶出防
止を取り上げるが、固定化は圧倒的多数の安定性Csに対し
ても行われることになる。
----------------------------------------------------
7.2 実コンクリートへの放射性 Cs 浸透解析と再利用への
考え方
7.2.1 実コンクリートへの放射性 Cs の浸透解析
(1) はじめに
高圧水洗浄では、コンクリートの除染効果は限定的だが、
コンクリートを研削する超高圧水やショットブラストによ
る方法では効果があることが示されている。しかし、具体
的な浸透深さや汚染レベルの影響に関する情報はあまりな
い。チェルノブイリの事故の事例では、Cs-137とSr-90は
少なくとも50mmでは浸透していたが、5mm までに 70%が存
在する。このような状況から、福島県の異なる汚染度の地
点からサンプルを採取し、空間線量率と汚染の程度を調査
する。調査方法としては除染の手法としても有効と考えら
れるウォータージェットとCsの分布が直接的に測定できる
β線ラジオグラフを用いた。

(2) ウォータージェットによる汚染コンクリートのCs浸透
深さの実測
サンプルの採取場所は、福島県の居住制限区域で、帰還困
難区域の直前です。より空間線量率(高さ1m の道路上)が
低い 2.7~2.8μSv/hrの地域における擁壁 3 箇所から直径
10cmのコンクリートコアを、より空間線量率が高い 7μSv/
hrの地域における道路側溝から蓋(JIS A 5345 道路用側溝
蓋 3 種蓋 412*95*500mm)を 3 箇所から採取(2012年12月17
日)。外観から劣化度が異なり、新品のもの、表面のセメン
トペーストが多少減少しているもの、劣化が進み粗骨材が
露出していたものである。


図 7.2.1 に空間線量率とコンクリートの表面線量率(コン
クリート表面1㎝以内)の関係を示す。空間線量率が高まる
に従いコンクリートの放射能汚染レベルも高まる。今回サ
ンプリン グしたもっとも高い空間線量率の地域 は、文部
科学省によるデータではおよそ3000kBq/m2 (300Bq/cm2)の
Cs-134と Cs-137の沈着量]。GM管によるとこの地域で採取
したコンクリート蓋の表面線量率は5k~10kcpm程度で、
0kcpmは33Bq/cm2となる。後述の放射能濃度測定でも39Bq/
cm2(2013年3月13日測定)で、文部科学省のデータと比較す
ると、測定地点のコンクリートには降下したCsの約1/10程
度が残存しコンクリート上の土壌を含む植生(コケ)には
1
/3程度が今も残存していると推定する。
 コンクリートコアをウォータージェット(上図 7.2.2)で
研削する前に高圧水洗浄(3MPa)し、付着している泥などを
除去したが、表面線量率の低下は少なく、ほとんど影響が
ないものから最大でも 2割程度の低減でしていた。擁壁の
上面と側面では、明らかに側面の放射能レベルが数分の1
程度に低くなっている。コンクリート蓋はコンクリートコ
アと異なり、高圧水洗浄により 3~4割程度、放射能レベル
が低下しました。側溝の蓋は道路面近くに存在するため、
ほこりを多く付着していたものと推定する。


 また、コンクリートコアをウォータージェット(上図 7.
2.2)で研削する前に高圧水洗浄(3MPa)し、付着している泥
などを除去したが、表面線量率の低下は少なく、ほとんど
影響がないものから最大でも 2割程度の低減だった。擁壁
の上面と側面では、明らかに側面の放射能レベルが数分の
1程度に低くなっている。


