Hidenori Nodera 野寺秀徳『輝く路の上で』

SHIMANO Racing野寺監督のブログ

山ラン

2015-01-29 00:06:43 | トレーニング日記

寒さが厳しくなると予想されていた今日。チームは自転車でのトレーニングではなく、山登り(ラン)をしてまいりました。

来るシーズンへ向けた乗り込み期間としてこの時期ロードバイクのトレーニングも必須です。

しかし、早く、遠くへ行けると言う利点のあるロードバイクは、それだけ多くの風に体を押し当てながら進まなくてはいけません。

もちろん、気温が0度に迫る今日のような日には体温がどんどん奪われ、トレーニングとして狙う部分でない要素で体力を奪われてしまう事も事実です。登り坂は比較的体温が上がるのですが、その分、下り坂では汗と共に急激に体表の温度が奪われひどい目に遭う事もしばしば。

その点、山登りはどうでしょう。極端に移動速度が低く、森の中を進むと言う事もあり、風はあまり身体に当たりません。

思った以上に筋肉に付加もかかり、足から腰にかけあっという間に乳酸が筋肉を支配し痛い程の疲労に襲われます。しかも心肺機能はすぐに頭打ちになるほどの負荷がかかります。山を下る時にも、とっさに足場を選び、斜面に対して落ちて行く体重を一歩一歩しっかりと受け止めなくてはいけないため、下りでも体温が上がるような運動負荷が足にかかります。自転車でのダウンヒルに比べ、寒さの中では大きなメリットです。

登山は自転車選手にとってこの上ない体力トレーニングとなります。

が、もちろんリスクも少なくありません。自転車に動きが似ているだけ、で決して一緒でない運動ですから、足に痛みが出るリスクがあります。しかも安定しない足場のため、捻挫や転倒して骨折なんて事も想定できます。

自転車選手はこのような不安定な場所でのランニング、特に下り坂等を苦手とする選手が少なくないように思います。

おそらく、そこにはペダリングの回転運動に必要無い要素が多く含まれていて、慣れてないから、もしくは、自転車に必要無く退化している筋力があるのかもしれません。

では自転車選手に必要無いのでは?という疑問もわきますが、私はそうは思いません。基礎体力はタフなロード競技に必要不可欠であるし、自転車選手は普段の動きの1割にも満たないような突発的な動きをした時に間接の故障等が出る場合が多くあるように思います。

自転車を進めるために純粋に必要でない能力もある程度身につけ、土台を大げさに築いた後に、余分なものを削って行けば良いのだと思います。

その削れ具合がちょうど良い時こそ調子のピークとなり、そこに狙ったレースをあわせる事が出来れば、ピーキングが成功するように思います。

逆に言えば、調子が良いからと言って同じ鍛錬を繰り返したいると、ある要素が削れ過ぎてしまい、普段しないとっさの動きを要求された時に出来ないような身体になってしまうのではないでしょうか。

・・・と、勝手に思った事を書きましたが。

『苦しいけど楽しい!!』

との選手の言葉が表すように、トレーニングは耐えるだけでなく色々と工夫し楽しさも含まなければ長続きしないし、結果レベルも上がって行かないのでは?と単純に思った事が行き着いた答えでした。

(なぜ私も一緒に登ったかと言うと、楽しそうだったからです。あー足痛い。)

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