コンクリート蓋はコンクリートコアと異なり、高圧水洗浄
により3~4割程度、放射能レベルが低下した。側溝の蓋は
道路面近くに存在するため、ほこりを多く付着していたも
のと推定できる。次にウォータージェット(水圧:150MPa、
ノズル:径 0.1mm×7個、噴射流量:5.58L/min、噴射反力:
50.9N、2012年12月17日)によりコンクリート蓋を研削。研
削による 表面変化を上図7.2.3に示す。コンクリート表面
のセメントペーストが研削され、骨材が露出する様子が分
かる。研削時間と表面線量率変化の関係を図 7.2.4に示す。
研削時間と表面線量率変化の関係はどの蓋でも同様に、研
削時間と共に急激に表面線量率は低下した。研削前後の供
試体質量から、除去深さを推定し、表面線量率との関係を
下図7.2.5 に再表示する。蓋ごとに表面線量率プロファイ
ル、すなわち放射性Csの浸透プロファイルが異なることが
分かる。空間線量率がほぼ同じ地域であり、降雨によりも
たらされた放射性Csに大差ないとすれば、プロファイルの
差はコンクリートの品質に依存するものと考えられる。こ
れ乾いた表面に降雨により放射性Csがアルカリイオンとし
てもたらされたとするならば、拡散ではなく吸水に伴いコ
ンクリート中に放射性Csは移動したものと考えられ、表面
が緻密なほどコンクリートは吸水によるCs汚染の程度が小
さくなったと考える。

 一方、除染ということを考えれば、空間線量率が類似で
あり、類似した量の放射性Csがもたらされたと推定するな
らば、除染にウォータージェットで研削する時間は同じ空
間線量率の場所ではコンクリートの質によらずほぼ一定で
よい可能性があると考える。空間線量率7μSv/h の環境で
は、40×30cmを30秒(250s/m2)研削すれば65~80%の削減効
果が見込め、90秒(750s/m2)研削すれば85~95%の削減効果
が見込まれる。ただし、今回の研削条件はプロファイル測
定の精度を上げるために穏やかに設定したもので、ウォー
タージェットの水圧を高め数倍の効率を得ることは可能。

(3) β 線ラジオグラフによる分布測定
ウォータージェットによる研削では脆弱部分が先行して研
削され、表面から必ずしも均一に研削できているとはいえ
ない。見かけ上は放射性Csの拡散によるとも考えられる濃
度プロファイルが得られたが、別の方法で検証する必要が
ある。放射性物質の分布測定法には、ラジオグラフがある。
放射線に感光する素材の上に放射性物質を置くと、放射線
が照射された位置のみが読み取れる。放射性Csはβ崩壊し、
β線とγ線を放出する。γ線は透過力が強いので、放射線
源がたとえ局部であっても試料内部を拡散するため高い空
間分解能を得ることが困難です。β線であれば、物質透過
能力が低いため(コンクリート中ではおよそ0.06mm)、より
高い空分解能が得られます。ここでは感度が高く測定レン
ジが広いイメージングプレート(IP)を用 いたβ線ラジオグ
ラフを試す。測定はGE Healthcare社製 Typhoon FLA 7000(
空間分解能 50μm)を用い、2013年3月13日から166時間行っ
ている。
                    この項つづく

✔ところで、ごみ処理施設建設問題だけでなく、流域下水
道の終末処理場においても放射性物質の混入も想定できる
のではとハタっと気付き、そのワークフローも作成・プロ
グラミングしなければならない。これでは手が幾つあって
も足りませんねと、小生の"過剰適応症"が首を擡げる。


出所:資源エネルギー庁

 【エピソード】



□ 巻頭絵|「マイクロ水力発電」で
浄水場を再エネ電源に落差34.7㍍で67世帯分を発電


出所:ダイキン工業
□ 
気候変動対策の切り札(
Bargain Power)は植物由来肉
気になる情報として先月30日、投資効率はなんとゼロエミ
ッション車の11倍という見出しが飛び込む。「気候変動対
策への投資」と言うと、ソーラーパネルや風力発電といっ
た再生可能エネルギーの開発に関する技術や、二酸化炭素
を排出しない核融合発電などの最先端技術を思い浮かべる
人は多いだろうが、動物由来の素材を使わずに生産された
代替肉への投資が、他の分野のテクノロジーへの投資に比
べて圧倒的に効果的だという。


$ Food for Thought: The Untapped Climate Opportunity in
 Alternative Proteins, BCG, July 8, 2022

さぁ!この滋賀県で最新鋭の大豆植物栽培工場を建設して
日本を救おう!友よ、夜明けは近い!^^;。

【脚注及びリンク】
----------------------------------------------------

----------------------------------------------------



最新の画像もっと見る

post a comment